コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
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★ お気に入り
★2009/11/09 (Mon)
Girls Dream of bubble・番外編 その瞳は誰を追う
「ハーイ! ライ」
「シャーリー、ニーナ、それにカレンも」
ライの視線の先には、赤頭巾のシャーリー、水兵のニーナ、執事のカレンと、それぞれのハロウィン衣装を着た格好の三人がいた。
「妙な組み合わせだな」
「それって、衣装の事?それとも、三人がいること?」
シャーリーの問いにライは、
「衣装、だろうか」
「うーん、私のは幼すぎる衣装だからそう思うんだろうけど、衣装は可愛いと思うけど」
「ああ、違う。カレンの方だ」
自分の名前が挙がるとは思ってなかったらしく、カレンが驚いたようにその瞳を瞬かせる。
「えっ、私?」
「カレンの衣装、そうかな?。今いる中では一人だけ男装してるけど、其処まで可笑しくはないと思うよ」
カレンへと視線を向けたシャーリーは、ライがそう思うことに不思議そうに首を傾げた。
「いや、似合わないとはいってはいないが、スザク達が以前やった男女逆転祭りの時の写真を思い出して、僕はその時はいなかったから、それと、スザク達の女装姿を見た後のせいか、既視感を覚えたんだ。だから、似合わないというよりも、寧ろ可愛いと思っただけだ」
冗談ではなく真顔でそんなことを言うライに、カレンは、照れたように視線を伏せて頬を染める。
「そ、そう。ありがとう」
シャーリーは、にっこりと微笑むと、
「それならいいけどね。そうだ。ライは、もう皆と会った?」
「ああ、今のところ知った顔では、君達を含めて会ってはいるが、ルルーシュとロロはまだ」
「ライもそうなんだ。私も捕まえようとしてるんだけど、そういうときに限って、ルルたら逃げるのよね~」
憤然にシャーリーが目に角を立てると、ルルーシュの逃げる理由を知っているカレンは、黙り込み、ライは、小さく苦笑した。
シャーリーから逃げているというよりも、そうした急いでる状況で、シャーリーと会う確立が高い為にそうなっているだけなのだが、けれど逃げてるわけではないと説明するのは簡単だが、その理由を求められてしまうのは当然で、言えるわけがなかった。
廊下で立ち話をしていたせいか、どんとおふざけで誰かと走っている人がぶつかり、背中を押されよろめいたカレンに、続いて走ってきた人がぶつかったのもあって、止まるどころか行き先は、地面だった。
両手で手をつくように踏みとどめたものの、両膝と手をついたところが打って痛むのか、カレンが僅かに眉を顰める。学園でなかったら、きちんと言い返すくらいの強気な態度を見せるが、シャーリーたちも見てる手前でそれは出来ない。
「ひゃー!。カレン、大胆」
黄色い声に視線を上げると、シャーリーとニーナの顔が見え、なにやら、頬を染め好奇な視線で自分達を見ていることに、カレンは、不審に思ったものの、自分の下から小さくうめく声を聞いて、はっとする。なんと其処にライがいたのだ。
「ラ、ライ?」
「カレン」
おそらく、よろめいたカレンをかばおうとして動いたことがあだとなって、ライをも巻き込んでしまい、このような押し倒す状態となっていた。
白昼堂々と人の視線もあるところでこのような状態となっていることに、カレンの頬が恥ずかしさに染まりあがる。
「っ!?」
「カレン、起き上がれるか?」
なかなか動く気配のないカレンに、ライは怪我でもしたのかと不安を覚え問いかける事に、停止していたカレンの脳内に届き、慌てて身を起こす。
「あ、ごめん!」
