コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
★ カテゴリー
カテゴリー別に分かれていて、下に表示されるようになっています。
----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
★ お気に入り
★2009/11/19 (Thu)
その線から一歩先が遠すぎて
噴出す水しぶきがカーテンのようにして、其処にいる人の姿を映す。
キャッキャッと、腕組していちゃつくカップルが、その人の前を通ると、視線を避けるように萎縮して足早に遠ざかっていく。
睨んでいたわけではないが立ち姿が凛として、それでも服の上からわかるスタイルと風貌は人目を引くのだが、時間に終われるように腕を組んだままの指を小刻みに動かして、人待ちしている女性は、コーネリアだった。
「何をしているんだ・・・」
ぼやくように彩られた唇から、声が出た。
その光景を時に目を移す男に寄り添うようにいた女性がその視線に気づいて怒る姿だとか、同じように人待ちしているのか時計の針を気にしながら、姿を探す男の姿だとか、通りかける人はいくつもあっても、その中に、コーネリアの探すライの姿は見当たらない。
「まだ、接近はされていないのですか?」
彼女を見ていたのは、とおりがけの男ばかりではなく、茂みの中に姿を隠した人物の目もそれを見ていた。一人は、姉よりも薄い色合いのそれでも姉妹だとわかるウェーブのかかった髪はおろされていて、貴族とわからぬよう装った私服を着ていたのは、ユーフェミアで、姉以上に落ち着きなくそわそわとしている彼女の隣では、いつもの護衛ではなく、同じように私服を着たがギルフォードが声をかけた。
「ユーフェミア皇女殿下、一つ伺ってもよろしいでしょうか?」
「ギルフォード、此処で、その呼び名は見つかってしまいますよ」
「しかし、私は」
「わかりました。では、皇女殿下とつけるのでなく、名前の後にさんとつけて構いませんから、周りの目もありますしね」
「・・・はい。貴殿が、姉上様の、その仕事ではなくプライベートを気になるのは当然あると思います」
「はい」
「ですが、何故、私もこのような」
「決まっております。私の護衛の為です」
「それならば、他のものに申し上げてもこちらで手配を」
「ギルフォード、貴方はお姉さまの事が気にならないのですか?」
「はい?」
「では、ライの事はどうなんですか?」
「気にならないといえませんが、なにやら、こそこそ姫様の周りをかぎつくのは、恐れながらあまり関心できるものとは」
「ライとデートなのですよ?。あの、殿方とあまりそういった恋愛事も噂が立たない、いえ、それほどに仕事に熱心であるお姉様がどのような態度に出るのか、妹としても非常に気になるのです」
「ですが、彼はまだ年若い、戦闘技術において彼は優秀であることは自負しておりますし、姫様もその才能を認めてます。それは、上官としての事でそのような事は、互いに身分もある事でしょうし」
「いいえ、それが障害なるとは言い切れません。だからこそ、私達でお姉様を応援する為にも、こうして見守ることも必要なんです」
影で見守っているから声は大きくないものの、力強く発言するユーフェミアは、真剣だったがその瞳は子供のように輝いていた。もはや、何を言ってもこの場を退くことも、護衛もつけずに(この場合、ギルフォードがそれに当たるが)出歩いているのを見逃すことは出来ず、小さく溜息をつくように目を閉じたギルフォードだった。
噴水の吹き上がる音にまじえて聞こえてくる人の声の中に、コーネリアの待っていた声がかかるが、遠くを見るように考え事をしていた事で気づくのが一足遅れた。
「コーネリア皇・・・?」
薄い色のサングラスをかけているが、きちんとした身なりで腕を組んだまま立っているだけなのに、存在感はありどこか隠せぬ気品が感じられ、周囲の特に男性からの視線に気づく素振りもなくて、声をかけていいものかと途中でライの呼びかけが途絶えるが、コーネリアはそれで気づくと、振り返りながら、
「遅い。時間には正しいが、上官を待たせるとは大儀ものだぞ」
「すみません」
一般的な待ち合わせの会話としてはふさわしくない。厳しく冷静な声が普段の上官としての言葉遣いで、多少なりとも軍人の時の姿勢が身につけているためか反射的にそう言ったライに、コーネリアは一度目を閉じてから、開いた目を細めたのは怒りからではなかった。
