コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
★ カテゴリー
カテゴリー別に分かれていて、下に表示されるようになっています。
----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
★ お気に入り
★2009/08/30 (Sun)
甘い嘘にご用心
昼休み、生徒もまばらな廊下を歩く靴音は、二つ。
資料運びとして、両手に重い段ボールの箱を抱えるのは、学園では、お淑やかで身体の弱いと言われてるカレンで、病弱な様子はみじんもなく、力仕事になれた要領で、少しだけ先に歩いていた足をくるりとその場で振り返った。
「ライ、大丈夫?」
「ああ、少しは。しかし、前が見えないというのは、動きづらいものだな」
カレンよりも多く抱えたライは、前も見えない状況ながら、荷物を落とさぬようにと、カレンよりもゆったりとした足取りでついて行った。
無表情な顔に少しだけ狼狽の色が見えたそれに、カレンは、普段通りの顔で笑みをたたえる。
声だけは、届いたらしく、立ち止まったカレンの横に並んだライは、
「何かおかしいか?」
「えっ、ああ、うん。ちょっとね」
カレンへと用事を頼んだ先生は、ちょうど通りかかったライにも手伝うように行って、今、このように二人で運ぶことになっていた。
カレンの素の顔を知らない、学園の生徒や先生から見れば、誰かに頼むのも当然のことかもしれない。
「黒の騎士団にいるときは、一人でやらされるのが当たり前だから、こうやって誰かに頼られることってないから、おかしいなっと思っただけよ」
「ああ、そうだな」
「それは、それで嬉しいんだけどね」
「誰かに、守られるというのは考えないのか」
「ええ、守られるだけの御姫様は、駄目ね。私の性分じゃないし、やっぱりこうやって身体を動かして、皆と一緒に闘っているって実感してる方が、私らしいもの」
「それは、学園での君と今の君が違うようにか」
「そうね。だけど、自分で決めたことだから、それも仕方のないことなのよ」
「カレンは、強いんだな」
「そう、かしらね。そう意地はっているだけかもしれないけれど、これも私だから。前に進むだけよ」
カレンに追いつくようにして、横に並んだライが足を止めたその分だけ二人の距離が開く。そのことに気づいたカレンが、振り返る。
「ライ?」
「僕は、記憶以外のものは、しっかりと活用している。けれど、それでも、力が及ばないときはあるのかもしれない」
一つ間を置いて、ライは続けた。
「カレンが、一人で進めるうちはいい。けれど、もし、頼れる時、何かに弱気になった時は、誰かに頼った方がいい。僕も君の仲間だ。君の力になるつもりでいる。君でよければだけど」
その言葉は嬉しくて、カレンの口の端をふっと笑うようにつりあげる。
「ありがとう。…だけど、それ、あなたにも当てはまることだって、知ってた?」
「ん、ああ。確かに、言われた覚えがあるな」
「そう。おんなじ言葉、今の私も返すわよ」
そうして歩き出した時に、思いついたのは、カレンのほうだった。
「あ、今日って、確か、エイブリールフールよね」
「エイブリールフール。何の事だ?」
「嘘をついても許される日よ。生徒会の皆には、いつも、からかわれてるし、そうだ。たまには、こっちからも仕返ししとかないとね」
口の中でこぼすように小さく呟いたカレンの言葉に、僅かに反応を返す。
「仕返し?」
ライの問いかけに視線を向けたカレンが、意味深に笑った。
「お帰り~。今日も二人で、ご一緒とは、仲がよろしいことで」
「うんうん」
「そうですね」
