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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
気味が悪いほど美しい生き物
もしも、誰がか僕らと違う夢を見せていたとしても、きっと君の気持ちは変わらない。
生徒会室の中から、人の話し声が聞こえてきた。
いつも以上に賑やかな声に、気にかけつつもルルーシュは、扉を開く。
「おお! ルルーシュ、いいところに」
「?」
見れば何かを取り囲むようにして集まる、リヴァル達を目にする。
内心首を傾げて、皆のほうへと近づいていくと、何を取り囲んでいたのかが、見え始める。
近づく前に、誰かの声がそれを引き止める。ミレイだった。
「何かあったのか?」
雰囲気がいつものそれと違うことに気づいたルルーシュが、そう訊ねてみると、困ったような顔をした瞳と目が合う。
「実はね、私もさっき知ったんだけど」
答えてくれたのは、シャーリーだった。
事の成り行きを離し始めた。内容はライの事で、シャーリーから聞くのは前と変わりないものの、その話す内容は普段のそれと違うものだった。
聞けば、ルルーシュとて信じられない事だったが、真剣に話す口調から、また性格を知っているためか、嘘とは思えなかった。
事の内容はこうだ。
ライが、普段の様子と違うこと、そしてそれに気づいたのは、ミレイで、話しかけるとまるで初対面だった時とは印象は違っても、初めて会ったように誰と名前を尋ねてきたのだ。
その場に居合わせた面々も目を丸くして、ライへと集まって話をした中、現在このような状態となっていた。
「本人も言ったことなんだけど、今いるのは、ライじゃなくて、別の人間なんだって言われて、わけがわからなくて」
「別の人間?」
ルルーシュの疑問に答えるようにミレイが口を開いた。
「簡単に言えば、今のライはライではあるけど、中身は別人と、まあそういうことね」
「確かに、話で聞くにはそうなのだろうが、理解しがたい内容だな」
「うん。だけどね、どうしても信じられないのなら、本人に話してみれば、わかるよ」
話を聞いていたのか、歩みを止めたルルーシュが足を進めて近づくと、取り囲む人が左右に分かれるようにして、はっきりとライをその視界に捕らえた。
椅子から、此方を見る瞳の色は前とかわないものの、見上げた視線には違和感が残った。
「あっ、此方の方の知り合いですか?。はじめまして」
口を開いたのは、ライであるはずなのに、愛想よくにっこりと微笑む姿は
別人のもののようだ。
口調、いや、表情を含めて、ライではないということが明確に伝わる。
何より、随分前に出会っているにもかかわらず、今更、初めて会ったような態度は困惑と疑問を浮き上がらせるが、それを隠すように挨拶を返した。
「・・・俺は、ルルーシュ・ランペルージだ。君は?」
「あっ、申し遅れました。僕の名前は、えっと、ライで構いません」
「名前も同名という訳か」
「そういうわけではないですけど、僕は、もうこの世にいません。皆さんの知るところの、幽霊です。ですから、存在を表す為に、この身体を借りて出ていますが、僕の名前を口にするのは、やむ得ぬ事情があって出来ないんです」
ライの身体をのっとってるとはいえ、自分についての詳細は言わないというのも、不可解なところではあるが、今はその幽霊よりもライをどうすれば掬えるのかに重点を置いている為、ルルーシュは、それ以上口は挟むのをやめ別の言葉を口にする。
「それで、ライ、いや、君が入った元の主は、どうした?」
「・・・僕が入ったときに、ショックが強すぎて、中で気絶してます。ああ、ご心配には及びません。僕がいたとしても、彼が消えることはないですから」
普段のクールな物言いとは違う、明るさをまとった話し方で、ライは話す。
「気になったことがあるんだけど、君がその中に入ったままだとしたら、ライはこのまま僕達の前に現れないってこと」
「入ったときに気絶させるほどだったのなら、やっぱり心配だよな」
スザクとジノの問いかけに、ライは視線を彷徨わす。
「それは・・・」
「そうだよ。ライの身体はどうなるの! 今はあなたがライの中で喋ってるみたいだけど、それで何かしらの影響ってあるんじゃないの」
発言したのは、シャーリーだったが、考えるところは違うとしても、皆ライの事が心配なのは顔をみればわかることだった。
責めるシャーリーの気持ちもわかるものの、落ち着かせるためにミレイがシャーリーの肩をぽんっと叩くように言葉を出す。
「シャーリー、言いたことはわかるけど話を聞いてみないことには、わからないじゃない?」
「そう、だけど」
そこでふと、疑問がわいたリヴァルが口を開く。
「なぁ、幽霊って言ってたけど、とりつくにしても、他の身体でも良かったんだろ?。ライの身体じゃないとならない理由があるわけじゃないんだろ?それなら」
何故、ライなのか、ライではなく別の人間ではいけないのか、みんなの考えてることを代弁したリヴァルに、ライはじっと見つめると、思ってた答えと違う答えが返してきた。
「そういう考えはありません。彼ではないと、意味がないのです」
「どういうこと?」
「それは、今から話します」
ライの中に入った女の子であること。ブリタニア帝国の植民地となる前に日本に住んでいた人で、この世に未練があるから此処にいると言うこと。
病院生活が長く、楽しみだった学園生活も恋愛経験も出来ずに亡くなってしまったというのが、彼女の未練となった理由だった。
彼女の話す内容でわかったのは、それだけだった。
