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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
ゼロかルルーシュということで、内容については何もなかったので、
ドラマCDでのネタをやってみたかったので、[ルルーシュといけないアルバイト]でルルライ?に挑戦してみました。
友人から聞いた内容なので、うろ覚えなんですが、少しでもご希望に添えていれば幸いに思います。
それでは、ルルーシュ×ライ(女体化)です。
お話は、続きからになります。
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色あざやかな謀
「ライ、社会科見学をしてみないか?」
「?」
ルルーシュに誘われ向かった場所は、ハンバーガーショップだった。
そこで、店員の制服へと着替えた二人は、バイトということでカウンターで接客業に勤しんでいたのだが、初めてという割には要領を得たらしく、おもに女性客のみ、その甘いマスクをつけた仮面と知っている人から見れば、お前は誰だ?っと問いかけたくなるほどの完璧さで客の相手をしているのは、ルルーシュだった。
「ありがとうございました」
最後まで笑顔を送ることを忘れないルルーシュとは裏腹に、横にいた女性もとい、ライなのだが、柔らかなストレートの長い髪を後ろにまとめて、同じように制服を着ているものの、浮いて見えるのは、スタイルのよさとその美貌は無表情で接客する様子は、不慣れな様子で立っているだけのモデルなのではないかと思われ、入ってきた客の目が行く。
「いらっしゃいませ」
「ライ、お前の事をよく知ってる俺がこういうのもなんだが、硬い。何だ、その表情は、先ほど直伝に教えた営業スマイルはすぐに会得できずとも、せめて愛想笑いするぐらいは」
いつもどおり、上から言うような口調でライに忠告しようとするのだが、言い終わるか終わらないうちにライが口を挟む。
「ルルーシュ、君のところにお客様が来てる」
「いらっしゃいませ」
瞬時に女性客専用営業スマイルで応対してみせるルルーシュの凄さを認識するまもなく、ライのほうも客の相手をする事となった。
入れ替わりに来る客の列も減っていき、落ち着き始めた頃、ルルーシュが話しかけてきた。
「お前も見ただろう。今のように笑顔は第一印象で強く残る。後は、的確に客の注文に答え、迅速に用意する。無論、帰りの祭も、笑顔を向けることを忘れるな。慣れてきた頃は、客に注文をより多く取り付けるのも覚えておいたほうがいいだろう」
「・・・・」
詐欺師にでもなれそうな資質を披露されて、なんと言ったらいいのかライは、複雑な表情でルルーシュを見た。
「へぇ、ここが庶民の、なかなか面白そうな場所だな」
「ジノ、あんまりじろじろ見るのは・・・・っあ」
「よう、二人とも。頑張ってるみたいだな」
「ジノ、スザク、それにリヴァル」
スザクとジノとリヴァルの三人に気づいて、ライが名前を呼ぶと、同じようにスザク達を確認したルルーシュが一瞬眉を顰めた。
片手を挙げるようにして、挨拶をしたジノがライと向かい合うように、カウンターで肘をかける。
「バイトするってのは、スザクから話は聞いていたけど、此処だったんだな」
「ああ、メニューはこちらです」
一応仕事中なので、接客口調のまま応対するライに、スザクが気づいて、注文をとると、ジノへと訊ねてから注文を入れた。
ルルーシュの前では、呼び止められたリヴァルがいた。
「リヴァル、スザク達をひきつけてきたのは、お前か」
「違うって。俺はお前らの様子を見に寄っただけ。スザク達とはさっき鉢合わせただけだよ」
いつもどおりのリヴァルの口調に嘘は見えず、とりあえず接客へと戻るのだが、女性客に向けるような営業用の笑顔はリヴァル相手にはなかった。
リヴァルの注文を受けながら、ルルーシュがライを一瞥すると、後は会計を済ますだけなのだが、他の客がまだ来ていないのをいい事に、スザク達とまだ話していた。
「バイトの調子はどう?」
「ああ、ルルーシュに教わったのだが、接客の仕方よりまず、笑顔をマスターしないとならないのだが、あれは僕にも真似できそうにない」
