ワルディーの昼下がり

BLライ受け投票へありがとう!
年下攻めもありかと思いまして、
幼少期ルルーシュ×騎士ライです。
お話は、続きからになります。

拍手を送る

ワルディーの昼下がり




ウェーブへアーの小さなツインテールと、束ねられたリボンが揺れる。


「お兄様～! こっち」


　無邪気に笑う妹の傍で、もう一人の女の子が手招き、長いピンクの髪をなびかせるようにして走り去っていた。
　二の句もなく始まった追いかけっこに一人、黒髪の少年が遅れながらに、ぜぇぜぇと息切たまま後を追う。


「ま、待て・・・」


　自分よりも体力のある従姉妹のユーフェミアと妹のナナリーの姿に紫の目を疲れたように歪め、立ち止まった両膝に手をつくようにして休憩を入れる。


「ルルーシュ、早く!」

「お兄様」


　二人の女の子の後ろには、微笑む黒髪の女性、母であるマリアンヌが見守っている。
　後は、自分もそこにたどり着くだけだと、ルルーシュもようやく疲れを残した足を前へと進めていくのだけど、呼び声が違う声に変わっていた。


「お兄様!?」

「ルルーシュ、逃げて!!」


　二人の驚きの目を目にしたのと、響くように駆けて来る足音に振り向けば、一匹の馬が迫りくるように走ってきた。
　何処からか逃げたしてきたのだろうか、いるはずの背中には人の姿はなく、ただ暴走しているのだけは理解できた。
　そこで瞬時に逃げればよかったのだが、予想外の事に、ルルーシュは目を見開いたまま動けずにいたのだが、


「お怪我はありませんか?」


　地面にぶつかった衝撃に一瞬目を瞑ったが、それは馬に体当たりされたものではなく、白い肌に浮かぶ銀色に目を奪われるままにルルーシュは凝視した。

　自分よりも大きな青年は見たことのない毛色を持っていて、彼に助けられたのだと瞬時に察するのだが、此処から彼と自分が主従関係になるまでは予想ついていなかった。


[留め]