「じゃあ、それを叶える為に」
「はい。僕のこの世にある未練を断ち切らなければ、成仏しきれません。なので、僕の意識と触れる事の出来る人に遭遇して、一時的に身体を借りることにしたんです。それが、勝手な理由であるのは、承知してますが、自由に動ける今行動しておかないと、未練に縛られて成仏することも難しくなる」
「貴方の話で大体の事はわかりましたけれど、貴方が僕達と話せる間、中にいるライさんの行方が気になります」
ロロの不安な声に、ライの体が心配だと言いたげなその表情をみて、ライは避けるように眼を伏せて、胸に手を当てる。
「僕が皆さんと話せる表にいる間は、外には出られませんが彼の意識がなくなるわけではありません。でも、あまり長い間い続けると影響はないとは言い切れません」
「そんな。あ、でも、入ってきたように中から抜け出ることは出来るんじゃない」
シャーリーのかすかな望みも、ライは、首を横に振って、
「それは出来ないんですよ」
「どうして?」
「一度はいってしまうと、抜け出すほうが難しくなるんです。成仏出来れば自然と抜け出ることは簡単なんですが」
「除霊すれば出れるって事? それならお払いでも頼めば」
今度は、ミレイからの提案に頷くことなく、一瞬目を曇らせたライは、それでも言い放つ。
その声がほんの少し、悲しみに沈んでいたことを皆知らない。
「無理やりに出すほうが、僕の中にいる彼にも影響がありますよ。それでもよければ」
「なんだか、脅してようにも聞こえそうね」
「すみません。迷惑をかけていると思いますが、僕も焦っているんです。自由になれる時間がいつまで続くのか僕にもわからないので、今出来るだけの事をやっておきたいんです!」
真剣な声に耳を傾けた中、息をついたミレイが一歩前に出るようにして、
「それなら一つ・・・やってみましょうか」
「ミレイちゃん?」
戸惑うようにニーナが、名を呼ぶ。ミレイのほうへと集まる視線は、戸惑いと困惑。そして、一部には、ライへととりついた女の言葉を信じてもいいのかと疑問の念が込められていた。
「貴方の理由はわかったことでも、此処には、ライに戻ってもらう為に、何としても、今の貴方を含めてほっておけないのよ。だから、私達もできることは協力させてもらうわ」
目を瞬かすように、ライは問いかける。
「本当ですか!?」
「ええ。そうでもしないと、ライはそのままなんでしょ?。残念ながら、それを認めたくない人が大勢いるのよ。今ここにいる私達も含めてね。だから、協力するけど、時折中にいるライと話をさせて頂戴。それが、私達とあなたの約束。どう? それなら、出来るかしら?」
確認するように一度皆にも視線をめぐらせると一様に頷いた。まだ警戒心は解けていないものの、ライの体から出れないというなら、それくらいの譲歩をさせてもらいたいと思ったからだった。
頷いた皆にミレイも頷き返して、幽霊へと向き直る。
「はい!。それは勿論。あっ、あのこれからにあたって、皆さんの顔を名前を含めてはっきりとわかっておきたいので、眼鏡を貸していただけますか?」
「眼鏡?」
「僕、目が悪いんで」
ライにとりついた女の子の幽霊は、恥ずかしそうに視線を逸らし、額に手を当てた。
「恋が未練なのよね。あなたが女の子なら当然恋の相手も男の子になるわよね」
「はい・・・」
「皆協力はするって、承諾したのはいいんだけど、私達以外を巻き込むのは私とて望んでるものでもないのよ。だから、そうね。自由に動ける間、多くの中から貴方のお相手を選ぶのは難しいけれど、此処にいる中でなら、協力は出来ると思うわ」
「えっと・・・」
「今動けると彼女はいいましたけれど、それだと行動範囲よりも持てる時間には制限があるということですよね。短期間で未練を解消する方法あるとは考えられません」
カレンの言葉に考えるようにミレイが、口にしたのは、
「恋はさすがにすぐにできるものじゃないけど、恋人ごっこならやれるかもしれないわね」
「ごっこ、ですか?」
「うん。貴方の遣り残したことをそれで解消できるとは思わないけど、少しは貴方の望むことが叶えられると思うわ」
「はい・・・」
「じゃあ、今いる男性陣。スザク、ルルーシュ、リヴァル、ロロ、ジノこの五人の中から貴方の気に入った人を選んで頂戴。選んだ相手が、本物に離れないけど、恋人として選んで頂戴」
口を差はむようにルルーシュが「会長」と名を呼ぶと、
「さっき頷いた上で、反論がある?」
「・・・・」
無言となったルルーシュを置いて、代弁するように、スザクが口を開いた。
「君の成仏をする手助けにでもなれば嬉しいけど、やっぱりライに戻って欲しい気持ちは皆同じだから、うん。ちゃんとできることは僕達も協力させてもらうよ」
「ルルーシュも、勿論合意するわよね」
「・・・・ああ」
納得いかないのは当然にあるのだが、幽霊の為ではなくライを助ける為に、ルルーシュはしぶしぶ頷いた。ミレイ以外の女性陣も黙っているけれど、協力すると頷いた手前、何も言わなかった。
「これで、男性陣も合意したわ。後は、貴方が決めて頂戴。私にできることは恋人ごっこを黙認することかしら。他にあればするけれど、今はそれくらいだから」
「僕の我が侭をただでさえ受け入れる中で、これ以上望むのは出来ませんけれど、望めることが少しでも叶うのなら、五人の中から決めます」
顔を上げたライは、顔をめぐらせてたった一人と目を合わせると、
「よろしくお願いします」
そう言って、頭を下げたのだが、下げられた相手のほうが予想外に驚いた顔をしていた。
一番、不信感を抱いていたルルーシュだったのだから。
留め