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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/09/02 (Wed)
勝負の行方の後のお話でオリキャラの男登場。
ノネット×ライです。
お話は、続きからになります。

拍手を送る

 

素敵な人攫い

 


 


「お嬢さん!、ではないな。美人さん!」


 格好はうまく繕えても、やはり口をひらけば、男だとわかるので、パーティーの合間は黙っているよう注意を受けだが、ライとて自分も周りの人も知らない者どうしてはいえ、恥ずかしい格好の正体を知られたくはないと、普段の倍くらいに無口になっていた。
 早々に立ち去りたかったのだが出来ず、こうして、運よくパーティーを抜け出して、離れたところ、まさか後を追って、さらに、声をかけてくるものがいると思わずライは柳眉を顰める。


「困ったな。なんと、呼べば振り向いてもらえるのだろう?」


 何処まで付いて来るのか、わからないが、このままでいる訳にも行かず、小さく息をついて、ライは振り返った。
 ウィッグと呼ばれる地毛に近い色の長い髪がふわりと空を舞って綺麗に翻ったが、ライの表情はその綺麗さと違って、至極無表情で、冷たい印象を与えた。


「やぁ」


 その表情を笑顔で受け止めた男は、ライよりも低く、声は男であるとわかるが、顔は中性的な顔をしていた。


「こちらに来た時から、気になっていて、話しかけるチャンスを窺っていたら、キミが部屋を出るのが見えたから、焦ったよ」

 
 ライよりも、スザク達と同級生だと言っても不思議ではない幼い顔立ちで好意的な言葉を言うのだが、本当の女の子なら嬉しいものであるのだろうか、ライは男なので、そこに好意も何もなく、パーティーで女の子に声をかけるものたちは他にも見ていたのはあったが、他にも、着飾った女性達がいただろうに、どうして自分なのかと、正体を知らずに声をかけてきた、彼に同情さえ覚えた。


「だけど、こうして二人きりになる機会を作れたのなら、追ってきてよかった。ああ、つい、引き止めてしまったけれど、この後、急ぎの用でもあったのかな?」


 口開いて、言ってしまおうかと思ったが、喋れば正体はバレてしまう。
 面識のない人間の前でもこれ以上恥を晒したくはないと思うのだが、相手はそうはいかないらしい。


「僕は、カルヴィン・オールディス。君の名前を教えてくれるかな」

「・・・(ノネットさんの客人であるのだが、失礼なまねはできない。困ったな)」

「黙ったまま見つめられるのも悪い気はしないが、君の名前を知りたい」


 こういった人物は、口をきいくれるまで付きまといそうだと、あのまま正体を知らずにいれば済んだものをと、相手と自分の運の悪さに密かに溜息をついて、閉じた瞳を開いて横向いた身体を話しかける相手のほうへと身体を向けた。


「ライだ」


 声を聞いて、相手の驚いた表情を目にしても、言葉を続けた。


「ライ、僕の名前だ。声でわかるとおり、残念だか男だ。貴方をだますつもりはなかったけれど、気分を害したのなら、謝る。だから、女性を相手にしたいのなら、パーティー会場に戻るべきです。では、失礼する」


 そう言って一礼して、背中を向けて歩き出そうとしたところ、聞こえてきた笑い声に驚いたようにして、ライがまた振り返った。


「はははっ! ライ、ああ・・・ライ。そうか。ノネット君が話していたのは、君の事だったのか。納得したよ」

「ノネットさんを、ご存知なんですか?」


 ライの問いかけに、男はふっと口の端を上げて目を細めると、


「そりゃ長い付き合いだからね」

「失礼ですが、どういった御関係で?」

「その様子だと、聞いてはいないのか悲しいな。残念だけど、ただの友人だっといっておこうか。彼女がどう思っているのか聞いた事はない。僕はそうだと思っているだけれどね」

「(友人・・・)そうなんですか」


 コーネリアとは友人関係であるとは前にも聞いたことはあったが、ノネットから他にそう言ったことを聞いたこともなかったライだったが、ライが聞けばある程度話を聞くことも出来ただろうに、そう思うだけだった。 

「しかし」


 次の瞬間、背中が壁に当たって、ライは息を呑んだ。素早い動きで、壁際へと手をつくように逃げ場をふさがれた事を知ると共に、下から、見上げるように男に顔を覗きこまれた。


「こんな、秘蔵を隠していたとは。ノネット君も悪いお人だな。貴公とノネット君はどういう仲なのか、興味がある。一つ話を聞かせてくれないか」


 金色の瞳が悪戯げに細めるようにして、口端を吊り上げる。


「私の屋敷内で、勝手な振る舞いをしてもらっては困るな。オールディス卿」


 声のほうを見ると、ノネットが其処に立っていた。微かにちっと舌打ちする声が耳を掠めたが、それ以上の反論はなくオールディス卿と呼ばれた人物が両手を挙げて、すんなりとライから離れた。


「客人であるのに、扱いがひどくはないか」

「呼んだ覚えはないぞ。しかし、何処から聞きつけたのか、お前を探して何人の女性が何人か私のところに尋ねてきた。彼女達をこれ以上不安にさせないためにも、会場に戻って置いたほうが良くないか」