廊下に広がる二つに結ばれた柔らかな髪、見上げた瞳は銀色であるが窓から差し込む光に反射して僅かながら揺らめいて映り、戸惑うように開いた小さな唇から掠れた吐息がこぼれ、なんと言うか、儚い雰囲気と合わさって、背徳的な気分にさせられた。ライのそれが、意識しないものだわかっていても、未だにカレンの心臓は高鳴るままに、頬の熱もひかない。
その心情をライは知ることもなく、起き上がると、地面に付いたお尻をはたくように汚れを落とす。
シャーリーとニーナがまだ見ていることに気づいて、問いかけるように視線を向けると、我に返ったシャーリーが、空気を変える様に
「ハロウィンのお化けの格好って、色々あるけど、ライの格好は、悪魔か何か?」
「吸血鬼だ」
「ヘー吸血鬼なんだ。可愛いね」
可愛いねと今の姿が女の身体であるものの、ライには女装している気分なのだが、それを可愛いといわれても、素直に喜べるものではなく、複雑そうに顔を曇らせたライに、気づいたのか慌ててシャーリーは、
「ああ、えっと、ライが本物の吸血鬼だったら、誰の血を選ぶ?」
「いきなり、そんなことを聞いてどうするんだ?」
「聞けるうちに聞いておきたいなぁーと思って」
「・・・人の血は飲みたくはない」
「そりゃそうかもしれないけど、吸血鬼にとっては食の一つでしょ? だから、もしね?。そういう血を吸わなきゃ生きていけなくなったら、ライは誰の血を吸うのか、興味があるの。ああでも、学園内の誰かとまではいかなくても、この中の誰かで選ぶとするならいいから、って、こんな質問でも駄目かな?」
何か焦るように笑うシャーリーから一度視線を逸らし、何か考え込むように視線を伏せったライは、口を開いた。
「・・・シャーリーかな」
えっと、顔を上げたシャーリーが、どうして?と問いかけると、ライは視線を向けて、
「ニーナは、逃げ足の速いものでも体力が人一倍あるほうではない、僕が仮にニーナを襲いかかろうとすれば逃げるだろう。それでも、もし捕まえ吸血できたとはいえ、吸血された後の人間は体力を消耗するか、仲間となるかにしても、その後の体力はやはり心配になる。カレンは、いうまでもなく、体の弱い事を入れると望めない。そう言った面を除いて安心できるのが、シャーリー。君だからだ」
「私そんなに体力有り余ってるように見えるの?」
シャーリーはなるほどとは思ったが、答えは意外だったらしい事は声にも出ていた。ライは、それに小さく口元を緩めると、
「いつも元気だろう?」
「まぁ、そうだけど、なんか納得いかないな」
シャーリーが何やら不満そうに唇を尖らせると、それを見たニーナがくすくすと小さな笑い声を立てて、カレンも声に出さないものの、笑っていた。
カレンの本質を皆が知っているのであれば、迷わずカレンの名を口にするが、学園でのカレンは病弱なお嬢様、猫をかぶっている為そういうわけにはいかないのだ。
「その言い方だと、誰か別の名前を望んでいるようだな」
「ええっ!?。そういうわけじゃないけど、じゃじゃあ、男の子なら、誰を選ぶの?」
再び来る興味本位な質問に答える前に、ライは無言でシャーリーの後ろの先のこちらへと向かう足音と気配に気づいたように、不意に、目をすっと鋭く睨むのが一瞬、元の表情へと戻ると視線をシャーリーたちのほうへと、ライは口にする。
「僕も男だから、その質問は不問だ。それに、話しても居られなくなった」
「そうみたいね」
カレンもそれに気づいたらしく、先ほどのライと同じ方向へと目を向ける。二人の見やった視線を追いかけ、シャーリーとニーナが振り返ると、
「ああっ、此処にいたぞ!」
「カレンさんだ。それに、ライさんも一緒だ!」
階段から渡り廊下へと現れたのは何人かの男子生徒達、彼らの目的はいわずとも知れた特典であろうと、早くも行動にでたのは、カレンで、逃げるように彼らの来た方向とは反対へと走っていく。ニーナも状況を理解したらしく、それに続いていくと、シャーリーだけが、まだついていけずこちらへと走り寄る男子生徒たちと逃げたカレンたちを交互に見やると、
