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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/06/02 (Tue)
アーニャとライとの関係を書きたくなって、書いてしまいました。
この二人で関係を妄想するのは、書くのも読むのも個人的に好きで、気持ちが楽しくなります。妄想って、気持ちも豊かになりますね。

アーニャ×ライです。
お話は、続きからになります。

拍手を送る

 

主従恋人 「主と出会う前のこと」



 大きな長い廊下を歩く足音は小さく、歩くたびに揺れる柔らかなピンク色

の高く結った髪が肩越しに弾む。
 視線は、前ではなく、下がった視界に映るのは、ディスプレイ。撮った写

真を転送して、音を立てて、携帯カメラの電源を切ったのは、扉の前に来て

からだった。


「ナイトオブシックスの、アーニャ・アールストレイムです。ただいま、到

着しました」


 了解の言葉を貰い、アーニャは、ドアノブに手をかけた。


「やあ、今日呼んだのは、他でもない。アーニャ、ナイトオブブラウンズと

して、誰かの専属の騎士になる事は、定められたことであると同時に、君達

の誇りである。それは、避けられることもなく、必ずしも通る道だというの

は、理解できているね」

「はい・・・」

「君の専属が本日付で決定されたよ。彼が、君の主だ。詳細は、こちらに記

してあるから、目を通しておいてくれ」


 そう言って、人当たりのいい穏やかな顔を浮かべて、シュナイゼルは、書

類をテーブルに置いて差し出すようにアーニャの前へと動かした。


「君は、これから、彼の騎士となる。それは、彼の命令によっても、君の判

断によっても、彼を守るべく盾となり、剣として、彼に忠誠を尽くすんだ。

まだ、専属を持つには君は若い。だが、何処まで出来るか、皆が、君の活躍

を期待しているよ。周囲に一人前と認められるよう、頑張りなさい」


 渡された書類には、その人物のデータと顔写真が記載されてあった。
 よく知ったその顔を、見つめるその瞳は、何かを思うようで。
 

「では、報告があれば、また君を呼ぼう。今日は、此処までだ」

「イエス・ユア・ハイネス・・・」


 いつもどおりの平静な表情で、びしっと、文字通りの敬礼をして、書類を

手にしたまま、その場を後にした。





 
 追いかけずとも、その姿は自然と目に付いてしまう。
 それは、興味のある対象物であると同時に、心を許しているからだと最近

、気づき始めた。
 彼の手に持った如雨露が、雨でも降らすように花達を濡らしていく。 
 水滴を地面へと落として、花は、太陽の光を受け、栄養を貰って命の輝き

を増すかのように、喜びにきらきらと輝く。


「ライ」


 声をかけると水やりが止まって、光を浴びて、眩しいほどの綺麗な髪が、

振り返るようにして動くと、透き通るような神秘的な冷たさを秘めた銀色の

瞳が、驚いたようにアーニャを見る。


「アーニャ・・・」


 一瞬は、他のもの達に見せる表情だけれど、やがて、青眼へと変わるのが

、見えて、アーニャの心を熱くさせた。
 近づいた足で、見上げるように、仰いだ瞳でライを見つめる。
 花の香りが微かに、鼻をくすぐり、周囲の空気に溶け込んで、風と共に、

二人を包み込む。

 何の言葉もなく、ライの、細く白い指が、アーニャの髪へと伸びた。
 髪へと梳かすように、滑らかに流れゆくさまは、目を見張るようで、ぬく

もりを感じる余韻もなく、あっけないほどに離れてしまった手を、アーニャ

の瞳が無意識に追いかける。
 物寂しく、僅かに瞳を伏せたことに気づいてか、ライが小さく笑った。


「見間違いかと思ったけど、よく見ると違うものだな。何処で貰ったんだ」


 何と問いかけるように、見上げると、微かに握った手のひらが、アーニャ

の前に見せるようにして、開いた。
 中にあったのは、ピンクの一片の花びら。
 アーニャの髪色よりは、淡い色合いをしていた。
 いつの間に付いたのだろうという関心よりも、それで触れたのだと知った

事少しの落胆して、それから、ライの手の中にある花びらが、妙に綺麗に見

えるのが、とても興味を惹いた。


「それ、私が手にとって見ても」

 
 拒否することはないと知って、アーニャがライにそう言うと、もの惜しげ

に見ていたことに気づいてか、ライは無言で、手を伸ばした。
 差し出すように、アーニャの開いた手のひらに、そっと触れるように花び

らが手のひらに音もなく降りた。
 ようやく、ライの手から、自分の手の中に移って、もう一度、花びらを覗

き込んだけれど、不思議なことに、ライの手の中で、あんなにも綺麗で興味

を惹いたそれが、色あせてしまったように、アーニャには見えた。
 どうしてだろうと思いながら、太陽に翳すようにして、もしくは、裏返す

ようにして見方を変えてみても、やはり他と変わらないただの花びらにしか

見えない。


「・・・変わらない」

「?」


 手のひらに戻して、包み込むように握った手を開くと、風に飛ばされるよ

うに、花びらがふわりと浮かんで流される。もはや興味をなくしてしまった

それを見送っても追いかける気力もなく、それよりも、気になるのは、目の

前にいる存在で、ライへと視線は移る。
 此処に来る前、話すことがあったと、思い出すようにして、アーニャ口を

開いた。


「先日、殿下に呼ばれたの」

「呼ばれたというのは、また何か、遠征か?」


 アーニャが、ゆるく首を振って、


「違う。・・・私が専属の騎士に選ばれたと、聞かされた」


 ナイトオブシックスの地位である、アーニャにも、いづれは誰かの直属の

騎士になる。そういう命が下る事も、ライにもわかっていた事で、反論でき

る言葉もない。


「・・・そうか。因みに、君が専属となった、主人の名前を聞いてもいいかい

?」


 このことは、ライにも知ることになるが、わかることならば、アーニャは

、自分の口でそれを伝えたかった。


「ライ・・・」


 不意に名前を呼ばれ、銀の瞳を瞬かせたライに、アーニャは継げた言葉は

、ふわりと吹いた風に流れるように、言葉を乗せた。


「貴方よ」

「えっ・・・」


 さわさわと木々の葉を揺らす音が耳に入っても、アーニャから、視線が逸

らせず、聞き違いかとライは一瞬疑うのだが、アーニャの表情は変わらずと

も、瞳は真剣で、聞き違いではなく本当なのだと知った。


「貴方は、私の君主に選ばれたの」

 
 その日、アーニャの恋人は、同時に主人にもなった。
 これから、二人の新たな関係が始まるように、花畑から、二匹の蝶が戯れ

るようにして、空へと舞う。


続く

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