「・・・だが、今は仕事ではないからここまでにしよう。それより、いつ来たのだ。先に来ていたのなら、早く声をかけていればよかったものの」
幾分か和らいだ声は、上官ではなくコーネリアの言葉で、居住まいを立たされたままのライは、真面目に返す。
「いえ、今来たばかりなんですが、何か考え事をしていたようなので、間を置いて声をかけようと思ったのですけど、早くにこちらへ?」
「どうにも、身に染みた習慣というのはなかなか抜け出せなくてな」
ライより早く到着してしまったのは、時間厳守に早くに来ていたからであった。後にやってきたライは、遅れたといっても時間通りに来ているので、遅刻をしたというわけでない。
それらは過ぎ去ったこととして、コーネリアが気になったのは、
「それが、貴様の私服なのか?」
コーネリアと違い良質な仕立ての服というよりかは、通行人にまぎれていても自然と馴染む装いは目立つものではなくシンプルだったけれど、それがより一層外見の美しさを引き立てるようで、けれど一般の人よりはどこか品が感じられ、誰でなくとも視線が引き寄せられるような、不思議な雰囲気がライにはあった。
「はい。私服はこれだけです」
「記憶喪失で他者の家に世話になっていると聞いた。そのためか?」
「そうですね。・・・生活に必要最低限のものは頂いていますし、それ以上に感謝してます。それでも、僕の望む以上にその人は気遣いを見せてくれていますが、これ以上お世話になるのは本意ではありませんので」
ほっとけないと言う以前に、ミレイの性格も合わさって、学園へ身を置くことになり、生活から生徒として通うまででなく、今はスザクと共に軍人としての役割を、自分なりに出来ることを見つけたのだが、他の軍人以上に上位を目指すような向上心は自分に向けられたものでなく、誰かのために動くくらいで、もっとあいつは望むべきだと、前に話を聞いたノネットの言葉を思い返しながら、コーネリアはなるほどとその意味を理解する。
「・・・・襟が緩んでる」
ファッションとしては認めていたとしても、コーネリアとしては、襟元をきちんと閉めずに開いているのは、だらしのないように見えるのだ。
それに、思わず目を瞬かせたライは、「はい?」ッとあっけのない返事を返してしまうが、それが癇に障ったらしく。
「何だ、その返事は、もっとシャキとしろ」
「はいっ!」
背筋を伸ばしそう言ったライは、軍人時に戻ったように思い返してか、不意に笑いがこぼれていたのを、不審げに片眉を吊り上げるようコーネリアがそれを見つける。
「何が可笑しい?」
「いえ、仕事場から離れた場所にいて、こうして外で私服で会ってることに、新鮮だと思ってたんですけど、やっぱり難しいですね」
案内といっても、行動するのは男女なのだから、一般的な見方をすればそれはデートに変わりないものの、ライの発言は今日のデートについてか、それとも、デートの相手がコーネリアだから、そう言うのか、ライの表情から読めなかったが、それが気になるのが自分だけの気がして、それを知られたくはないと無言で目を瞑ったコーネリアに気づいた、ライが視線を向ける。
「?」
「それより、案内を頼むその前に、ユーフィはどうした?お前と共に来るはずではなかったのか?」
「はい。それなんですけど、ユーフェミア皇・・・ユーフィさんは」
「何だ」
「急用が入り、こちらには迎えないとの申し出がありました」
「何?」
どういうことだと眉を寄せるコーネリアの反応はライでも、予想できたものではあるが、どうにか納得させたというより、コーネリアにも思い当たることがあったのか、それ以上追求されることなく二人は歩き出した。
ライ自身もユーフェミアの言葉の真意はわからずなんと反応していいのか言葉に迷う中、ふと前日の記憶が蘇る。
声をかけられたライは足を止めると、嬉しそうにかけてきたのはユーフェミアだったが、彼女の言葉は軍の事でもスザクの事でもないことにしばし驚かさられた。
「ライ、貴方にお願いがあります」
にっこりとした表情から、未熟ながら引き締める表情は、貴族らしく、友人としての態度でなくライも返す。
「お願い、なんでしょう?」
「はい。その前に、口調普段どおりで構いませんよ」
「そういうわけには」
「今は、軍人としてではなく、ライ個人に向けてのお話ですから」
「・・・・はい」
それを言われてしまうと、何も反論できなくなったライに、一度にっこりと微笑んだユーフェミアは、
