苦労さえも貴方の笑顔で

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バレンタイン後の甘々目指して、ナナリー視点の
ナナリー×ライです。
お話は、続きからになります。

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苦労さえも貴方の笑顔で



　甘苦いバレンタインデーが過ぎ去ってからも、私達の生活は変わらない。
　ライさんが、必要以上に女の子に、それも年上から年下まで幅広くチョコレートを貰っていた事実を咲世子さんから聞いた以外は特に真新しい刺激はなかった。
　実際、女の子だけに留まらずお兄様やスザクさんからも貰っていたことには納得していたけれど、新しく入ったばかりのジノさんやロロさんまでもが、ライさんに好意を寄せられていた事は寝耳に水だった。


　誰がなんと言おうと、ライさんの恋人は私なんです!。


　おおぴろげに宣言してしまいほどに、恋人のライさんは兎に角モテる為に、ほかの人に略奪や横恋慕されてしまうのでは気がきでないことなど、天然で鈍感なライさんには私でも困り果ててしまう。
　お兄様がライさんには苦労尽きないと言った言葉の意味を思い知るように私は実感していた。
　のだけど、表面上至って可愛い妹を装っている私の醜い独占欲は今のところ、ライさんに気づかれていないよう、影で咲世子さんを使って周りに敵を排除している事で発散されている。
　それは、周囲への唯一の私からの仕返しだった。

そんな密かな努力を知らずに、今日も私の部屋にまんまとやってき、訪れたライさんは、私に貴重な笑顔を見せてくれる。
　クールで無表情がライさんの一般的ないつもの表情だけど、時折垣間見せる目を伏せるようにして照れた顔だとか、頼りなげに眉を下げた困った顔など僅かながらの色んな表情は、残念なことに私の目には映らないけれど雰囲気だけは感じ取れる。

　この笑顔を守るためなら何でもやろうと思った私の決意は、この一瞬ですべての想いが報われた心情に落ちいる。


続く