コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
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★ お気に入り
★2009/10/13 (Tue)
Girls Dream of bubble・Ⅵ 乗り越える努力
ミレイ達に誘われて街へ出かける事になったライは、何故こんなことになっているのかと自分の現状に溜息をつきたくなった。
「こっちなんかは、どう? 似合うと思うけど」
「そうですか。わたしは、こっちの服の方が、可愛いと思いますけど」
付き合うというなら、買い物ぐらいだと言うのはわかってはいた。
アクセサリーから、靴や服まで、自分の好みや似合うものを見つけて、試してみたりと、見るのだけでもお買い物というのは、楽しいものだというのは、ミレイ達の様子を見ればライにも理解は出来た。それが時間を忘れるほどに、女性の心を夢中にさせるものだということも。
関心のない人には、酷く退屈な時間であるのだが、わざわざその楽しい時に水を差すことはなく、さまざまな流れ行く人や品物をぼんやりと眺めるようにして、戦場とはかけ離れた穏やかな時間をのんびりと過ごすのも悪くはないと、待っていることに苦にはならなかったのだが、その時間も長くは続かなかった。
「ライは、どっちが好み?」
いつの間にか、彼女達の買い物ではなく、ライの私服選びへと変わっているのはいかがなものか。いや、本来の目的が、そうであったのだろうッと、笑う二人を見て、ライは把握するのだった。
ベンチから、洋服囲む場所に椅子へと連れてこられて、ミレイとシャーリーがハンガーにかけられた新品の洋服を、ライへと見せ付けるようにして、どれがよいかと訊ねてくるのだ。
勿論、彼女達の着る服であれば、ライから一言でも助言なり褒め言葉なり、口に出せるが、自分の着る服となると話は変わる。
光沢のある長い髪、困ったように下げられた柳眉の下には、瞬くたびに見える銀色の瞳は光の反射で輝いて見え、小さくて形のいい唇から吐息をこぼすようにして閉じられた口元は桜色に彩ってあり、白い肌に映える。
生徒会の女性陣の中では、長身ながら華奢な身体にあった細い手足が綺麗にそろえてある様は、モデルのようだ。
通り過ぎる際にも、知らぬうちに人目を引くほど綺麗な女性であるのは明確で、世間から見ればその認識で間違いはないのだ。元は男だと知らなければ。いや、正しく言えば、身体だけ女になったと信じがたい事実を知らなければ、そうであろう。
見かけ、以前は男だったと通常は信じてもらえない事なのだが、たとえ外見が変わっても、ライは男であることを捨ててはいなかった。
なので、ミレイ達の選ぶ女性の服を着るのには、少なからず抵抗があるのだ。
当人が望んでこの身体になったというのなら、今与えられてる選択肢に戸惑うことはない。中身も元から女性であったのならそうだ。
「・・・それは、ミレイさん達が着るほうが似合うように思うのだが」
「駄目よ。今日は、貴方の私服を選ぶことに決めてるんだから」
シャーリーへと向けると、同意するように頷いていた。彼女達の中では、
ライの私服選びは決定事項とされてるらしく、そして、最初から目的はコレなのだと思い知らされる。
「僕をどうしても、そっちの道に引き込みたいようだな」
「何言ってるのよ。制服だけじゃ、困るでしょ。私服も何着か持ってたほうがいいと思って連れてきたのよ。前の服だと体に合わないから、あ、勿論、私服も含めてわたしからのプレゼント」
嬉々と語るミレイ(シャーリーも含めて)は、やはり、自分が楽しいのだと表情が物語ってる。昔していたのかは知らないとはいえ、人形にするような着せ替えをライで試したいだけなのかもしれない。ライの心情を察しているものが此処にいるのならば、思わず同情したくなる光景だろう。だが、ミレイが言うように、私服も含めてということは、他にもライ専用で買うつもりなのだろうかと、ライの気が一層重くなった。
