コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
★ カテゴリー
カテゴリー別に分かれていて、下に表示されるようになっています。
----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
★ お気に入り
★2009/11/13 (Fri)
Girls Dream of bubble・番外編 とらえてみせよう
中庭へとたどり着いて、追いかける後ろに気配がないことに、ようやく息をついていると、
「あ、ライさん」
「ロロ・・・?」
近寄ったロロを確認するが、一瞬のうちにその姿は目の前から消えた。
どこに行ったのかと首をめぐらす前に、背後に人の気配があり、気づくと後ろから口を塞がれ、茂みのほうへと引っ張り込まれた。
塞がれたまま口を動かしても手を通して聞き取れない言葉となる。手を外そうと背中も誰かの胸がぶつかるだけで逃げ場を失ったまま、抵抗するライに、ぴしゃりと吐息のこぼれた声が、耳に寄せるように触れた。
「すみません。少し静かに、やり過ごせば終わりますから」
真剣な声に動きを止め、ロロを見上げると、その視線はライではなく、別の誰かへと向けられていた。鋭い視線の先には女生徒の姿があった。
「あれー。さっき此処にいたと思ったのに~」
「見失ったの?。もーだから、ちゃんと見張ってないから」
「そう言われても。さっき見たのは此処で間違いないから、まだそう遠くにはいってないはず。あくせくしてる間に、時間なくなるから早く探そうよ!」
「そうね。デート権かかってるし、早く見つけないと、他の誰かに先に取られちゃうかもしれないしね」
頷きあった二人組は、来た方向とは別のほうへと走り出すよう探しに行った。ようやく彼女達の背を見送り、人の行き来がないことを確認し終えると、「大丈夫みたいですね」とロロが塞いでいた口を離し、先に立ち上がった後で、片手を差し出してきた。
「ライさん、立てますか?」
「ああ」
ロロに手をつかまれ、引き上げるようにして立ち上がると、引き込むときについた葉っぱがひらひらと何枚か地面に落ちた。
「君も、ハロウィン祭で追い掛け回されていたのか?」
「僕は・・・」
ルルーシュの命令でもなく、自らの行動でライを助けたのだが、ハロウィン祭には真面目に参加しておらず、目立つ行動もなかったため誰に見つかる心配もなかったから、ライの言葉に迷っていると。
「仮装はしてるが、積極的には参加してないのか?」
ライのほうから、そうだといえる解答にロロは曖昧に頷く。
制服姿のままのロロにはカチューシャのようにつけられた獣の耳が二つと、尻尾とちぎれた鎖つきの首輪のみ。猫というよりそれは狼男らしい装いだった。
「強制参加ではないですし、それに、今のようなこともありますから」
これは、黒の騎士団と関係のない学園行事なので、特に大きな行動も暴動もないのだから、ロロに出番がなかった。
少し俯いた顔に合わせて伏せったロロの瞳が、自分を重ねてか寂しげに見え、ライはロロの手をそっととると、その手のひらに置いたのは、一つの包みのついた飴玉だった。
「ライさん?」
「助けてくれた礼だ。飴玉しか持ち合わせがないが、これで、勘弁してくれないか」
貰った飴玉とライを交互に見返すロロに、眉を僅かに困ったように下げてライは言った。
「今もっているのは、これ一つなんだ。好き嫌いはあるだろうが、参加してないからとて、一人で見ていても退屈だろう?。だが、此処でお菓子を受け取る理由もないから、君がどうするか選べばいい」
強制でもなくロロに選ばせるライに、見上げるようにロロは、名前を呼ぶ。
「ライさん」
「ん?」
「貰います。だから、返さなくてもいいんですよね?」
「ああ・・・」
ナナリーに向けるような兄のような優しい瞳がロロを捉えて、少し嬉しそうに細めたライに、ロロは手に握りこんだ飴を持ったまま言った。
「Trick or treat」
「えっ?」
「でも、さっきので終わりなんですよね」
「・・・」
「一度してみたかったんです。不意打ちみたいになりましたけど、予告どおりに頂きます」
開けた飴玉を口に入れると、その行動の意味に気づいて身を引こうとする前にライの腕を掴んで、その口へと引き寄せられるままに、重ねようとするのだが、ライが目を瞑り顔を背けたので、目標を見失ったが勢いあまったままその頬にチュッと音が鳴るようキスをした。
ライの瞳が驚きで見開くのを、ロロが目で確認し終わると。
「ーーとりあえずは成功みたいですね。貴方の驚いた顔を見られたのなら、それで十分です」
顔をロロへと向け、唖然と凝視したままのライに、