「お願いするのは、私ではなくお姉様の事です。最近お仕事に疲れています、以前からの事ではありますが。そこで、ライ、貴方がお姉様をどこか気分転換できるようなところに案内してくださいませんか」
「僕に、コーネリア総督と外への案内をで・・・のか?」
「はい。最近ゼロの事で煮詰まってる部分があるので、それを忘れさせるとまではいかなくても、少しは気分が落ち着けるような場所にお姉様を連れて行って欲しいんです。此処では、庭園もありまずか、私は租界にももっと良い場所があると思うんです。私は租界に出かけることはあっても、お姉様はそういうことをなかなか自分からはなさらないので、ライの知る日本人の方々がどのような生活をしているのか拝見するチャンスだと思うんです。それで、護衛の変わりにライ、貴方がお姉様を守りそして、街を案内してください。お願いできますか?」
貴族ではなく、妹として、ライの友人として、ユーフェミア個人の願い事を聞き、その意見に断る言葉は見つからず、
「・・・わかり、わかったよ。出来る範囲でなら僕もそう思っていた」
「ありがとうございます」
姉の事を本当に大事に思っているユーフェミアは、自分以上に嬉しそうな顔を見せたが、あの時のユーフェミアの願いはライも思うところあって、断ることはなかったのだが、後になって思う事があった。何故、その役目を、僕よりも日本に詳しいスザク相手ではないのかと、軍人としては他の者より優秀だが、人の感情特に恋愛ごとにはひどく鈍感なライにはそのことだけはわからなかった。
「案内の前に、一つ決めておきたいことがある」
思考を引き戻すかのように隣のコーネリアの声が、現実へと戻したと同時に、歩いていた足も立ち止まる。
「なんでしょうか?」
「呼び方についてだ。此処は、戦場ではなく、今は仕事でもない。今までの呼び方は、人の目を引く」
「・・・僕もそれを考えてました」
「そこで、今日限りだけ、お前に名前を呼ぶことを許可しよう」
「えっ?」
予想もしなかったコーネリアからの言葉に、瞠目するライの視線をさせるように、視線を前に向けたコーネリアは真剣だった。
「今日限りだ。それを肝に銘じておけ」
「あ、はい。コーネリア・・・さん」
ライは言い改めるように出ていたものの、自分から言い出したはずの当のコーネリアは気恥ずかしさに僅かに頬を染めていたことなど、ライは知る由もなかった。
[留め]
その線から一歩先が遠すぎて
噴出す水しぶきがカーテンのようにして、其処にいる人の姿を映す。
キャッキャッと、腕組していちゃつくカップルが、その人の前を通ると、視線を避けるように萎縮して足早に遠ざかっていく。
睨んでいたわけではないが立ち姿が凛として、それでも服の上からわかるスタイルと風貌は人目を引くのだが、時間に終われるように腕を組んだままの指を小刻みに動かして、人待ちしている女性は、コーネリアだった。
「何をしているんだ・・・」
ぼやくように彩られた唇から、声が出た。
その光景を時に目を移す男に寄り添うようにいた女性がその視線に気づいて怒る姿だとか、同じように人待ちしているのか時計の針を気にしながら、姿を探す男の姿だとか、通りかける人はいくつもあっても、その中に、コーネリアの探すライの姿は見当たらない。
「まだ、接近はされていないのですか?」
彼女を見ていたのは、とおりがけの男ばかりではなく、茂みの中に姿を隠した人物の目もそれを見ていた。一人は、姉よりも薄い色合いのそれでも姉妹だとわかるウェーブのかかった髪はおろされていて、貴族とわからぬよう装った私服を着ていたのは、ユーフェミアで、姉以上に落ち着きなくそわそわとしている彼女の隣では、いつもの護衛ではなく、同じように私服を着たがギルフォードが声をかけた。
「ユーフェミア皇女殿下、一つ伺ってもよろしいでしょうか?」
「ギルフォード、此処で、その呼び名は見つかってしまいますよ」
「しかし、私は」
「わかりました。では、皇女殿下とつけるのでなく、名前の後にさんとつけて構いませんから、周りの目もありますしね」
「・・・はい。貴殿が、姉上様の、その仕事ではなくプライベートを気になるのは当然あると思います」
「はい」
「ですが、何故、私もこのような」
「決まっております。私の護衛の為です」
「それならば、他のものに申し上げてもこちらで手配を」
「ギルフォード、貴方はお姉さまの事が気にならないのですか?」
「はい?」
「では、ライの事はどうなんですか?」