「私服の事は、特に、困る心配は」
「ないとは言わせないわよ」
私服を以前ミレイから頂いた男物の服で、誤魔化そうとしているのを、読んだかのように続けて言う。
「今も制服に抵抗があるのわかってるんだから、私服のうちから、慣れさせておいていけば、自ずと制服にも抵抗感なくなるわよ。いい機会だから、女である間に試してみなさいよ」
にっこりと微笑んだミレイがずいっと突き出すように、ライに洋服を向ける。ライが洋服へと視線を向けると、涼しげな青の上着の下には、白の短いスカートがあった。因みに、シャーリーのは、上は動きやすくていいものの、下は脚を晒す短パンだった。それらを見ながら、ライは言った。
「慣れてしまえば、その後が怖いだろう」
嬉々と鏡の前で女装をすることに抵抗感がなくなり、楽しむ余裕まで出来てる自分の姿を、簡単に脳裏に浮かべてしまい、げんなりとライの表情には暗影を背負う。
確かに、男に戻ったときに、女装の癖が治らなくなってしまったらと考えるだけ恐ろしいことなのだが、それは、ライがそう思っているだけで決して似合っていないとは言えない。寧ろ似合っているから可笑しくはないのだが、それはなんとしてもそれは願い下げだとその不安がライの表情に出たらしく、シャーリーがフォローのつもりなのだろうか、こんなことを口にした。
「まぁ、学園祭の時にうちの学校で、女装に目覚めちゃった人がいるし、仲間がいるから怖くないよ」
「そういう問題だろうか」
フォローにはなっておらず、ライの不安を一層あおる形となった事に気づかないまま、シャーリーは笑顔で。
「大丈夫だよ。例え、そっちの道に進んでも、見捨てたりはしないから」
「いや、そうなる前に止めてくれ」
なんとしても、此処を避けたいと願うライの思いも虚しく、ミレイが問いかけたのは、
「それで、質問に戻るけど、好みはどっち?」
話が元に戻っていた。それだけに飽き足らず、選んだ服についての良さを、二人が語り始めた。
「絶対、こっちの方がいいと思いますよ。ライの綺麗な脚を強調して、後は、動きやすさを重視したほうが、記憶探しの時にも出歩きやすいじゃないですか」
シャーリーの言葉にライは思う。動きやすさを重視するのは、納得できるとして、何故、脚を強調する必要があるんだと。
「それだと、スカートに抵抗が残るままじゃない。此処は、清潔感と可愛らしさを引き出すように、最初にスカートを選ぶべきでしょ」
それに対当するように、ミレイの方は制服と同じくらいの短いスカートをおすすめとばかりに押してくる。ライに意見を求めるつもりが、何故か二人だけのいい争いへと発展していた。もはや、ライに口を挟む暇もない。
「・・・・」
それにしても、自分が着るわけではないというのに、何故こうも他人の私服について、熱くなるのだろうと、ライは思った。
それは、女の子の中に存在するお人形を自分好みに着せ替えをさせる時の楽しさと似てるものがあるからだろう。
だが、この場にいるライだけは、その気持ちに理解は出来ず、当人を目の前に二人のやり取りは加速していくばかりで、ライの口から自然と溜息がこぼれた。
そういえばと、伏せた視線を上げて、此処まで同行していたニーナの姿を探す。アーニャも来たそうにしていたが、軍の仕事があるらしく、後ろ髪を引かれる思いで生徒会を後にした為、此処にはいない。
が、少なからずニーナは味方であることを祈るように、辺りを見回すと、ニーナがライ達のいる方へと駆け寄る姿が見えた。
その手には、服を持っていた。服へと視線を捉えたまま、もしやとライは嫌な予感を覚えるが、気のせいだと思うことにした。
「ごめんなさい。色々迷ってしまって、? どうしたんですか? ミレイちゃん達」
