----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
トドメを刺しに来ました
目覚めた場所には、石のように硬く冷たい地面と柱だけで、後は、ライの頭上より高くにある僅かに空を覗かせる小さな窓から、今は夜だと表すようにささやかな月の光を差し込むだけで、ただ広い空間には薄暗い景色しかなかった。
あの瞬間助かることはないだろうと思っていたのだが、まだ意識は現実へと戻っていた。
覚醒した意識と共に疼いたわき腹が鈍痛を齎す。しかし、刺された腹には治療跡と思わしき包帯が巻かれてあった。
命だけは免れたらしい。
目の前に起きたことが夢としても思い起こされ、自分の命を狙ったあの少年の事を思い出していた。
神根島には他の軍人もいたのだが、あの少年はその軍人達とは別に単独行動であった。
ひょっとすれば彼が自分の過去に関わり合いのある人間で自分を追いかけてきたのか、ライが逃げてきた研究所から送り込まれたものなのか、そもそも敵なのか味方なのか明確なことはハッキリしてないにせよ。
頭より上へと固定された手首は繋がれたまま、動かしても鎖の音が冷たい地下のような場所で反響するだけ、捕まって拘束されている事だけはライにも理解できた。
殺されずに生かされたことを運が良かったと捉えるか、何らかの目的で研究所にいた頃のように自由の利かなくなったことを嘆くべきか、どちらにせよ。
コツコツと近づいてきた足音共に、ライは銀の瞳に強い意思を灯して見極めるように前を見据える。
おそらく、此処に拘束した人間は再び目の前に現れるだろうと妙な確信を持って。
「兄さん」
目の前に、虫も殺さないような大人しい容姿をした少年の瞳が安堵するように明るめの紫の瞳を細めて、ライに向かってそう言った。
おそらく、この少年が自分を此処へ連れてきたのだろうと、自分を兄と呼ぶ少年へと訝しげにライの眉を細めるのを見て、少年こと、ロロは、口の端を引き上げるのだった。
続く