「気にならないといえませんが、なにやら、こそこそ姫様の周りをかぎつくのは、恐れながらあまり関心できるものとは」
「ライとデートなのですよ?。あの、殿方とあまりそういった恋愛事も噂が立たない、いえ、それほどに仕事に熱心であるお姉様がどのような態度に出るのか、妹としても非常に気になるのです」
「ですが、彼はまだ年若い、戦闘技術において彼は優秀であることは自負しておりますし、姫様もその才能を認めてます。それは、上官としての事でそのような事は、互いに身分もある事でしょうし」
「いいえ、それが障害なるとは言い切れません。だからこそ、私達でお姉様を応援する為にも、こうして見守ることも必要なんです」
影で見守っているから声は大きくないものの、力強く発言するユーフェミアは、真剣だったがその瞳は子供のように輝いていた。もはや、何を言ってもこの場を退くことも、護衛もつけずに(この場合、ギルフォードがそれに当たるが)出歩いているのを見逃すことは出来ず、小さく溜息をつくように目を閉じたギルフォードだった。
噴水の吹き上がる音にまじえて聞こえてくる人の声の中に、コーネリアの待っていた声がかかるが、遠くを見るように考え事をしていた事で気づくのが一足遅れた。
「コーネリア皇・・・?」
薄い色のサングラスをかけているが、きちんとした身なりで腕を組んだまま立っているだけなのに、存在感はありどこか隠せぬ気品が感じられ、周囲の特に男性からの視線に気づく素振りもなくて、声をかけていいものかと途中でライの呼びかけが途絶えるが、コーネリアはそれで気づくと、振り返りながら、
「遅い。時間には正しいが、上官を待たせるとは大儀ものだぞ」
「すみません」
一般的な待ち合わせの会話としてはふさわしくない。厳しく冷静な声が普段の上官としての言葉遣いで、多少なりとも軍人の時の姿勢が身につけているためか反射的にそう言ったライに、コーネリアは一度目を閉じてから、開いた目を細めたのは怒りからではなかった。
「・・・だが、今は仕事ではないからここまでにしよう。それより、いつ来たのだ。先に来ていたのなら、早く声をかけていればよかったものの」
幾分か和らいだ声は、上官ではなくコーネリアの言葉で、居住まいを立たされたままのライは、真面目に返す。
「いえ、今来たばかりなんですが、何か考え事をしていたようなので、間を置いて声をかけようと思ったのですけど、早くにこちらへ?」
「どうにも、身に染みた習慣というのはなかなか抜け出せなくてな」
ライより早く到着してしまったのは、時間厳守に早くに来ていたからであった。後にやってきたライは、遅れたといっても時間通りに来ているので、遅刻をしたというわけでない。
それらは過ぎ去ったこととして、コーネリアが気になったのは、
「それが、貴様の私服なのか?」
コーネリアと違い良質な仕立ての服というよりかは、通行人にまぎれていても自然と馴染む装いは目立つものではなくシンプルだったけれど、それがより一層外見の美しさを引き立てるようで、けれど一般の人よりはどこか品が感じられ、誰でなくとも視線が引き寄せられるような、不思議な雰囲気がライにはあった。
「はい。私服はこれだけです」
「記憶喪失で他者の家に世話になっていると聞いた。そのためか?」
「そうですね。・・・生活に必要最低限のものは頂いていますし、それ以上に感謝してます。それでも、僕の望む以上にその人は気遣いを見せてくれていますが、これ以上お世話になるのは本意ではありませんので」
ほっとけないと言う以前に、ミレイの性格も合わさって、学園へ身を置くことになり、生活から生徒として通うまででなく、今はスザクと共に軍人としての役割を、自分なりに出来ることを見つけたのだが、他の軍人以上に上位を目指すような向上心は自分に向けられたものでなく、誰かのために動くくらいで、もっとあいつは望むべきだと、前に話を聞いたノネットの言葉を思い返しながら、コーネリアはなるほどとその意味を理解する。
「・・・・襟が緩んでる」
ファッションとしては認めていたとしても、コーネリアとしては、襟元をきちんと閉めずに開いているのは、だらしのないように見えるのだ。
それに、思わず目を瞬かせたライは、「はい?」ッとあっけのない返事を返してしまうが、それが癇に障ったらしく。
「何だ、その返事は、もっとシャキとしろ」
「はいっ!」
背筋を伸ばしそう言ったライは、軍人時に戻ったように思い返してか、不意に笑いがこぼれていたのを、不審げに片眉を吊り上げるようコーネリアがそれを見つける。