にやにやっと笑みを浮かべて、ミレイとシャーリーとリヴァルが二人を見ると、此処でカレンが頬を染めたまま抗議して、からかうなっと怒るのだが、今日は、いつもと様子が変わった。
ライの二の腕をとって、腕に絡ませるようにしたカレンは、
「それは、恋人ですから」
と生徒会室に、爆弾を落とした。
「ええ~っ?!」
「本当かよ」
「えっ、いつから、知らなかったわ。聞かせなさいよ。どうやって恋人になったのか経緯を」
一瞬驚いたものの、喜々と食いついてきたミレイに、笑みを浮かべたカレンは、恥ずかしげに眼を伏せて、ライを見上げた。
「そんな、二人の事だし、すぐに言えるわけないわよ、ねぇ?」
「…カレン?」
カレンの突然の行動に驚いたのは、ライも同じで、何かと問う前に、先ほどの仕返しの言葉が脳裏に横切り、今の状況と一致した。言葉を開こうとする、ライの口元へと人差し指をあてて、カレンが片眼を閉じるしぐさをする。黙ってろっということか、口を閉ざしたライを、そのままに、再び、顔を見渡すように巡らせたカレンは、お嬢様の表情で、演技を始めた。
「だって、皆がひやかすから、なかなか話すのも言いそびれて、切り出せなかったのよ」
興味深々に二人の顔を交互に見比べるようにして、三人の視線が集まる。 ライの腕に腕を絡めたまま顔を隠すように伏せるカレンと、突然の事に戸惑いながらもそれに付き合うように黙ったままのライ。
突然の恋人宣言に興奮覚めやまぬ周りは盛り上がるばかりで、どれくらい続けるのかと問いかけるようにライが視線を向けて、あまり引っ張るのも後で悪いと思ったのか、カレンが「ってのは、嘘」と言おうとした言葉は、誰かが扉を開けた音に消された。
入ってきたのは、ルルーシュとスザクで、待ってましたとばかりに、二人に駆け寄ったミレイ達が、先ほどの真に受けた言葉を二人に話し始めた。
声をかけるカレンを置き去りにしたまま。
ルルーシュとスザクからも、驚いたように視線が向けられた後、気を利かすようにミレイが、
「詳しいことは後で聞くわよ。休憩がてら、此処は二人きりでごゆるりとしてなさいな。それじゃあね」
「ちょっとまだ話!、って、もう!、人の話くらい最後まで聞きなさいよ!」
扉の向こう側へと言葉を残したまま、二人きりとなったわけなのだが、
「……」
「あなたもそう思う、ラ、イ?」
わすがに俯いたせいか髪に隠れ表情の見えず、黙ったままのライが、カレンのほうへと近づいた。
「どうしたの? ライ、きゃ!」
ライの行動にカレンは訝しげに思ったのだが、腰を掴まれ、ライのもとへと引き込まれると、見上げたカレンの名前を呼ぶ。
「カレン」
やけに、普段よりも低い声と真剣なライの表情が近づいてきて、それに驚いたようにして頬を染めたカレンは、一瞬のことで逃げることも叶わず、目をギュッとするように瞑ると。
こつんと額に肌が触れて、おずおずとした様子でカレンが目を開けると、ライがカレンとおでこをくっけてたのだと、目の前にライの綺麗な瞳に覗きこまれた事で、それを知る。
「な、何?」
「君が先やった、仕返しだ。僕はこれでも怒ってる」
「そ、そう」
「迷惑か?」
「迷惑ってわけじゃないけど」
「では、何故目を逸らすんだ?」
「・・・顔近いし、話しにくいじゃない」
「ああ」
幾つか瞬きをしてから、状態をやっと呑み込んだらしいライは、ゆっくりと離れた。呆気なく、手を離され、瞬時に身を引いたカレンは、高鳴る鼓動を抑えるようにして、ライの顔を頬を染めたまま、睨む。
「突然なんなのよ。驚くじゃない」
「僕のほうも同じだ。それと、困る状況を作ったのは、君の方だろ。他にも、こういった手を使うとなると、心配になる」
「こういう手って、そんなこと一度だってやった、えっ?」