「用があるので、僕は此処で、失礼します」
赤みの強い紫の瞳がしてやったりと言いたげに細めると、その場を去っていった。
ライをその場に残して、もらった飴玉を口の中で味わった。溶けた味は酸味のあるレモンだったけれど、唇には甘い感触が残っていたので、それを確かめるようになぞったその顔は、どこか惚けているのだった。
中庭へとたどり着いて、追いかける後ろに気配がないことに、ようやく息をついていると、
「あ、ライさん」
「ロロ・・・?」
近寄ったロロを確認するが、一瞬のうちにその姿は目の前から消えた。
どこに行ったのかと首をめぐらす前に、背後に人の気配があり、気づくと後ろから口を塞がれ、茂みのほうへと引っ張り込まれた。
塞がれたまま口を動かしても手を通して聞き取れない言葉となる。手を外そうと背中も誰かの胸がぶつかるだけで逃げ場を失ったまま、抵抗するライに、ぴしゃりと吐息のこぼれた声が、耳に寄せるように触れた。
「すみません。少し静かに、やり過ごせば終わりますから」
真剣な声に動きを止め、ロロを見上げると、その視線はライではなく、別の誰かへと向けられていた。鋭い視線の先には女生徒の姿があった。
「あれー。さっき此処にいたと思ったのに~」
「見失ったの?。もーだから、ちゃんと見張ってないから」
「そう言われても。さっき見たのは此処で間違いないから、まだそう遠くにはいってないはず。あくせくしてる間に、時間なくなるから早く探そうよ!」
「そうね。デート権かかってるし、早く見つけないと、他の誰かに先に取られちゃうかもしれないしね」
頷きあった二人組は、来た方向とは別のほうへと走り出すよう探しに行った。ようやく彼女達の背を見送り、人の行き来がないことを確認し終えると、「大丈夫みたいですね」とロロが塞いでいた口を離し、先に立ち上がった後で、片手を差し出してきた。
「ライさん、立てますか?」
「ああ」
ロロに手をつかまれ、引き上げるようにして立ち上がると、引き込むときについた葉っぱがひらひらと何枚か地面に落ちた。
「君も、ハロウィン祭で追い掛け回されていたのか?」
「僕は・・・」
ルルーシュの命令でもなく、自らの行動でライを助けたのだが、ハロウィン祭には真面目に参加しておらず、目立つ行動もなかったため誰に見つかる心配もなかったから、ライの言葉に迷っていると。
「仮装はしてるが、積極的には参加してないのか?」
ライのほうから、そうだといえる解答にロロは曖昧に頷く。
制服姿のままのロロにはカチューシャのようにつけられた獣の耳が二つと、尻尾とちぎれた鎖つきの首輪のみ。猫というよりそれは狼男らしい装いだった。
「強制参加ではないですし、それに、今のようなこともありますから」
これは、黒の騎士団と関係のない学園行事なので、特に大きな行動も暴動もないのだから、ロロに出番がなかった。
少し俯いた顔に合わせて伏せったロロの瞳が、自分を重ねてか寂しげに見え、ライはロロの手をそっととると、その手のひらに置いたのは、一つの包みのついた飴玉だった。
「ライさん?」
「助けてくれた礼だ。飴玉しか持ち合わせがないが、これで、勘弁してくれないか」
貰った飴玉とライを交互に見返すロロに、眉を僅かに困ったように下げてライは言った。
「今もっているのは、これ一つなんだ。好き嫌いはあるだろうが、参加してないからとて、一人で見ていても退屈だろう?。だが、此処でお菓子を受け取る理由もないから、君がどうするか選べばいい」
強制でもなくロロに選ばせるライに、見上げるようにロロは、名前を呼ぶ。
「ライさん」
「ん?」
「貰います。だから、返さなくてもいいんですよね?」
「ああ・・・」
ナナリーに向けるような兄のような優しい瞳がロロを捉えて、少し嬉しそうに細めたライに、ロロは手に握りこんだ飴を持ったまま言った。
「Trick or treat」
「えっ?」
「でも、さっきので終わりなんですよね」
「・・・」
「一度してみたかったんです。不意打ちみたいになりましたけど、予告どおりに頂きます」
開けた飴玉を口に入れると、その行動の意味に気づいて身を引こうとする前にライの腕を掴んで、その口へと引き寄せられるままに、重ねようとするのだが、ライが目を瞑り顔を背けたので、目標を見失ったが勢いあまったままその頬にチュッと音が鳴るようキスをした。
ライの瞳が驚きで見開くのを、ロロが目で確認し終わると。
「ーーとりあえずは成功みたいですね。貴方の驚いた顔を見られたのなら、それで十分です」
顔をロロへと向け、唖然と凝視したままのライに、
「用があるので、僕は此処で、失礼します」
赤みの強い紫の瞳がしてやったりと言いたげに細めると、その場を去っていった。