「何が可笑しい?」
「いえ、仕事場から離れた場所にいて、こうして外で私服で会ってることに、新鮮だと思ってたんですけど、やっぱり難しいですね」
案内といっても、行動するのは男女なのだから、一般的な見方をすればそれはデートに変わりないものの、ライの発言は今日のデートについてか、それとも、デートの相手がコーネリアだから、そう言うのか、ライの表情から読めなかったが、それが気になるのが自分だけの気がして、それを知られたくはないと無言で目を瞑ったコーネリアに気づいた、ライが視線を向ける。
「?」
「それより、案内を頼むその前に、ユーフィはどうした?お前と共に来るはずではなかったのか?」
「はい。それなんですけど、ユーフェミア皇・・・ユーフィさんは」
「何だ」
「急用が入り、こちらには迎えないとの申し出がありました」
「何?」
どういうことだと眉を寄せるコーネリアの反応はライでも、予想できたものではあるが、どうにか納得させたというより、コーネリアにも思い当たることがあったのか、それ以上追求されることなく二人は歩き出した。
ライ自身もユーフェミアの言葉の真意はわからずなんと反応していいのか言葉に迷う中、ふと前日の記憶が蘇る。
声をかけられたライは足を止めると、嬉しそうにかけてきたのはユーフェミアだったが、彼女の言葉は軍の事でもスザクの事でもないことにしばし驚かさられた。
「ライ、貴方にお願いがあります」
にっこりとした表情から、未熟ながら引き締める表情は、貴族らしく、友人としての態度でなくライも返す。
「お願い、なんでしょう?」
「はい。その前に、口調普段どおりで構いませんよ」
「そういうわけには」
「今は、軍人としてではなく、ライ個人に向けてのお話ですから」
「・・・・はい」
それを言われてしまうと、何も反論できなくなったライに、一度にっこりと微笑んだユーフェミアは、
「お願いするのは、私ではなくお姉様の事です。最近お仕事に疲れています、以前からの事ではありますが。そこで、ライ、貴方がお姉様をどこか気分転換できるようなところに案内してくださいませんか」
「僕に、コーネリア総督と外への案内をで・・・のか?」
「はい。最近ゼロの事で煮詰まってる部分があるので、それを忘れさせるとまではいかなくても、少しは気分が落ち着けるような場所にお姉様を連れて行って欲しいんです。此処では、庭園もありまずか、私は租界にももっと良い場所があると思うんです。私は租界に出かけることはあっても、お姉様はそういうことをなかなか自分からはなさらないので、ライの知る日本人の方々がどのような生活をしているのか拝見するチャンスだと思うんです。それで、護衛の変わりにライ、貴方がお姉様を守りそして、街を案内してください。お願いできますか?」
貴族ではなく、妹として、ライの友人として、ユーフェミア個人の願い事を聞き、その意見に断る言葉は見つからず、
「・・・わかり、わかったよ。出来る範囲でなら僕もそう思っていた」
「ありがとうございます」
姉の事を本当に大事に思っているユーフェミアは、自分以上に嬉しそうな顔を見せたが、あの時のユーフェミアの願いはライも思うところあって、断ることはなかったのだが、後になって思う事があった。何故、その役目を、僕よりも日本に詳しいスザク相手ではないのかと、軍人としては他の者より優秀だが、人の感情特に恋愛ごとにはひどく鈍感なライにはそのことだけはわからなかった。
「案内の前に、一つ決めておきたいことがある」
思考を引き戻すかのように隣のコーネリアの声が、現実へと戻したと同時に、歩いていた足も立ち止まる。
「なんでしょうか?」
「呼び方についてだ。此処は、戦場ではなく、今は仕事でもない。今までの呼び方は、人の目を引く」
「・・・僕もそれを考えてました」
「そこで、今日限りだけ、お前に名前を呼ぶことを許可しよう」
「えっ?」
予想もしなかったコーネリアからの言葉に、瞠目するライの視線をさせるように、視線を前に向けたコーネリアは真剣だった。
「今日限りだ。それを肝に銘じておけ」
「あ、はい。コーネリア・・・さん」
ライは言い改めるように出ていたものの、自分から言い出したはずの当のコーネリアは気恥ずかしさに僅かに頬を染めていたことなど、ライは知る由もなかった。
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