まだ手をつないでいける

冷たさが暖かさに変わるまでの続きで
C.C．×ライです。
お話は、続きからになります。

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まだ手をつないでいける




「良かった。私一人だけで楽しんでたらどうしようかと不安になって、ライも少しだけでも心残りになれたのなら、同じなんだなって思って嬉しくて」

「遊園地はどうだった」

「はい!。見たことのない乗り物に沢山乗って、それから美味しいものを食べたり飲んだりして、家ではできない経験をいっぱいしました」


　嬉しそうに語るC．C．に、ライも目を細めてみていたのだが、空に一瞬光が瞬いた。
　何かと思って二人視線を向けると、地上から空へと昇り行く光は、空で大輪の花火を咲かせていた。


「わぁ～、綺麗!」

「花火・・・」


夏祭りの日に生徒会の皆で見た花火を思い出してか、ライは懐かしさに小さく口にすると、隣で暖かいぬくもりが触れた。
　C．C．がライの手に自分の手を重ねて寄りかかるのが目に映る。


「今日、来て良かったです。こんなに楽しい時間作ってもらえて、幸せでした。でも」

「？」


　パンパンと打ちあがる花火の光が、窓の外できらめく中、二人は見つめあう。


「ライと一緒だから、より楽しさも倍に、幸せも二倍になるんだと強く意識しました。やっぱり、私は貴方の傍がいいです」



　ライは灰青の目を見開いてC．C．と名を口にする。
　その綺麗な瞳に吸い込まれるようにC．C．は、熱を帯びた瞳を近づけて耳元に囁いた。


「To love you more.」


　ライからの返事はなく消えてしまったけれど、抱きしめ返してくれた腕はC．C．は忘れられずにいようと思った。

　花火後の余韻を残したまま、仲良く手を繋いだ二人の一日は静かに夜の侵食と共に、過ぎていくのだった。