ライをその場に残して、もらった飴玉を口の中で味わった。溶けた味は酸味のあるレモンだったけれど、唇には甘い感触が残っていたので、それを確かめるようになぞったその顔は、どこか惚けているのだった。
[留め]
中庭へとたどり着いて、追いかける後ろに気配がないことに、ようやく息をついていると、
「あ、ライさん」
「ロロ・・・?」
近寄ったロロを確認するが、一瞬のうちにその姿は目の前から消えた。
どこに行ったのかと首をめぐらす前に、背後に人の気配があり、気づくと後ろから口を塞がれ、茂みのほうへと引っ張り込まれた。
塞がれたまま口を動かしても手を通して聞き取れない言葉となる。手を外そうと背中も誰かの胸がぶつかるだけで逃げ場を失ったまま、抵抗するライに、ぴしゃりと吐息のこぼれた声が、耳に寄せるように触れた。
「すみません。少し静かに、やり過ごせば終わりますから」
真剣な声に動きを止め、ロロを見上げると、その視線はライではなく、別の誰かへと向けられていた。鋭い視線の先には女生徒の姿があった。
「あれー。さっき此処にいたと思ったのに~」
「見失ったの?。もーだから、ちゃんと見張ってないから」
「そう言われても。さっき見たのは此処で間違いないから、まだそう遠くにはいってないはず。あくせくしてる間に、時間なくなるから早く探そうよ!」
「そうね。デート権かかってるし、早く見つけないと、他の誰かに先に取られちゃうかもしれないしね」
頷きあった二人組は、来た方向とは別のほうへと走り出すよう探しに行った。ようやく彼女達の背を見送り、人の行き来がないことを確認し終えると、「大丈夫みたいですね」とロロが塞いでいた口を離し、先に立ち上がった後で、片手を差し出してきた。
「ライさん、立てますか?」
「ああ」
ロロに手をつかまれ、引き上げるようにして立ち上がると、引き込むときについた葉っぱがひらひらと何枚か地面に落ちた。
「君も、ハロウィン祭で追い掛け回されていたのか?」
「僕は・・・」
ルルーシュの命令でもなく、自らの行動でライを助けたのだが、ハロウィン祭には真面目に参加しておらず、目立つ行動もなかったため誰に見つかる心配もなかったから、ライの言葉に迷っていると。
「仮装はしてるが、積極的には参加してないのか?」
ライのほうから、そうだといえる解答にロロは曖昧に頷く。
制服姿のままのロロにはカチューシャのようにつけられた獣の耳が二つと、尻尾とちぎれた鎖つきの首輪のみ。猫というよりそれは狼男らしい装いだった。
「強制参加ではないですし、それに、今のようなこともありますから」
これは、黒の騎士団と関係のない学園行事なので、特に大きな行動も暴動もないのだから、ロロに出番がなかった。
少し俯いた顔に合わせて伏せったロロの瞳が、自分を重ねてか寂しげに見え、ライはロロの手をそっととると、その手のひらに置いたのは、一つの包みのついた飴玉だった。
「ライさん?」
「助けてくれた礼だ。飴玉しか持ち合わせがないが、これで、勘弁してくれないか」
貰った飴玉とライを交互に見返すロロに、眉を僅かに困ったように下げてライは言った。
「今もっているのは、これ一つなんだ。好き嫌いはあるだろうが、参加してないからとて、一人で見ていても退屈だろう?。だが、此処でお菓子を受け取る理由もないから、君がどうするか選べばいい」
強制でもなくロロに選ばせるライに、見上げるようにロロは、名前を呼ぶ。
「ライさん」
「ん?」
「貰います。だから、返さなくてもいいんですよね?」
「ああ・・・」
ナナリーに向けるような兄のような優しい瞳がロロを捉えて、少し嬉しそうに細めたライに、ロロは手に握りこんだ飴を持ったまま言った。
「Trick or treat」
「えっ?」
「でも、さっきので終わりなんですよね」
「・・・」
「一度してみたかったんです。不意打ちみたいになりましたけど、予告どおりに頂きます」
開けた飴玉を口に入れると、その行動の意味に気づいて身を引こうとする前にライの腕を掴んで、その口へと引き寄せられるままに、重ねようとするのだが、ライが目を瞑り顔を背けたので、目標を見失ったが勢いあまったままその頬にチュッと音が鳴るようキスをした。
ライの瞳が驚きで見開くのを、ロロが目で確認し終わると。
「ーーとりあえずは成功みたいですね。貴方の驚いた顔を見られたのなら、それで十分です」
顔をロロへと向け、唖然と凝視したままのライに、
「用があるので、僕は此処で、失礼します」
赤みの強い紫の瞳がしてやったりと言いたげに細めると、その場を去っていった。
ライをその場に残して、もらった飴玉を口の中で味わった。溶けた味は酸味のあるレモンだったけれど、唇には甘い感触が残っていたので、それを確かめるようになぞったその顔は、どこか惚けているのだった。
