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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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web拍手にあるのは、女体化ライ小説(絵含む)・現在6種類。女性化ライ・番外 スザク篇話追加


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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/11/16 (Mon)
女体化ライ 番外編
ハロウィン祭 五話目にて完
ルルーシュ×ライ(女体化)です。
お話は、続きからになります。

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Girls Dream of bubble・番外編 寡黙なロマンティスト



「十字架、吸血鬼、礼拝堂か。選んだ舞台としては、此処はハマリ過ぎではあるな」


 開いた扉が、ライの立つところまで光を届け、一つの伸びる人影をまっすぐ伸びる赤い絨毯の上に映す。
 神聖な礼拝堂に響くのは、近づく足音と厳粛なる声だった。
 この場にふさわしい神父の服装をした男は、黒の装いにも劣らぬ紫の瞳を細めて、ライを歓迎する。


「ルルーシュ・・・」

「この場合、神父と呼んだほうがいいんじゃないか」

「神父?。ああ、その衣装の事か」

「ははっ」


 不意に笑みをこぼすように、ライの隣に立ち止まったルルーシュの笑い声が届く。ライは笑う気配のない無表情で、礼拝堂の真ん中にある十字架を、見上げて言った。


「場違いなのかもしれないが、吸血鬼は、神に懺悔をしに、此処へ訪れてはいけないのだろうか?」


 吸血鬼とライは口にしたが、それが本当は自らの存在に不安を覚えているライ自身に向けられた質問のようで、神が答える前に、ルルーシュが口を開く。


「さぁな。ーー聞いた話ではないが、吸血鬼の格好をしたお前が罰しもなく入れるなら、此処の神は拒まないのではないか?」

「・・・では、吸血鬼でなくとも、この手で仮に人を殺めその血を浴びたとしても、この地に生きることは許されるのだろうか?」


 ルルーシュのほうへとライの視線が向けられたことに気づきながらも、ルルーシュは一瞥しただけで顔を向けなかった。
 ライの中の僅かな記憶の断片が、良くない記憶を見せているのか、チラリと横目見た表情にも声にも僅かだか憂色が見えた。

 ゼロとなり黒の騎士団の頭となったルルーシュとて、疑問に思い考えることはあるが、戦略によって自分の手ではなくとも、行動による結果は現れているのは明確。それが他人の人生を変えてしまうものだとしても、後悔する暇もましてや今更引き下がることも出来ないことを知っているルルーシュは、答えというよりも何かに嘲るかのように口にした言葉は、まるで自分自身かそれとも別の誰かに向けて発するかのように口にした。


「許させるどうというより、それは、永遠に続くしがらみだ。過去の罪は変えられる事はないだろうが、だからといって、生きる意味がないとは言いきれない。神は平等だ。白と黒つまり、善と悪をわかる形で残すのだからな。いや、作り出しているのは、俺達人間の方だな。裁くのもまた、人間だ」
 

 同じように見上げたものから、視線を外してライへと顔を向けると、


「神の声が聞けずとも、お前の事は俺が許そう。これを本物の神父からの言葉だと思い、受け取っておけばいい」

「ルルーシュ・・・」

「だが、今日は、裁きとはなんら関係のないハロウィンだ。悩むのは後にして、祭りを楽しんでいくよう会長にも言われなかったか?」

「そう、だな・・・。確か、Trick or treat これが合図だったな」

「ライ?」

「いわれ続けてる側だったから、今度は僕から言いたくなってみた」

「ーーーなら、こちらはお菓子をっと言いたいところだが、あいにく持ち合わせはない。あるのは、ただの空となったバスケットとポケットのみなんだ」


 見せ付けるように持っていたバスケットの中身を、覗き込んだライは、顔を上げて、


「一つも、ないのか?」

「ああ、根こそぎもってかれたよ。欲の深い魔界の連中に」

「そうか・・・。では、諦めるとしよう」

「いいのか。このままで?」


 何を?と聞く前に、ハロウィンのルールを思い出したライは、


「そういえば、お菓子のないものには、悪戯をする事が決まりとあるのだったな」

「それで、吸血鬼のお前はどんな悪戯を思いついた?」

「僕は、・・・考えもつかない」


 少し考え込むように、首を傾げたライは真面目に返すと、予想通りの反応にふっと笑うルルーシュは、ライに背を向けるように扉へと向かいながら、


「欲のない奴だ。ま、すぐ思いつくものでもないか・・・」

「・・・あっ、待ってくれないか!」


 ライの呼びかけに立ち止まったルルーシュは、前に向けた足をその場で振り返るように、後ろへと向けて、


「ーー何も無理にしろとは、言っ」


 ルルーシュの言葉は途切れ、瞳が驚くように僅かに開いた。
 ライが、ツインテールを解き左右に頭を揺らすように長い髪を広げると、ふわりと舞うように背中についたのが、一瞬、窓から差し込む光に反射して、輝いた髪が、羽根のように見えたからだった。