ルルーシュのあの接客術は向き不向きがあるらしく、ましてや、真似できるものでもないことで眼を伏せたライに、此処までどう対応してたのか知るはずもないスザクが首を傾げると、横からジノが口を出す。
「それより、ライ。これが終わったら、俺達と」
「当店は、店員の貸し借りを請け負うところではありません」
すかさず、ルルーシュが横から入った。女性相手のしかも客に対応する笑みはなく、真剣な表情だった。
「俺は店員ではなく、ライに聞いたんだけどな」
「では、ただいま、営業中ですので、こちらにある商品の注文でしたら、いつでも承りましょう」
そう言って目を細めたルルーシュと口角を上げたジノとで、カウンター越しに 睨見あうように、二人の間に見えない火花が散った。
リヴァルが空気を変えるようにジノを連れて行こうとするのを見て、スザクも会計を済ませて動くと、ライもルルーシュに口を開こうと思ったのだが、小さな声がそれを遮った。
「・・・あの」
声のほうへと顔を向けると、ライの目の前に人の姿はなく、その数秒、引っ掛けられるように指が乗っかり、ひょっこりと小さな頭が覗いた。
「はい」
「注文・・・いいですか」
人見知りなのか、それとも、無表情なライが怖く見えたのか、おどおどする少女に、
「はい、ご注文のほうは」
「・・・・」
何か言いたげに口をつぐんだ少女は、ライの目線から見ても、メニューを見れるほどの背の高さはないことにも、近くに親の姿もいないことに気づいて、ライはカウンターを出たのをルルーシュがチラリと視線を向けて見送る。
カウンターから出ても、背の高さと感情の読めない無表情が、綺麗な顔をより冷たく見せたのか、びくりッと肩を震わした少女へと近づくと、ライは膝を曲げるようにして目線を同じにしたことに、少女は目を瞬かせる。
「こちらが、メニューです」
ライから手渡しでメニューを受け取った少女は、メニューとライの顔を見比べて、注文を受ける間に、
「お客様は、お一人様ですか?」
「えっ ううん。お母さんが後で来るの」
「では、お客様はお二人でよろしいですか?」
「うん・・・・」
メニューを見ながらも、ちらちらと顔色を伺うように見上てくる少女に、先ほどのほかの客への不慣れな笑顔はどこへやら、安心させるような優しい笑みを浮かべて、
「こんな顔だが、お店の味のほうは安心できる。だから、君が気に入ったくれたのなら、遠巻きにせずにまた足を運んで来てくれ。その時は、僕ではない人が此処にいると思うから怖くはないと思うよ」
その穏やかな口調に見上げた少女は、ライを瞬きを繰り返すように見つめ返すのにいつもの口調に戻っていることに気づいて、
「ああ、すまない。では、注文のご確認を」
少女の母親らしい女性が名前を呼びながら、駆け寄ってくると、女の子が安心したように抱きついた。
「勝手にいなくなったら、心配するでしょ!」
「・・・・」
「待てないほど、御腹すいてたの?」
こくりと頷いた少女に笑みを浮かべてから、ライに気づいて、
「ご注文は、いかがなさいますか?」
注文を取り消すかどうか伺いを立てたライに、母親は確認を取ってから再び申し入れると、ライがちょうど手をあいてるルルーシュのほうへと顔を向けると、既に動いていた。
どうやら、さっきまでのライの様子を見ていたようだ。カウンターの中に戻ろうとするライに、さっきの女性が声をかけてきた。
「あの、始めてみる顔だけど、バイトの方?」
「はい、こちらでは初めてになります」
「そう・・・、大変だけど頑張ってね」
「ありがとうございます」
商品を受け取ってお会計を済ませると、にっこりと頭を軽く下げた母親の手に引かれながら歩いていた少女が不意に振り返り、
「バイバイ、おねえちゃん」
ッとさっきまでは見せなかった笑顔を返してきたことに、ライは目を細めて一礼した。
お姉ちゃんではないけれど、それでもあんな風に笑ってくれたことは嬉しかったのだ。
ナナリーと同じように誰かを重ねてみたからあんな行動に出たのかはわからなかったが、ルルーシュが教えるまもなく、その天然的な女たらしと呼べる資質を今日は見せてくれた。
ルルーシュが詐欺師であるなら、ライは男であったなら、ホストもしくは保父さんになれそうな応対振りだったことに、ルルーシュはあっけにとられたが、安心したように笑みへと変わった。
