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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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★2009/12/15 (Tue)
ギアスで兎の亀の出るあの昔話。リヴァルとルルーシュのみですが、
ルルーシュ×ライです。
お話は、続きからになります。

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ふたりで帰ろう、元の世界に


昔々あるところにとっても足の速いと評判の銀兎ことライと、頭がいいと名の知られている黒亀こと、ルルーシュがいたそうな。
 兎と亀どちらも種族が違うものであったが、仲良く暮らしていた。

 幼なじみの二人とて同じことだった。

 ところが、大人たちの争いにより引き裂かれ、兎族亀族と区別がつれられたようになり、両者は互いを敵同士と認識するようになった。
 だが、ルルーシュとライは族の違う争いごとだとして、敵対するものではなかったが、状況が変わった。
行き来する境界線の境目に見張りを立てられ、どちらも会える機会を失ってしまったのだ。

 族同士の争いだけが続き、戦場へと向かった者達には生と死が行き来しあう中で、町の中にいたルルーシュの元に朗報が届いた。

「よっ、ルルーシュ」

「リヴァルか」


 戦場となった場とは離れた町で、話すにしても亀族である彼らの間で、安易に兎族の話をしてはならないと暗黙の掟があった。だから、兎族の、戦いの話をするときは、ひっそりと声を潜めるか、こうして、家の中で話す以外に道はなかった。

 部屋へと通されたリヴァルは、椅子に座るやいなや、音量を下げるようにして、ルルーシュに話しかけてきた。


「なぁ、ルルーシュ。聞いてるぜ」

「何をだ」

「これより三日後、勝負するみたいじゃないか」


リヴァルの口調に思い当たったルルーシュは、思うところがあるらしく、


「勝負?、ああ、賭けチェスか」


 賭けチェスは、前からやってきたことで、顰めて話す内容ではないのだが、リヴァルの返事はそれと違うもので首を振る。


「違うって、三日後に控えてある勝負の事だよ」

「どういうことだ」

「あれ? 知らせ届いててなかったのか。未だに俺達亀族と兎族の奴らと、どちらが一番か決着ついてないだろう」

「ああ・・・」

「それでさ、上層部の連中が話し合いの結果たかをくくったらしくってさ、互いに最高の人材を集めて勝敗をつけることになったらしいんだよ」

「選ばれたもの同士を戦わせ、その結果まとまりのつかない現状を打破、見せつけの為の争いか」

「そうそう、それで、その中の一人にお前が入ってるって話だぜ」

「学生まで巻き込むのか」

「上のやつらがお前の頭の良さに目をつけたって所だな」

「独断で決めた選出にしても、あまり気乗りする話ではないな」

「そう言うなよ。いい情報もあるんだぜ」


 にぃっと口に笑みを浮かべるそれがいつも情報を提供するリヴァルから出る言葉を予想出来て、


「また女の子がという情報なら必要ない」

「お前にはいい話だと思うぜ。ライの事だから」

「ライ?」


 ライの事を話す機会はなかったとはいえなくもないが、リヴァルから、その話を持ち出すのは珍しいことだった。


「此処最近、いや今も争いが続くせいでというよりも、領域内で制限されて向こうに行くことが難しくなって、なかなか会えなかっただろ」

「・・・・ああ」

「それで、さっきの話もあるとおり、向こうも最高の人材を用意してるとなると」

「それにライが選ばれていると」

「そういうこと。な? 参加してみたくならないか?」


 上の命令だから、断ることも出来ない故本位ではないけれど、ライが参加するとなると事情は変わる。
 ルルーシュは、参加の意を口にすることはなく、リヴァルの話を聞きだすだけでとどまった。


 満月から降り注ぐ月光が、ほのかに地上を照らす夜。
 ルルーシュは、湖の見える小さな憩いの場に来ていた。
 ここは、昔ライと過ごした思い出のあるところだった。
 争いがなければ、境界線がなければ、当たり前にいるはずの隣には、ライの姿はなく、ルルーシュ一人、月を見上げて眼を伏せる。

「ライ・・・」

 何かを思い悩むようにその横顔には、憂いが見えた。
 葉のこすれる音と小さな虫の声だけが、風にまぎれて静かな夜を彩っているだけだった。

 続く

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