「走るぞ!。シャーリー」
それに気づいたライが、シャーリーの手を取り走り出した。シャーリーの足なら走れば追いつかれないことはわかるが、逃げおくれれば捕まるのは当然。ライに手を引かれるままに、走り出したシャーリーは、
「えっ?えっ? 何で逃げるの?」
「特典の事を忘れたのか?。捕まったら、あの中の誰かとデートすることになるんだぞ。君はそれを望むのか?」
「あ・・・」
ライの言葉にシャーリーはようやく理解する。
シャーリーをこのまま放置してもライが咎められる心配はないけれど、ルルーシュに好意を抱いてるシャーリーの気持ちを知っているからこそ、他の男とのデートは望んでいるものではないと判断してつい、手をひいてしまった。
そうした優しさに触れて、シャーリーは、顔を伏せる。急に黙り込んだシャーリーに、ライが肩越しに振り返るよう顔を向けると、
「シャーリー?」
「うん。もう、自分で走れるから、手を離しても、大丈夫」
顔を上げたシャーリーは、いつもの笑顔を見せて、安心させるようにそう言った。ライは、掴んだままの手を離しても、二人の走りは緩めなかった。
「カレンたちは、諦めたようだが、こちらに標的が移っているな」
「ねぇ、ライ。私達も、此処で別れよう?。一緒にいると、目立つ、みたいだから」
多少息をつきながらも、シャーリーの提案に、少し思案顔で頷いたライは、
「ああ、わかった」
左右に散らばるよう離れたシャーリーに、ライは声をかける。
「シャーリー、気をつけて」
「うん!。ライもね」
そう言ってシャーリーは笑うと、再び、ばらばらとなった。未だ追いかけてくる男子生徒を巻くために、ライは走りを先ほどよりも早める。
次第に距離は開き、ライを見失い、ぜぇぜぇっと荒い息をついて立ち止まる男子生徒たちに目を向けることもなく、ライはちょうどいいと思う場所に見尾隠すように、背をつけて息を整えるのだった。
その後も、下級生の女生徒達にお菓子をせがまれたり、追いかけられたりすることになろうとは、誰も思わない。
[留め]
「ハーイ! ライ」
「シャーリー、ニーナ、それにカレンも」
ライの視線の先には、赤頭巾のシャーリー、水兵のニーナ、執事のカレンと、それぞれのハロウィン衣装を着た格好の三人がいた。
「妙な組み合わせだな」
「それって、衣装の事?それとも、三人がいること?」
シャーリーの問いにライは、
「衣装、だろうか」
「うーん、私のは幼すぎる衣装だからそう思うんだろうけど、衣装は可愛いと思うけど」
「ああ、違う。カレンの方だ」
自分の名前が挙がるとは思ってなかったらしく、カレンが驚いたようにその瞳を瞬かせる。
「えっ、私?」
「カレンの衣装、そうかな?。今いる中では一人だけ男装してるけど、其処まで可笑しくはないと思うよ」
カレンへと視線を向けたシャーリーは、ライがそう思うことに不思議そうに首を傾げた。
「いや、似合わないとはいってはいないが、スザク達が以前やった男女逆転祭りの時の写真を思い出して、僕はその時はいなかったから、それと、スザク達の女装姿を見た後のせいか、既視感を覚えたんだ。だから、似合わないというよりも、寧ろ可愛いと思っただけだ」
冗談ではなく真顔でそんなことを言うライに、カレンは、照れたように視線を伏せて頬を染める。
「そ、そう。ありがとう」
シャーリーは、にっこりと微笑むと、
「それならいいけどね。そうだ。ライは、もう皆と会った?」
「ああ、今のところ知った顔では、君達を含めて会ってはいるが、ルルーシュとロロはまだ」
「ライもそうなんだ。私も捕まえようとしてるんだけど、そういうときに限って、ルルたら逃げるのよね~」
憤然にシャーリーが目に角を立てると、ルルーシュの逃げる理由を知っているカレンは、黙り込み、ライは、小さく苦笑した。