「心配ご無用。彼女達はまた会えるから、問題ないさ」


 耳を潰すように、ノネットがライへと近づく。


「ライ、何かおかしなことをされなかったか?」

「いえ、特にはないですけど」

「そやつの前で油断はするな。彼は、女性と見つければ誰にでも食いつくほどの女色だ」


 ノネットの言葉に、男は困ったように笑いながら、


「ノネットの視点だと、僕が見境のないやつのようだな」

「違うか?」

「彼女達が求めてるから、答えてるだけなんだけど、否定はしないで置くよ」


 女色だと言われても、ライの性別は女性ではない。だから、余計にライは困惑した。


「女性相手って、僕は男ですよ?」

「男といえどだ。こいつは、気に入ったものには、手を出す悪癖がある。変わった趣向を持っているのだと、軍の間では有名な噂だ」

「ひどいな。僕よりも上がいると十分に熟知してある方だよ」


 ノネットにそう言われながらも、カルヴィンは否定はしてなかった。
 そういいながら、困ったように自分を指す、カルヴィンは、誰から見ても、悪癖があるような人には見えなかった。


「ところで、そろそろ二人の関係性について、訊ねてもいいかい?」

「聞いてどうする」

「そ知らぬふりはもう出来ないよ。エ二グラム卿。貴公が大切に隠している彼のことさ」


 ノネットの斜め後ろにいたライと視線を合わせると、カルヴィンは面白そうにに目を細めた。


「こやつの秘めた力、ライの力添えに少しは役立てるかと思っていたのだが、此処まで早耳だとは」

「秘めた力とは、なんですか?」


 ライの問いかけに振り返ったノネットが、


「彼も、お前と同じかはわからないが、お前が危惧する力を持っている。と言っても、心を読む力だと聞いた事がある。主に、戦闘時などの必要なところでしか、使ってはいないようだか、本当かどうか怪しいものだ。お前の力の暴走を止める手立てになればと、いずれは紹介するはずだったのだがな」


 二人の視線を受けて、人当たりのいい笑顔を向けて、カルヴィンが口を開いた。


「逢わせようする前に、此方から会いに来た」

「とまあ、そうだ。お前には、必要のないことだったな」

「改めて、ライ。自己紹介をしよう。ナイトオブブラウンの一人、ナイトオブファイブ。カルヴィン・オールディスだ。お堅い肩書きや敬語を使わず、カルヴィンと、そう呼んでくれないか」


 馴れ馴れしく接する人は他にもいたのだが、カルヴィンもその類なのだろう。最後らへんの言葉では、握手を求めるように手を差し出した。きょとんとするライはカルヴィンとその差し出した手を交互に見て、握手を交わそうとするとノネットがそれを止めさせた。顔を向けたらいに首を横に振ってまで。それに、気を悪くすることなく肩をすくめるように、カルヴィンは腕を下ろすと、自分のほうからライの元へと歩み寄ると、
 

「ああ、本当に胸は詰め物なのか、やっと好みのタイプを見つけたと期待した分、残念だ」


 ライの胸にある詰め物を両手で、優しく強く揉む様に触るのに、ライは戸惑う。ライが何か言おうとする前に、ノネットが口元をライの耳へと寄せて、


「ライ、余計なことを口にしない方がいい。こいつを煽るだけだ。それから、カルヴィン、作り物と言えど無遠慮な行いは控えろ」

「女性相手だったら、そんな真似はさすがにしないけど、男なら困ることはないだろ」

「困っているだろ。現に、スザクやジノから、お前からの苦情が私のもとまで届いているのだぞ」

「何だ。バレていたのか」


 作り物と言えどやはり男に胸をもまれているのは気分は良くないので、やっと離れた手に、ライは安堵の息を漏らした。


「ライ、パーティーはもうすぐ終わる頃だ。ひとまず先に着替えて待っててくれないか」

「はい。あ、パーティのほうは?」

「よいよい。後はメイド達に任せることにしよう。お前の顔に疲労の色が見えるからな。今日はこの辺にしておこう」


 ライの顔を覗き込むように口元に優しい笑みを浮かべるノネットに、されるがままにライは頭をよしよしとするかのように撫でられていた。


「ノネットさん・・・」

「ふーん。では、恥ずかしそうな顔も此処で見納めになるのか、残念だ。しかし、その服は着るのも大変そうだが脱ぐのにも手間がとりそうだな。ああ、そうだ、素顔を拝見したい。僕が一つ手伝おう」


 カルヴィンの言葉に一刀両断して、ノネットが言った。


「必要ない。ライ、行くぞ」


 外見で見れば、カルヴィンの方がノネットよりも年下に映るのだが、二人の話ぶりが見ると同期のようだ。
 カルヴィンだけを置き去りにして、ノネットがライの手を引くようにして連れて行ってしまう。
 ライが振り返ると、気づいたようににこやかな笑顔で手を振られた。それもライがのネットのほうへと向いてしまうと、止むのだが、カルヴィンはそれを見送ることなく踵を返して、歩き始めた。


「ノネット君が、何故匿うのか一つ見えたな。これは面白くなりそうだ」


 何考えているのかわからない笑顔を浮かべて、カルヴィンは呟いていた。


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