「まぁ、ちょっとしたことだ。それよりニーナ、その服は?」
ニーナの持っている服がニーナが着る服なのだと確かめるように、問うと、頬を染めたままにっこり笑みを浮かべてその服をライへと見せた。
「はい、ライさんの私服ですよ」
期待はもろくも、打ち砕かれた。ライの影を落とした表情に気づくこともないまま、ニーナは嬉々と語る。無論其処に、悪意はない。
「ライさんの着る服を選ぶからでしょうか。夢中になってしまいました。いっぱい見てどれがライさんの似合うものかを厳正しながら探しまわったせいで、時間がかかってしまいましたが、その中から何着か選んできました」
「そう、なのか。それで、ニーナは何を選んだんだ?」
ひくひくと口の端がひきつけを起こしながら、ライが出来ればズボンをと救いを込めて問いかけてみると、それに気づいた様子もなく、ぱぁっと花の開いたように喜んだ。
「制服のスカートは短すぎるから、ライさんの気持ちを考えて露出するのを抑えて、これならと思ったんですけど」
上下の繋がったワンピース、スカートではあったが、ロングのほうだった。
女性の私服をもし選ばなきゃいけない状況であるのなら、私服のときはズボンをはきたいと思うのだが、その気持ちはニーナにも、届いていなかった。女性には、もしくは女装癖がない限りは、足元からスースーと風の抜ける感じは居たたまれなくなる。それが、ライの意思に反して似合っていたとしても、ずっとスカートをはくというのは精神的にきつい。
結局、ライの選んだものを含めて、女性陣の選んだ服を全て買う結果になった。ライがお金を払う前に、ミレイがプレゼントと言った通り、金額を確認する暇もなく、ミレイが買い占めてしまった。
予算の事の心配よりもミレイの言葉に、目を見開く。
「どうしてもお礼がしたいなら、その服を着て見せること、いいわね」
プレゼント、その意味はそういう魂胆らしい事を知って、ライは服の入った紙袋をなんとも言いがたい表情で見下ろす。その表情は、暗かった。
[留め]
ミレイ達に誘われて街へ出かける事になったライは、何故こんなことになっているのかと自分の現状に溜息をつきたくなった。
「こっちなんかは、どう? 似合うと思うけど」
「そうですか。わたしは、こっちの服の方が、可愛いと思いますけど」
付き合うというなら、買い物ぐらいだと言うのはわかってはいた。
アクセサリーから、靴や服まで、自分の好みや似合うものを見つけて、試してみたりと、見るのだけでもお買い物というのは、楽しいものだというのは、ミレイ達の様子を見ればライにも理解は出来た。それが時間を忘れるほどに、女性の心を夢中にさせるものだということも。
関心のない人には、酷く退屈な時間であるのだが、わざわざその楽しい時に水を差すことはなく、さまざまな流れ行く人や品物をぼんやりと眺めるようにして、戦場とはかけ離れた穏やかな時間をのんびりと過ごすのも悪くはないと、待っていることに苦にはならなかったのだが、その時間も長くは続かなかった。
「ライは、どっちが好み?」
いつの間にか、彼女達の買い物ではなく、ライの私服選びへと変わっているのはいかがなものか。いや、本来の目的が、そうであったのだろうッと、笑う二人を見て、ライは把握するのだった。
ベンチから、洋服囲む場所に椅子へと連れてこられて、ミレイとシャーリーがハンガーにかけられた新品の洋服を、ライへと見せ付けるようにして、どれがよいかと訊ねてくるのだ。
勿論、彼女達の着る服であれば、ライから一言でも助言なり褒め言葉なり、口に出せるが、自分の着る服となると話は変わる。
光沢のある長い髪、困ったように下げられた柳眉の下には、瞬くたびに見える銀色の瞳は光の反射で輝いて見え、小さくて形のいい唇から吐息をこぼすようにして閉じられた口元は桜色に彩ってあり、白い肌に映える。