「神父様、話を聞いてもらえないだろうか。・・・僕はもう男であろうとするのは止めにしようと思っているんだ」

「ライ・・・、いきなりどうしたんだ?」

「前からずっと、迷っていたから答えだ。これからは、人間の女として生きることを此処で誓うつもりだ。神の変わりに君が見届けてくれないか?」

「ーーーそれは、本気で言ってるのか?」


 互いに向き合ったまま、困惑したように、ルルーシュが声をかけるのは、静かな張り詰めたような緊張が礼拝堂内に広がるほど、ライの表情に笑みがなく、意志の強さを表す揺らぎのない瞳を見たからだった。


「・・・・すまない。戯言だ」


 真顔で言うので、冗談には見えなかったが、ルルーシュは、ほっと安堵すると同時に、ライには言えないものの、残念だと思ったのも確かだった。
 

「ならいい。だが、お前の口から今の状況を、打破しようと大きく出るとは思わなかったから、驚いたよ。それこそ、信じかけた」

「・・・あまり自分の口からでも言うものではないな。これは」


 自分で口にしておいてだが、今のライの問題としていることを自ら受け入れる発言には威力があったらしく、バツが悪そうな後悔を含んで、ライは静かにぼそりと口にこぼした。


「ああ、そうだ。まだ、ハロウィン祭終了までは時間が残ってるな。ライは、この後どうするつもりだ?」

「僕か?。それについてだが、祭りが終わるまで僕は此処に残ろうと思う。ミレイさん達は、積極的に僕も参加できるまで手配をしてくれた事には、感謝している。聞いていたものとは違ったが、楽しむことは出来た。今日は、それでいいと思ったから此処で終わりにしようと思う」

「ライ、それなら生徒会室に」

「いや、これから参加するにもお菓子を手元に持っていない今、外へ出ても、追いかけごっこが始まるだけだ。ルルーシュ、僕の知る範囲では礼拝堂の外で歩く人の気配がしない、此処から出るのなら今動く事だ。少しの間であるなら僕がおとりになれる。その間、安全な場所へ移動していけばつかまる心配はないはずだ」

「その後、お前はどうする?」

「・・・此処に戻るよ。少し、考えたいことがあるんだ」


 礼拝堂を出て行っても、悪戯の餌食となるか、運悪く捕まってデートを申し込みを受けるかだけで、自ら進んでそれを望むつもりもないと、色んなことを考えた頭が何かにたどり着いて納得したのか。

 ルルーシュは、自分の身に付けたケープを外すように脱ぐと、今の季節には寒い格好だろうライの肩にかける様に纏わせ、長椅子の前を通り行き着いた端の地面へと、壁に背を預けるようにして腰掛けた。

 残ることを選んだ理由の中に、考えたいことがあるといったライの表情が気になったのと、儚く消えてしまいそうな存在を、この場で一人にしたくない感情があったからだった。


「ルルーシュ?」


 ルルーシュに返す暇もなくライは、ケープを受け取ったものの、先ほどと同じように外へ出る素振りもなく不思議にルルーシュの名前を呼ぶと、 


「此処でじっとしていようか。追い回させることにも退屈していた。神父と吸血鬼、妙なツーショットだが、此処にいて見つからない保証よりも、わざわざこちらから出向いて発見されるほうが危険は高い。それならば、俺達二人で待機しているほうが互いに損はないと思わないか?」

 
 ライ一人残ったところで、問題はないにしても、自分以外の誰かに捕まるとは思わないが、ルルーシュ自身、体力面も考えると、外に出歩くのは妥当ではない。回避策はないとは言えないけれど。

 それならば、一人残すよりも二人でいることをルルーシュは選んだのだ。
 ルルーシュに続いて、身を隠すようにライも習って床に座る前に、肩に掛けられたケープを手に取り渡そうとするのを、ルルーシュが脱ぐ前に手で制した。


「しばらくライが預かっていてくれないか?。走りすぎて熱いんだ」


 やや困ったようにルルーシュの顔を見て、それが彼なりの気遣いなのだろうと気づいてしまうと断る言葉も見つからず、呟くように感謝を口にしてからライは、ケープを肩にかけたまま座ると、目線が見渡す光景から低くなり、椅子の姿しか見えなくなる。
 小さい頃は、今よりももっと低い視線で見えていた世界、それが目線が高く知識を持っていくと見えなくなってしまうのは、成長しているから当然なのだろうか。

 不意に懐かしさを覚えて、ライはどこか遠くを見るように呟いた。


「かくれんぼをしているときの似た心境になるな」

「したことでもあるのか?」


 隣でライのほうへと顔を向けたルルーシュに、小さくライは頭を横に振った。


「ーー覚えていない。けれど、その時は一人だったと思う」

「・・・」


 女性となった身体でルルーシュにも想像しえないことを経験してか、周りの対応にしても、それなりに生活できるほど、適応性が高く冷静でいられるライではあるが、ハロウィン祭の事もあってか、どこかライの顔に疲労が見え隠れしていた。
 視線を前に戻したルルーシュは無言で片手で引き寄せるように、ライの頭を自分の肩へと導くと、ルルーシュの名前に疑問符をつけて呟くままに、ライは見上げる。