中庭へとたどり着いて、追いかける後ろに気配がないことに、ようやく息をついていると、
「あ、ライさん」
「ロロ・・・?」
近寄ったロロを確認するが、一瞬のうちにその姿は目の前から消えた。
どこに行ったのかと首をめぐらす前に、背後に人の気配があり、気づくと後ろから口を塞がれ、茂みのほうへと引っ張り込まれた。
塞がれたまま口を動かしても手を通して聞き取れない言葉となる。手を外そうと背中も誰かの胸がぶつかるだけで逃げ場を失ったまま、抵抗するライに、ぴしゃりと吐息のこぼれた声が、耳に寄せるように触れた。
「すみません。少し静かに、やり過ごせば終わりますから」
真剣な声に動きを止め、ロロを見上げると、その視線はライではなく、別の誰かへと向けられていた。鋭い視線の先には女生徒の姿があった。
「あれー。さっき此処にいたと思ったのに~」
「見失ったの?。もーだから、ちゃんと見張ってないから」
「そう言われても。さっき見たのは此処で間違いないから、まだそう遠くにはいってないはず。あくせくしてる間に、時間なくなるから早く探そうよ!」
「そうね。デート権かかってるし、早く見つけないと、他の誰かに先に取られちゃうかもしれないしね」
頷きあった二人組は、来た方向とは別のほうへと走り出すよう探しに行った。ようやく彼女達の背を見送り、人の行き来がないことを確認し終えると、「大丈夫みたいですね」とロロが塞いでいた口を離し、先に立ち上がった後で、片手を差し出してきた。
「ライさん、立てますか?」
「ああ」
ロロに手をつかまれ、引き上げるようにして立ち上がると、引き込むときについた葉っぱがひらひらと何枚か地面に落ちた。
「君も、ハロウィン祭で追い掛け回されていたのか?」
「僕は・・・」
ルルーシュの命令でもなく、自らの行動でライを助けたのだが、ハロウィン祭には真面目に参加しておらず、目立つ行動もなかったため誰に見つかる心配もなかったから、ライの言葉に迷っていると。
「仮装はしてるが、積極的には参加してないのか?」
ライのほうから、そうだといえる解答にロロは曖昧に頷く。
制服姿のままのロロにはカチューシャのようにつけられた獣の耳が二つと、尻尾とちぎれた鎖つきの首輪のみ。猫というよりそれは狼男らしい装いだった。
「強制参加ではないですし、それに、今のようなこともありますから」
これは、黒の騎士団と関係のない学園行事なので、特に大きな行動も暴動もないのだから、ロロに出番がなかった。
少し俯いた顔に合わせて伏せったロロの瞳が、自分を重ねてか寂しげに見え、ライはロロの手をそっととると、その手のひらに置いたのは、一つの包みのついた飴玉だった。
「ライさん?」
「助けてくれた礼だ。飴玉しか持ち合わせがないが、これで、勘弁してくれないか」
貰った飴玉とライを交互に見返すロロに、眉を僅かに困ったように下げてライは言った。
「今もっているのは、これ一つなんだ。好き嫌いはあるだろうが、参加してないからとて、一人で見ていても退屈だろう?。だが、此処でお菓子を受け取る理由もないから、君がどうするか選べばいい」
強制でもなくロロに選ばせるライに、見上げるようにロロは、名前を呼ぶ。
「ライさん」
「ん?」
「貰います。だから、返さなくてもいいんですよね?」
「ああ・・・」
ナナリーに向けるような兄のような優しい瞳がロロを捉えて、少し嬉しそうに細めたライに、ロロは手に握りこんだ飴を持ったまま言った。
「Trick or treat」
「えっ?」
「でも、さっきので終わりなんですよね」
「・・・」
「一度してみたかったんです。不意打ちみたいになりましたけど、予告どおりに頂きます」
開けた飴玉を口に入れると、その行動の意味に気づいて身を引こうとする前にライの腕を掴んで、その口へと引き寄せられるままに、重ねようとするのだが、ライが目を瞑り顔を背けたので、目標を見失ったが勢いあまったままその頬にチュッと音が鳴るようキスをした。
ライの瞳が驚きで見開くのを、ロロが目で確認し終わると。
「ーーとりあえずは成功みたいですね。貴方の驚いた顔を見られたのなら、それで十分です」
顔をロロへと向け、唖然と凝視したままのライに、
「用があるので、僕は此処で、失礼します」
赤みの強い紫の瞳がしてやったりと言いたげに細めると、その場を去っていった。
ライをその場に残して、もらった飴玉を口の中で味わった。溶けた味は酸味のあるレモンだったけれど、唇には甘い感触が残っていたので、それを確かめるようになぞったその顔は、どこか惚けているのだった。
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