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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★2009/11/26 (Thu)
生徒会の皆でゲレンデへ行く話で、
ルルーシュ×ライ落ちです。
お話は、続きからになります。

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凍てついた大地から



生徒会メンバーは、寒さも強く暖房器具も離せない室内。

 ではなく、一面の真っ白の積雪のゲレンデへとやってきていた。

 それぞれに似合ったスキーウェアに着替えて、いざスキーを始める前に、運動能力はまるでないルルーシュは、今まさにおくらばせながら、一人特訓をしていた。
 結果は、いわなくても、わかる通りなのだが、諦めることを知らないというより、プライドに火をつけているのだろう。
 ムキになっているように見えるのは、表情に浮かぶ疲れのせいだろうか。
 板だとどうしても、歩きにくいのだが、緩斜面を少し上へと昇ってみては、軽く滑ってまた斜面を登るという動作を何回も繰り返しているルルーシュの背中に向けて、リヴァルは冗談を言うように声を張り上げた。


「ルルーシュ! 生きてるかー?」


 進んでスキーの滑り方を教えようとしたミレイの誘いも断って、黙々と努力を続けていることには感心するものの、やはり心配なのだろう。リヴァルの横に並ぶようにしてシャーリーが口を開いた。


「やっぱり、誰か付き添ったほうがよかったんじゃないかな?」

「いや、大丈夫みたいだよ。というか、今声かけたらやばいな。あれは」


 遠くにいるにもかかわらず、振り返ったルルーシュの表情と背後に黒いものが鮮明に見えてしまい、リヴァルは寒さではなく身を震わせた。


「皆ー」


 ルルーシュとは別に滑っていたミレイが上手い具合に、リヴァルたちのところにたどり着くよう止まった後、遅れてやってきたカレンが同じようにこちらについた。


「どう、ルルーシュのほうは?」

「まだ上達までは、先みたいですね」


 そう答えたリヴァルに、ゴーグルを上へと持ち上げて、ミレイがしょうがいっと言いたげに口を緩める。


「変なところで意地っぱりなのよね~」

「ルルーシュ、本人が好きで特訓するって決めてるなら、これ以上のおせっかいしてほしくはないんじゃないかしら?」


 ミレイの後に、スキーウェアへと着替えた時に、ルルーシュに癇に障ることを言われたせいか、やや突き放すようにカレンがそういうと、何といっていいのかニーナは苦笑していた。
 休憩の合間に、携帯カメラ片手に物や人を撮っていたアーニャが、淡々とした口調で呟く。


「不思議。カレンは到着してから、早くもマスター出来たのに」

「っ!?。わ、私は、昔にやったことがあったから!」


病弱という設定をつけている手前、皆と違うよう滑ろうと試みたのだが、体は正直な為、ルルーシュのように上手くない滑りは出来ず、みんなの前で
普通に滑ってしまっていた。
 焦るカレンに気に留める者はいなく、皆の顔を見回すように確認し終えたリヴァルが、気になることを口にした。


「ん? そういや、ロロの奴は?」

「ちょっとね、今は安静にさせているの。そんなにひどくは無かったけど、体調が思わしくないみたいだから、念の為にね」

「あっ、そういえば、ロロが今回は出だしが遅れたからといって、諦めないからとか何とか気になることを口にしていたけど、休んでればそのうち元気になってこっちにも顔を出すかもな」

「ああ、いくら宣戦布告を受けたとはいえ、今日は分が悪いと、よくはわからないがルルーシュも言っていたな」


 困ったように微笑んだミレイの後に続いてジノとライの発言に、リヴァルは(まだ、続いてたのか。正月の時に言ってた事)そう思いながら呆れた顔をしていた。


「ところでライ、それ、どうしたんだよ?」


 ジノが問いかけると、会わせた様に皆の視線がライに集中する。
 スキーではなく、別のスノー用具を持ったライは、真面目に返した。


「ん? 先ほど、リヴァルから教わったのだが、今日はコレで滑るのだろう?」


 空気が固まった後、じとーッと眇めた(ライ以外、主に女性陣からの)視線が、同室となっていたリヴァルに集まり、それに冷や汗をかきつつ、ぽんっとライの両肩に目を瞑るようにして置いて、


