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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
励みに頑張ります。久しぶりにノネットのお話。
お持ち帰りのノネットエンドのその後の話、翌日。
ノネット×ライです。
お話は、続きからになります。
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「ライ・・・・ライ・・・」
水面が波紋に広がるように、誰かの呼び声が聞こえてきた。
どこか懐かしく離れがたい声だった。
「ライ」
顔に当たる眩しい光にうっすらと目を開くと、ぼやけた視界から夢から覚めたことを自覚する。
カーテンのはためく音に目を向ければ、温かな日差しを背に微笑を浮かべ顔を覗き込む女性の顔が映る。
「おはよう」
軍人の女性らしい賢さと好戦的な強さ、そして女性らしい懐の深さと暖かさを兼ね備えた年上の女性、ノネットの姿がそこにあった。
「ノネットさん、どうして部屋に」
寝ぼけた頭で思わず、何故ノネットが朝から自分の部屋にいるのかと疑問を抱いたまま掠れた声で問う。
だが、いつもの部屋とは全く違う光景を見回すライに、ノネットが声をかける。
「ん? 私の顔を見ても何も思い出せなくなったか?」
「此処は、あ・・・」
アッシューフォード学園の理事長の孫であるミレイや他の皆の元から離れて、ギアスの発動により僅かながら記憶を呼び覚ました後、これ以上巻き込まないようにと跡形もなく消え去ろうとしていたのをノネットに発見され、洋館で部屋まで分け与えてもらい居候する身になったことを思い出し、誤解した自分に反省するかのようにライは長い睫で目を伏せる。
「おはようございます」
屋敷の主であるノネットにまずは朝の挨拶を返すままに、横になったままでは失礼だろうとライは上半身を起こした。
乾いた音を立て柔らかな髪が、起こす動作にあわせて揺らぐ様は思わず触りたくなる。
キラキラと光の反射によって光沢をます銀色の髪、瞬きを繰り返す間に見える澄んだ瞳、整った顔に影を作るように額に男と思えぬ優雅な仕草で繊手を押し当て考え込む様子に、ノネットは手を伸ばしたくなる衝動を押さえた。
一つ一つの動作が洗練されているというか、貴族に似たものを感じつつも、家柄は自分とは違うもっと高い身分のように感じるのは、戦い方や知識はあるものの、普段生活する上での一般の事には疎く恋愛事にも慣れた様子はない。
記憶喪失が一番そこに絡んでライの本質を隠しているのもあるのかもしれない。
が、体が弱いわけではないのに、日に焼けたことのないほどに白い肌や華奢な体もあるのだが、彼の持つ雰囲気が消えてしまいそうなほどに儚く、神秘的な空気があるからだろう。
この場にいるのにどこか遠くにいるようなそんな不思議なものをライは持っている。
そんなところについ庇護してしまいたくなるものだから、こうして構っているのもあるのか。
いや、人を頼ろうとしなく孤立しようとするライの性格もそれに関係するのかもしれなかった。
「まだ目ぼけているようだな。顔を洗ってくれば、頭もすっきりする」
いつも外向きにはねてるライの髪が、一部寝癖をつけて可笑しくなっている事に、笑うようにして手を伸ばしたノネットが、頭を撫でるように触れる。
指の隙間からサラサラとしたライの髪が猫毛の様に絡むことなく滑っていく。それが癖になるくらいに触り心地の良いものに、ノネットは嬉しく目を細めるのだ。
「髪も鏡を見て直してきたほうがよさそうだな」
どことなく優しさを含んだ明るい声で言ったノネットを見上げるものの、何故そうするのか理由はわからずとも、気に入った様子であるのには気づいてライは大人しくしていた。
妙に心がくすぐったいものはあるが不思議と嫌ではなかったのは、ノネットが本当に嬉しそうに笑うからだろうか。
向けられる笑顔の意味が、ライが気を許していることに喜んでいることとは知らず、ライは見つめ返す。
その目が真意を探っているというよりも、慣れない事にどこか戸惑いを浮かべているのに、ノネットはまた可笑しくなって笑みを深くさせるだけだった。
続く