生徒会の女性陣の中では、長身ながら華奢な身体にあった細い手足が綺麗にそろえてある様は、モデルのようだ。
通り過ぎる際にも、知らぬうちに人目を引くほど綺麗な女性であるのは明確で、世間から見ればその認識で間違いはないのだ。元は男だと知らなければ。いや、正しく言えば、身体だけ女になったと信じがたい事実を知らなければ、そうであろう。
見かけ、以前は男だったと通常は信じてもらえない事なのだが、たとえ外見が変わっても、ライは男であることを捨ててはいなかった。
なので、ミレイ達の選ぶ女性の服を着るのには、少なからず抵抗があるのだ。
当人が望んでこの身体になったというのなら、今与えられてる選択肢に戸惑うことはない。中身も元から女性であったのならそうだ。
「・・・それは、ミレイさん達が着るほうが似合うように思うのだが」
「駄目よ。今日は、貴方の私服を選ぶことに決めてるんだから」
シャーリーへと向けると、同意するように頷いていた。彼女達の中では、
ライの私服選びは決定事項とされてるらしく、そして、最初から目的はコレなのだと思い知らされる。
「僕をどうしても、そっちの道に引き込みたいようだな」
「何言ってるのよ。制服だけじゃ、困るでしょ。私服も何着か持ってたほうがいいと思って連れてきたのよ。前の服だと体に合わないから、あ、勿論、私服も含めてわたしからのプレゼント」
嬉々と語るミレイ(シャーリーも含めて)は、やはり、自分が楽しいのだと表情が物語ってる。昔していたのかは知らないとはいえ、人形にするような着せ替えをライで試したいだけなのかもしれない。ライの心情を察しているものが此処にいるのならば、思わず同情したくなる光景だろう。だが、ミレイが言うように、私服も含めてということは、他にもライ専用で買うつもりなのだろうかと、ライの気が一層重くなった。
「私服の事は、特に、困る心配は」
「ないとは言わせないわよ」
私服を以前ミレイから頂いた男物の服で、誤魔化そうとしているのを、読んだかのように続けて言う。
「今も制服に抵抗があるのわかってるんだから、私服のうちから、慣れさせておいていけば、自ずと制服にも抵抗感なくなるわよ。いい機会だから、女である間に試してみなさいよ」
にっこりと微笑んだミレイがずいっと突き出すように、ライに洋服を向ける。ライが洋服へと視線を向けると、涼しげな青の上着の下には、白の短いスカートがあった。因みに、シャーリーのは、上は動きやすくていいものの、下は脚を晒す短パンだった。それらを見ながら、ライは言った。
「慣れてしまえば、その後が怖いだろう」
嬉々と鏡の前で女装をすることに抵抗感がなくなり、楽しむ余裕まで出来てる自分の姿を、簡単に脳裏に浮かべてしまい、げんなりとライの表情には暗影を背負う。
確かに、男に戻ったときに、女装の癖が治らなくなってしまったらと考えるだけ恐ろしいことなのだが、それは、ライがそう思っているだけで決して似合っていないとは言えない。寧ろ似合っているから可笑しくはないのだが、それはなんとしてもそれは願い下げだとその不安がライの表情に出たらしく、シャーリーがフォローのつもりなのだろうか、こんなことを口にした。
「まぁ、学園祭の時にうちの学校で、女装に目覚めちゃった人がいるし、仲間がいるから怖くないよ」
「そういう問題だろうか」
フォローにはなっておらず、ライの不安を一層あおる形となった事に気づかないまま、シャーリーは笑顔で。
「大丈夫だよ。例え、そっちの道に進んでも、見捨てたりはしないから」
「いや、そうなる前に止めてくれ」
なんとしても、此処を避けたいと願うライの思いも虚しく、ミレイが問いかけたのは、
「それで、質問に戻るけど、好みはどっち?」
話が元に戻っていた。それだけに飽き足らず、選んだ服についての良さを、二人が語り始めた。