シャーリーから逃げているというよりも、そうした急いでる状況で、シャーリーと会う確立が高い為にそうなっているだけなのだが、けれど逃げてるわけではないと説明するのは簡単だが、その理由を求められてしまうのは当然で、言えるわけがなかった。
廊下で立ち話をしていたせいか、どんとおふざけで誰かと走っている人がぶつかり、背中を押されよろめいたカレンに、続いて走ってきた人がぶつかったのもあって、止まるどころか行き先は、地面だった。
両手で手をつくように踏みとどめたものの、両膝と手をついたところが打って痛むのか、カレンが僅かに眉を顰める。学園でなかったら、きちんと言い返すくらいの強気な態度を見せるが、シャーリーたちも見てる手前でそれは出来ない。
「ひゃー!。カレン、大胆」
黄色い声に視線を上げると、シャーリーとニーナの顔が見え、なにやら、頬を染め好奇な視線で自分達を見ていることに、カレンは、不審に思ったものの、自分の下から小さくうめく声を聞いて、はっとする。なんと其処にライがいたのだ。
「ラ、ライ?」
「カレン」
おそらく、よろめいたカレンをかばおうとして動いたことがあだとなって、ライをも巻き込んでしまい、このような押し倒す状態となっていた。
白昼堂々と人の視線もあるところでこのような状態となっていることに、カレンの頬が恥ずかしさに染まりあがる。
「っ!?」
「カレン、起き上がれるか?」
なかなか動く気配のないカレンに、ライは怪我でもしたのかと不安を覚え問いかける事に、停止していたカレンの脳内に届き、慌てて身を起こす。
「あ、ごめん!」
廊下に広がる二つに結ばれた柔らかな髪、見上げた瞳は銀色であるが窓から差し込む光に反射して僅かながら揺らめいて映り、戸惑うように開いた小さな唇から掠れた吐息がこぼれ、なんと言うか、儚い雰囲気と合わさって、背徳的な気分にさせられた。ライのそれが、意識しないものだわかっていても、未だにカレンの心臓は高鳴るままに、頬の熱もひかない。
その心情をライは知ることもなく、起き上がると、地面に付いたお尻をはたくように汚れを落とす。
シャーリーとニーナがまだ見ていることに気づいて、問いかけるように視線を向けると、我に返ったシャーリーが、空気を変える様に
「ハロウィンのお化けの格好って、色々あるけど、ライの格好は、悪魔か何か?」
「吸血鬼だ」
「ヘー吸血鬼なんだ。可愛いね」
可愛いねと今の姿が女の身体であるものの、ライには女装している気分なのだが、それを可愛いといわれても、素直に喜べるものではなく、複雑そうに顔を曇らせたライに、気づいたのか慌ててシャーリーは、
「ああ、えっと、ライが本物の吸血鬼だったら、誰の血を選ぶ?」
「いきなり、そんなことを聞いてどうするんだ?」
「聞けるうちに聞いておきたいなぁーと思って」
「・・・人の血は飲みたくはない」
「そりゃそうかもしれないけど、吸血鬼にとっては食の一つでしょ? だから、もしね?。そういう血を吸わなきゃ生きていけなくなったら、ライは誰の血を吸うのか、興味があるの。ああでも、学園内の誰かとまではいかなくても、この中の誰かで選ぶとするならいいから、って、こんな質問でも駄目かな?」
何か焦るように笑うシャーリーから一度視線を逸らし、何か考え込むように視線を伏せったライは、口を開いた。
「・・・シャーリーかな」
えっと、顔を上げたシャーリーが、どうして?と問いかけると、ライは視線を向けて、
「ニーナは、逃げ足の速いものでも体力が人一倍あるほうではない、僕が仮にニーナを襲いかかろうとすれば逃げるだろう。それでも、もし捕まえ吸血できたとはいえ、吸血された後の人間は体力を消耗するか、仲間となるかにしても、その後の体力はやはり心配になる。カレンは、いうまでもなく、体の弱い事を入れると望めない。そう言った面を除いて安心できるのが、シャーリー。君だからだ」
「私そんなに体力有り余ってるように見えるの?」