「此処に来るまで色々あって、疲れているんだろ?。見張り役は俺に預けて、今は休め」

「・・・ありがとう。けれど、平気だ」


 案の定、体調の心配ないと言いだけに首を振るライに、溜息をつくように目を瞑ったルルーシュは視線を向けて、


「その顔を、鏡を見てから同じことが言えるならそのつもりだ」

「・・・顔に出ているのか。隠したつもりだったが、君の前では意味もない、か・・・」

「眠れてないのか?」


 心配をかけたくはなかったが、ルルーシュに見破れてしまった為、ライは顔を前に向けて素直に頷くと、伏し目がちに、


「今でも時折夢に見て、昔の事なのだろうか思い出すことがある。杳として夢を見るうちに、思い出したくない恐怖か、何か大事なものをなくしたことへの後悔か、理解できないほどに絡んだ感情の波が押しよせるんだ。その後、全てが何もなかったように真っ赤に染まった後で、目が覚める」


 ライが見ている夢は過去の記憶のものか、それとも、ただの悪夢なのか、話を聞くだけのルルーシュには判断できなかったが、それが眠りを妨げる遠因であることは、ルルーシュにも瞭然だった。
 静静たる礼拝堂にライの言葉だけが聞こえる。


「そんなことが再三に夢に見る」

「ライ・・・」

「此処は僕にとって、いいところではあるけれど、僕の居場所はもっと別なところに置き去りにしてるままなのかもしれない。思い出せないのは、無意識に僕が逃げてるだけかもしれない。それを考えてしまう」

「ライ、俺は」

「わかってる。深く考え込むのは僕の悪い癖だ。正体を知って、何が変わるとは言えないけれど、今の生活は僕なりに満足はしている。しかし」

「・・・?」

「記憶も必要なように、身体を出来れば前の、男だった僕に戻るのが先だろうな」


 どこか自嘲気味にそう言って、繊手を夢でも見てるかのように閉じたり開いたりと、手の平を見つめたまま口にするライの横顔は、男の時よりも見違えるほど綺麗だけど、その外見に惑わされて肝心のライの本質たる感情を見失いがちになる。
 人形のように表情に大きな変化はないけど、言葉を交わして打ち解けていくうちに、慣れたルルーシュの瞳がライの物憂いを見つける。


「杞憂だな。女であるとか男だとは悩んでる以前に、お前がライであると理解する。今がその過渡期なのだとしたら、見てきた夢からさめて現実の、俺達のところに来復した時、端を開くのはその後だ。夢の中の出来事を過去として受け入れれば難しいことはないが、夢のようには簡単に燻らない。
 ましてや思い通りにならない場所にいるのは確かではあるのが、言わずもがな。俺の知っているライは、今、隣にいるお前くらいしか知らないのだからな」

 
 冷静だけど、諭す様に優しい色を持った声で語るルルーシュに、目を僅かに見開いて驚いたようにライは無言で見上げる。
 ライの心にいつの間にか、蓄積されていた蟠りを解消するかのように、それは迷路の中に小さな希望の道しるべなのかもしれない。それほどに、ライの胸に響いた。


「どうした?」


 此処の雰囲気がそうさせたのか、弱さをさらけ出してしまい妙な恥ずかしさを覚えたライは、隠すように顔を前に向けると、視線を伏せて口を開いた。


「・・・君と話をして少し楽になれた気がする。ーーありがとう」


 瞬きを繰り返した目と同じように口元を緩めたルルーシュは、


「俺は何もしてない。だが、礼拝堂の雰囲気にあてられ話したい気分にでもなったのだろう。隣に姿だけの神父もいることだしな。それもあって、さっきよりも幾分か顔色も良くなってる」


 きょとんと瞬きを繰り返した後で、ライはフッと声もなく微笑を浮かべた。
 吸血鬼にはふさわしくない清雅とした綺麗な笑みだったが、それを安心したように温かく見つめるのは、ルルーシュだけだった。


「本当に女性であったら、君に惚れてただろうか」

「・・・っ!?」


 面を食らったルルーシュは、瞬きを繰り返すようライを凝視した後、顔を横向けた頬には赤みが微かに浮かんでいた。それは嫌なものではなく照れ隠しのように正面を向いた瞳が揺れる。
 ルルーシュの態度と思わず口にしてしまった自分の言葉を思い返してか、ライも正面を向いたまま黙り込む。

 沈黙が続いていたけれど、そこにいやな雰囲気はなかった。
 窓の外では、微かだが鳥の声が届く。学園内の賑やかな生徒達の声は遠くあるように聞こえる。

 ハロウィン祭、終了の放送が聞こえるまで、神父の格好をしたルルーシュと吸血鬼の格好をしたライが、人と魔の禁断の関係を知られぬよう人目に憚るように、ひと時の時間を楽しんだ。

 まるで、かくれんぼをしている時のように。

 ステンドグラスから注がれる光から、遠ざかるように影となった場所にいる二人を最後まで見ている存在がいるのだとしたら、おそらく見守るのは、何処かの神様だけだろう。


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