「皆には、僕のほうからちゃんと話しておく。だから、後は心配しなくていい。ではな」
どこかに怒りを含んだままそう言って、出て行ったライの背中をカレンはただ凝視するしかなかった。
[後半へ]
昼休み、生徒もまばらな廊下を歩く靴音は、二つ。
資料運びとして、両手に重い段ボールの箱を抱えるのは、学園では、お淑やかで身体の弱いと言われてるカレンで、病弱な様子はみじんもなく、力仕事になれた要領で、少しだけ先に歩いていた足をくるりとその場で振り返った。
「ライ、大丈夫?」
「ああ、少しは。しかし、前が見えないというのは、動きづらいものだな」
カレンよりも多く抱えたライは、前も見えない状況ながら、荷物を落とさぬようにと、カレンよりもゆったりとした足取りでついて行った。
無表情な顔に少しだけ狼狽の色が見えたそれに、カレンは、普段通りの顔で笑みをたたえる。
声だけは、届いたらしく、立ち止まったカレンの横に並んだライは、
「何かおかしいか?」
「えっ、ああ、うん。ちょっとね」
カレンへと用事を頼んだ先生は、ちょうど通りかかったライにも手伝うように行って、今、このように二人で運ぶことになっていた。
カレンの素の顔を知らない、学園の生徒や先生から見れば、誰かに頼むのも当然のことかもしれない。
「黒の騎士団にいるときは、一人でやらされるのが当たり前だから、こうやって誰かに頼られることってないから、おかしいなっと思っただけよ」
「ああ、そうだな」
「それは、それで嬉しいんだけどね」
「誰かに、守られるというのは考えないのか」
「ええ、守られるだけの御姫様は、駄目ね。私の性分じゃないし、やっぱりこうやって身体を動かして、皆と一緒に闘っているって実感してる方が、私らしいもの」
「それは、学園での君と今の君が違うようにか」
「そうね。だけど、自分で決めたことだから、それも仕方のないことなのよ」
「カレンは、強いんだな」
「そう、かしらね。そう意地はっているだけかもしれないけれど、これも私だから。前に進むだけよ」
カレンに追いつくようにして、横に並んだライが足を止めたその分だけ二人の距離が開く。そのことに気づいたカレンが、振り返る。
「ライ?」
「僕は、記憶以外のものは、しっかりと活用している。けれど、それでも、力が及ばないときはあるのかもしれない」
一つ間を置いて、ライは続けた。
「カレンが、一人で進めるうちはいい。けれど、もし、頼れる時、何かに弱気になった時は、誰かに頼った方がいい。僕も君の仲間だ。君の力になるつもりでいる。君でよければだけど」
その言葉は嬉しくて、カレンの口の端をふっと笑うようにつりあげる。
「ありがとう。…だけど、それ、あなたにも当てはまることだって、知ってた?」
「ん、ああ。確かに、言われた覚えがあるな」
「そう。おんなじ言葉、今の私も返すわよ」
そうして歩き出した時に、思いついたのは、カレンのほうだった。
「あ、今日って、確か、エイブリールフールよね」
「エイブリールフール。何の事だ?」
「嘘をついても許される日よ。生徒会の皆には、いつも、からかわれてるし、そうだ。たまには、こっちからも仕返ししとかないとね」
口の中でこぼすように小さく呟いたカレンの言葉に、僅かに反応を返す。
「仕返し?」
ライの問いかけに視線を向けたカレンが、意味深に笑った。
「お帰り~。今日も二人で、ご一緒とは、仲がよろしいことで」
「うんうん」
「そうですね」
にやにやっと笑みを浮かべて、ミレイとシャーリーとリヴァルが二人を見ると、此処でカレンが頬を染めたまま抗議して、からかうなっと怒るのだが、今日は、いつもと様子が変わった。
ライの二の腕をとって、腕に絡ませるようにしたカレンは、
「それは、恋人ですから」