「いや、お前が悪いわけじゃないんだよな。すまん」

「どういうことだ?」

「あははっー、えっと、これからちゃんとスキーの事は教えるからさ。とりあえず、ライ場所変えようぜ。な?」


 皆の視線を背中に感じながら、リヴァルはライの背を押すようにして、その場を退散した。






 リヴァルから、正しいスキー用具とその滑り方を学んだライは、その順応性の高さで、あっという間に初心者だったとは思えないほどの滑りを披露していた。
 その為、リヴァルは、教えなくても大丈夫だったなっと、一人納得したようで、ミレイ達の後を追うように滑りに行こうと、踏み出そうとしたところ、スザクの声がかかる。


「あっ、ライ。もうそこまで上達したんだ。凄いね。今から、コースでもまわるの?。それなら、僕も今から移動しようと思ってたんだ。一緒に来るかい?」

「いや、ある程度身体で覚えがてら、その練習もかねて、ルルーシュの元へと向かおうかと思っているんだ。スザクは、僕に気にせず好きなコースに滑っていてくれ」


 やはり無表情でそっけないと思える口調で、ライはスザクの横を流れるように滑走して行った。
 無言でその背を見送ったスザクは、


「うん。今になって気づいたけど、此処って、結構寒いね」


 山よりもどこか遠くを見るように、スザクは呟いた声は、白い息と共に吐き出され、その心情を表すかのように、冷たい風がヒューッと吹きぬけた。
 その横顔が泣いている様に見えたのは、目の錯覚だと思いたい。

 同じくスキーに夢中で、男に関心ないくらい楽しそうな女性陣に目をやり、置いてけぼりを食らったリヴァルは、


「・・・頑張れ」


 スザクの肩に、俺も同じだからッと宥めるようにぽんぽんと軽く叩いてから、リヴァルは頷きながら、皆の滑る中に入って行った。






 平地に戻り休憩を入れていたルルーシュの元へと、
 

「ルルーシュ!」


 声のするほうへと振り返ると、ライの姿を見つける。
 声をかけるまもなく、滑り込むように止まったライとスキーを交互に見やったルルーシュは、


「覚えるのが早いな」


 落ち込んで聞こえるのは、頭ではわかっていても何度も失敗して疲れているせいだろうか。やはり、ライ以外の皆の姿はそこにないことを知っていて、ルルーシュは訊ねる。


「皆は、どうしてる?」

「ああ、もっと上級コースを挑戦しようと口にしていたものもいたが、皆自由に楽しんでいるよ」
 

 ライの言葉を聞きながら、ルルーシュは、いつもどおりの口調ながら、どこか拒絶するように、


「では、お前もコツがつかめたのなら、より高みを目指すよう、此処で燻らずコースに移れ。スキーで楽しむ機会は今のうちだからな」


 安易に干渉するなっと言いたげに、ライに背中を向けて、緩やかな斜面を登っていくルルーシュへと、ライも無言でその後に従う。


「こちらは、見ての通り初心者向きの緩やかなコースしかないぞ」


 チラリと後ろを一瞥したルルーシュは、顔を向けることなくそういうと、


「わかってる」


 その言葉に振り返ったルルーシュは、訝しげな表情でライを振り返る。


「僕もまだ初心者で教えられることは少ないのだが、力添えできることがあればと思って来てみたんだ」

「スキーのやり方については、俺も熟知している」

「それでも、君は一人で練習を続けているだろう?」

「何が言いたい?」

「早くに覚えれば、一緒に滑ることができるから、それなら練習も二人のほうがよくないか?」

「っ!」

 
 目を丸くしたルルーシュは、照れ隠しに目線を逸らす。
 ライは、皆と一緒に滑れるにはと意味合いで言ったものだとしても、進んで自ら二人きりになりたいと告白しているようで、淡い期待を抱いてしまったルルーシュは、その思いを振り切るように溜息をついた。
 目を瞬かせるようにして言葉を待つライに、


「おかしな奴だ。だが、まあ、そうだな・・・」


 続けるように、目と口元を和らげて、ルルーシュは口を開いた。


「お前の提案に乗るのも悪くはないだろう」


 その言葉を聞いて、ライも口元を緩めるのだった。
 皆のいる場所とは離れたところで二人練習する姿に気づいたのは、スザクだけだった。
 その背中には、見間違いかもしれないがどこか哀愁が漂っていたのは、誰も知らない。



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