シャーリーはなるほどとは思ったが、答えは意外だったらしい事は声にも出ていた。ライは、それに小さく口元を緩めると、
「いつも元気だろう?」
「まぁ、そうだけど、なんか納得いかないな」
シャーリーが何やら不満そうに唇を尖らせると、それを見たニーナがくすくすと小さな笑い声を立てて、カレンも声に出さないものの、笑っていた。
カレンの本質を皆が知っているのであれば、迷わずカレンの名を口にするが、学園でのカレンは病弱なお嬢様、猫をかぶっている為そういうわけにはいかないのだ。
「その言い方だと、誰か別の名前を望んでいるようだな」
「ええっ!?。そういうわけじゃないけど、じゃじゃあ、男の子なら、誰を選ぶの?」
再び来る興味本位な質問に答える前に、ライは無言でシャーリーの後ろの先のこちらへと向かう足音と気配に気づいたように、不意に、目をすっと鋭く睨むのが一瞬、元の表情へと戻ると視線をシャーリーたちのほうへと、ライは口にする。
「僕も男だから、その質問は不問だ。それに、話しても居られなくなった」
「そうみたいね」
カレンもそれに気づいたらしく、先ほどのライと同じ方向へと目を向ける。二人の見やった視線を追いかけ、シャーリーとニーナが振り返ると、
「ああっ、此処にいたぞ!」
「カレンさんだ。それに、ライさんも一緒だ!」
階段から渡り廊下へと現れたのは何人かの男子生徒達、彼らの目的はいわずとも知れた特典であろうと、早くも行動にでたのは、カレンで、逃げるように彼らの来た方向とは反対へと走っていく。ニーナも状況を理解したらしく、それに続いていくと、シャーリーだけが、まだついていけずこちらへと走り寄る男子生徒たちと逃げたカレンたちを交互に見やると、
「走るぞ!。シャーリー」
それに気づいたライが、シャーリーの手を取り走り出した。シャーリーの足なら走れば追いつかれないことはわかるが、逃げおくれれば捕まるのは当然。ライに手を引かれるままに、走り出したシャーリーは、
「えっ?えっ? 何で逃げるの?」
「特典の事を忘れたのか?。捕まったら、あの中の誰かとデートすることになるんだぞ。君はそれを望むのか?」
「あ・・・」
ライの言葉にシャーリーはようやく理解する。
シャーリーをこのまま放置してもライが咎められる心配はないけれど、ルルーシュに好意を抱いてるシャーリーの気持ちを知っているからこそ、他の男とのデートは望んでいるものではないと判断してつい、手をひいてしまった。
そうした優しさに触れて、シャーリーは、顔を伏せる。急に黙り込んだシャーリーに、ライが肩越しに振り返るよう顔を向けると、
「シャーリー?」
「うん。もう、自分で走れるから、手を離しても、大丈夫」
顔を上げたシャーリーは、いつもの笑顔を見せて、安心させるようにそう言った。ライは、掴んだままの手を離しても、二人の走りは緩めなかった。
「カレンたちは、諦めたようだが、こちらに標的が移っているな」
「ねぇ、ライ。私達も、此処で別れよう?。一緒にいると、目立つ、みたいだから」
多少息をつきながらも、シャーリーの提案に、少し思案顔で頷いたライは、
「ああ、わかった」
左右に散らばるよう離れたシャーリーに、ライは声をかける。
「シャーリー、気をつけて」
「うん!。ライもね」
そう言ってシャーリーは笑うと、再び、ばらばらとなった。未だ追いかけてくる男子生徒を巻くために、ライは走りを先ほどよりも早める。
次第に距離は開き、ライを見失い、ぜぇぜぇっと荒い息をついて立ち止まる男子生徒たちに目を向けることもなく、ライはちょうどいいと思う場所に見尾隠すように、背をつけて息を整えるのだった。
その後も、下級生の女生徒達にお菓子をせがまれたり、追いかけられたりすることになろうとは、誰も思わない。
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