バイトの手伝いと称して、傍においているものの、女性客や男性客までそれこそ年問わず、真面目で時折硬いながらも笑顔を見せているライは、先ほどの少女への応対を見たせいか、徐々に客層を増やしていた。
これでは、もっとライバルを増やしているのでは、そんな危惧がルルーシュの脳裏にかすめる。
「さっきとえらい違いだな」
遠くはなれたテーブル席で二人を見ていたリヴァルが、ストローに口をつけてそんな言葉を漏らす。
「(ルルーシュが客を遠ざからせて、今はライのほうへと客が集まってる。その理由は、ルルーシュが考え込むような怖い顔をしているからなんだけどさ。因みに、他の店員の女性達も浮ついてるし、もう一人受け付けにいるバイト君は、ライに意識を持っていかれてるのか、さっきから間違えてるのは)哀れだよな」
ジノがまだライを誘いかけようとする前に、用が済んだとばかりにスザクによって、もう此処にはおらず、リヴァル自身も気になるのは勿論、会長達に様子を見に行くよう頼まれたのもあるが)一人きりとなっているのだが、周りは家族や恋人など一人でいる人が少ないことに、何故自分は一人でこんなことをしているのだろうと溜息をつくリヴァルだった。
「仕事中ですので」
「そう言わずにさ、仕事終わってからでいいから」
逆ナンされている。しかも、男に。びくりとルルーシュの片眉が器用にあがるが、客の応対中なので、それも一瞬の事だった。
ルルーシュが追い返す前に、目の前の客と入れ替わりに、もっと厄介な客がやってきていた。
「おい、ピザバーガーはないのか?」
「どうして、お前がいる」
拘束服ではなく周囲に溶け込めるよう私服を着たC.C.が、やはり横暴な態度で口を開いた。
「お前は、店員だろ。客に対しての口の聞き方はこの際、スルーにしてやるから、質問に答えろ。ピザバーガーはないのか?」
「・・・・」
目を細めて面白そうに笑うC.C.から目を逸らすと、未だカウンターでしつこく誘いをかけるナンパ男に、
「失礼ですが、他のお客様もいられますし、このまま注文をするわけではないのでしたら、お引取り願えますか?」
「あん?」
「では、わかるようはっきりと言いましょう。この子の予定は、俺が握っている。話すなら、俺を通してからにしてもらおうか、ッと言っているのですよ」
「・・・・」
「お前は、ライの保護者か」
呆れたようなC.C.だったが、口裏を合わせるように、ナンパ男へと。
「その店員の言葉に従った方が良策だぞ。後ろ見てみろ。その店員と話がしたいのなら、後にしておけっと私じゃなくとも、わかることだ」
その後、その客とC.C.の無理な注文とで、及んだ結果に、バイトの帰り道、ライの方から口を開いた。
「あれでよかったのだろうか」
「ライに絡んでいたあの客の事か。それなら、心配ないだろう。だが、あの場はC.C.が余計にこじらせた感じも否めないが」
「前半はルルーシュのほうが流れはよかったと思うのだが、あの騒ぎではな。仕方のないことだと思う。しかし、どういう理由か僕は今後も雇ってもいいといわれたのだが、あの話は受けるべきだっただろうか」
「止めとけ。また、厄介な客に絡まれるだけだ」
苦々しくも無愛想に口をこぼすルルーシュは、あのナンパ男ではなく、C.C.の事を言ってるのだろうと、隣を歩いていたライは微苦笑をもらすのだった。
それを見て、ルルーシュも悪い結果だけではなかったっと、ライを誘ったことに表情には後悔はなく、前を行ったライがルルーシュが遅れていることに気づいて振り返ると、後ろに結んでおらず、長い髪がふわりと舞い上がり夕日の色にとけて一本一本輝きを帯びる。
目を細めたのは、夕焼け空が眩しかったせいか。
「今日は、すまない。社会勉強にと誘ってくれて。最後はあまりよい結果ではなかったが、記憶探しする以外でもいい経験を得られたと思う。ありがとう」
その時のライの表情は、客に向けるものでも小さな子に向けるものでもなく、本当に嬉しそうに言葉を返した。
一時だけでもそれが自分に向けられたことに、ルルーシュは憂鬱な気分もライの背後に見える夕焼けに解けてしまったように、悪い気など起こるはずもなく、笑ってライに近づいていった。
それは、心の距離を進んで縮めるかのように、ルルーシュからまずは一歩、決意と共に踏み出すことにした事を密かに胸に誓うのだった。
[留め]