「絶対、こっちの方がいいと思いますよ。ライの綺麗な脚を強調して、後は、動きやすさを重視したほうが、記憶探しの時にも出歩きやすいじゃないですか」
シャーリーの言葉にライは思う。動きやすさを重視するのは、納得できるとして、何故、脚を強調する必要があるんだと。
「それだと、スカートに抵抗が残るままじゃない。此処は、清潔感と可愛らしさを引き出すように、最初にスカートを選ぶべきでしょ」
それに対当するように、ミレイの方は制服と同じくらいの短いスカートをおすすめとばかりに押してくる。ライに意見を求めるつもりが、何故か二人だけのいい争いへと発展していた。もはや、ライに口を挟む暇もない。
「・・・・」
それにしても、自分が着るわけではないというのに、何故こうも他人の私服について、熱くなるのだろうと、ライは思った。
それは、女の子の中に存在するお人形を自分好みに着せ替えをさせる時の楽しさと似てるものがあるからだろう。
だが、この場にいるライだけは、その気持ちに理解は出来ず、当人を目の前に二人のやり取りは加速していくばかりで、ライの口から自然と溜息がこぼれた。
そういえばと、伏せた視線を上げて、此処まで同行していたニーナの姿を探す。アーニャも来たそうにしていたが、軍の仕事があるらしく、後ろ髪を引かれる思いで生徒会を後にした為、此処にはいない。
が、少なからずニーナは味方であることを祈るように、辺りを見回すと、ニーナがライ達のいる方へと駆け寄る姿が見えた。
その手には、服を持っていた。服へと視線を捉えたまま、もしやとライは嫌な予感を覚えるが、気のせいだと思うことにした。
「ごめんなさい。色々迷ってしまって、? どうしたんですか? ミレイちゃん達」
「まぁ、ちょっとしたことだ。それよりニーナ、その服は?」
ニーナの持っている服がニーナが着る服なのだと確かめるように、問うと、頬を染めたままにっこり笑みを浮かべてその服をライへと見せた。
「はい、ライさんの私服ですよ」
期待はもろくも、打ち砕かれた。ライの影を落とした表情に気づくこともないまま、ニーナは嬉々と語る。無論其処に、悪意はない。
「ライさんの着る服を選ぶからでしょうか。夢中になってしまいました。いっぱい見てどれがライさんの似合うものかを厳正しながら探しまわったせいで、時間がかかってしまいましたが、その中から何着か選んできました」
「そう、なのか。それで、ニーナは何を選んだんだ?」
ひくひくと口の端がひきつけを起こしながら、ライが出来ればズボンをと救いを込めて問いかけてみると、それに気づいた様子もなく、ぱぁっと花の開いたように喜んだ。
「制服のスカートは短すぎるから、ライさんの気持ちを考えて露出するのを抑えて、これならと思ったんですけど」
上下の繋がったワンピース、スカートではあったが、ロングのほうだった。
女性の私服をもし選ばなきゃいけない状況であるのなら、私服のときはズボンをはきたいと思うのだが、その気持ちはニーナにも、届いていなかった。女性には、もしくは女装癖がない限りは、足元からスースーと風の抜ける感じは居たたまれなくなる。それが、ライの意思に反して似合っていたとしても、ずっとスカートをはくというのは精神的にきつい。
結局、ライの選んだものを含めて、女性陣の選んだ服を全て買う結果になった。ライがお金を払う前に、ミレイがプレゼントと言った通り、金額を確認する暇もなく、ミレイが買い占めてしまった。
予算の事の心配よりもミレイの言葉に、目を見開く。
「どうしてもお礼がしたいなら、その服を着て見せること、いいわね」
プレゼント、その意味はそういう魂胆らしい事を知って、ライは服の入った紙袋をなんとも言いがたい表情で見下ろす。その表情は、暗かった。
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