と生徒会室に、爆弾を落とした。
「ええ~っ?!」
「本当かよ」
「えっ、いつから、知らなかったわ。聞かせなさいよ。どうやって恋人になったのか経緯を」
一瞬驚いたものの、喜々と食いついてきたミレイに、笑みを浮かべたカレンは、恥ずかしげに眼を伏せて、ライを見上げた。
「そんな、二人の事だし、すぐに言えるわけないわよ、ねぇ?」
「…カレン?」
カレンの突然の行動に驚いたのは、ライも同じで、何かと問う前に、先ほどの仕返しの言葉が脳裏に横切り、今の状況と一致した。言葉を開こうとする、ライの口元へと人差し指をあてて、カレンが片眼を閉じるしぐさをする。黙ってろっということか、口を閉ざしたライを、そのままに、再び、顔を見渡すように巡らせたカレンは、お嬢様の表情で、演技を始めた。
「だって、皆がひやかすから、なかなか話すのも言いそびれて、切り出せなかったのよ」
興味深々に二人の顔を交互に見比べるようにして、三人の視線が集まる。 ライの腕に腕を絡めたまま顔を隠すように伏せるカレンと、突然の事に戸惑いながらもそれに付き合うように黙ったままのライ。
突然の恋人宣言に興奮覚めやまぬ周りは盛り上がるばかりで、どれくらい続けるのかと問いかけるようにライが視線を向けて、あまり引っ張るのも後で悪いと思ったのか、カレンが「ってのは、嘘」と言おうとした言葉は、誰かが扉を開けた音に消された。
入ってきたのは、ルルーシュとスザクで、待ってましたとばかりに、二人に駆け寄ったミレイ達が、先ほどの真に受けた言葉を二人に話し始めた。
声をかけるカレンを置き去りにしたまま。
ルルーシュとスザクからも、驚いたように視線が向けられた後、気を利かすようにミレイが、
「詳しいことは後で聞くわよ。休憩がてら、此処は二人きりでごゆるりとしてなさいな。それじゃあね」
「ちょっとまだ話!、って、もう!、人の話くらい最後まで聞きなさいよ!」
扉の向こう側へと言葉を残したまま、二人きりとなったわけなのだが、
「……」
「あなたもそう思う、ラ、イ?」
わすがに俯いたせいか髪に隠れ表情の見えず、黙ったままのライが、カレンのほうへと近づいた。
「どうしたの? ライ、きゃ!」
ライの行動にカレンは訝しげに思ったのだが、腰を掴まれ、ライのもとへと引き込まれると、見上げたカレンの名前を呼ぶ。
「カレン」
やけに、普段よりも低い声と真剣なライの表情が近づいてきて、それに驚いたようにして頬を染めたカレンは、一瞬のことで逃げることも叶わず、目をギュッとするように瞑ると。
こつんと額に肌が触れて、おずおずとした様子でカレンが目を開けると、ライがカレンとおでこをくっけてたのだと、目の前にライの綺麗な瞳に覗きこまれた事で、それを知る。
「な、何?」
「君が先やった、仕返しだ。僕はこれでも怒ってる」
「そ、そう」
「迷惑か?」
「迷惑ってわけじゃないけど」
「では、何故目を逸らすんだ?」
「・・・顔近いし、話しにくいじゃない」
「ああ」
幾つか瞬きをしてから、状態をやっと呑み込んだらしいライは、ゆっくりと離れた。呆気なく、手を離され、瞬時に身を引いたカレンは、高鳴る鼓動を抑えるようにして、ライの顔を頬を染めたまま、睨む。
「突然なんなのよ。驚くじゃない」
「僕のほうも同じだ。それと、困る状況を作ったのは、君の方だろ。他にも、こういった手を使うとなると、心配になる」
「こういう手って、そんなこと一度だってやった、えっ?」
「皆には、僕のほうからちゃんと話しておく。だから、後は心配しなくていい。ではな」
どこかに怒りを含んだままそう言って、出て行ったライの背中をカレンはただ凝視するしかなかった。
[後半へ]
PR
この記事にコメントする