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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
ボクと君だけの箱庭
ブルームーンの日、本当の意味で今までよりも深くなったルルーシュとライ。
互いを信じ秘密を守ると誓いだけに留まらず、友人から恋人へといつの間にか変化した二人。
奥手なのもあって、あまり進展の見られない二人は特に気にするものではなかったが、関係を唯一知っていたC.C.によって諭させるまでは普段どおりだった。
「お前は所詮は、童貞だからな」
「それがなんだ。ライとて恋愛経験は俺と大差ない。それに、急激に親密になるのもかえって周りに怪しまれるだろ」
「そういえば、秘密にしているままだったな。でも、お前はいいとしてもライはそうとは限らんと思うぞ。それに、記憶喪失になる前に他に付き合いがなかったとお前が断言し切れるのか疑問だな」
C.C.に言われたからといって、ルルーシュが焦るわけではないのたが、しかし、何もしなかったのはただその常態に甘んじていただけなのかもしれないと思える出来事にルルーシュが直面してからだった。
いつものようにライの部屋へと訪れたルルーシュは、その扉をノックした後で、
「ライ、少し話があるんだが、開けるぞ」
開いた扉向こうに広がったのは、生活観の感じられない程に少ない家具とシンプルな部屋。
そこには、当然のようにベットがあって、ライがいるのも当然で、白く長い指先がページをめくり、思慮深く読書に読みふける姿など見かけるのだが、今日はどういうわけか、ベットの上でスザクとライがそこにいてルルーシュのほうへと顔を向けていた。
「・・・・」
なんだこれは、浮気現場かと思ってしまうほど。
スザクはライの上で、ベットに両手を閉じ込めるようにして、ライの襟元は緩んで僅かにだが素肌が覗いて見える。
どう見ても、押し倒しているようにしか見えなく、絶句するルルーシュを置いて、スザクが退きあがりライも乱れたままの襟物を整える。
見られたというのに、二人の態度はあまりにも自然だった。まるでやましいことは何一つもないといっているように見えるのだが、とりあえずこちらに対して、何かいいわけの一つでもあると言いたげにルルーシュは無言で二人を見つめていた。
「スザク、今日はここまでにして、また後日に」
「ライがそういうなら、僕は構わないよ」
ルルーシュのきつい視線に気づいているはずなのに、二人の口調はあっさりとしたものだった。
また後日だとか、僕は構わないとか気になる台詞がでてきたのだが、ふつふつと苛立ちが込みあがるのを冷静におしとどめるルルーシュは心中に怒りを吐き出していた。
『(ライ、お前がまじめであるのは俺も知っている。しかし、頼むやつはもう少し選べ。そんな犬のように尻尾を振るけれど実は狼の本能を失ってはいない、名誉ブリタニア人を選んだ男だぞ)』
腕を組んだままのルルーシュからびりびりとした雰囲気を感じ取ったスザクは、
「これから君に用事があるみたいだから、僕は此処で失礼するよ。それじゃあね」
スザクが帰った後の部屋は妙に静かで、部屋に入ってからずっと無言を通すルルーシュに向けてライは呼びかけてみた。
「ルルーシュ?」
「・・・ライ」
歩み寄りながら口にした前半の言葉はぼそぼそとしたもので聞き取れなかったものの、ライの前へと来た頃には名前を呼ばれたのは耳まで届いた。
ルルーシュの声がいつもより何処となく暗いのに、ライは首を傾げる。
「あいつはお前のなんだ」
何故今更そんなことを聞かれるのだろうと疑問に思ったが、ライは正直に答えた。
「スザクか。友人だ」
「では、俺は」
「ルルーシュは、友人・・・」
「ほぅ」
恋人であると認めているなら、まだしも友人であるとライの口から出た言葉にルルーシュの片眉ぴくりと反応する。
しかしそれには気づいておらずライは、改めて考えを出すように、
「ではないな。もっと違う・・・ああ。僕の傍になくてはならない相手だ」
冗談でもなく真顔で言われ、ルルーシュは虚をつかれる。ならば、スザクとのあれはなんなのかと口に出そうになるのをライが遮るかのように、
「そして、互いに秘密を共有している仲間でもある」
ライの瞳は嘘が見えなかった。仮に何かを隠すための嘘だとしても、まっすぐにルルーシュに向けられた言葉は本心のように思えた。
「・・・はぁ」
吐息をこぼしたルルーシュに、ライは問いかける。
「ルルーシュ、どうしたんだ? 様子が可笑しいぞ」
「信じれてないのは俺のほうか」
呟くように言葉を吐いて、ライの隣に腰掛ける。その反動で少しだけベットが軋んだ。
「ルルーシュ」
「・・・先ほどスザクと一緒にいたな。何をしていた」
ライから裏切ることはないと判断した上で、どう答えが返ってきてもいいように構えたのを繕うようにして、当たり障りのない会話のように訊ねる。
その紫の瞳はライの仕草や反応を見逃すことなく注意深く見つめていたのだが、問われたライは、決まりの悪そうにあるいは目線を逸らすまでもなく、
「ああ、マッサージを教わったんだ。最近君も疲れてるようだったから、僕にも出来ることを探していた時に、スザクが知っている事を聞いて」
「で、ベットでマッサージをしていたと」
「ああ。あれは、着替える途中で倒れてしまった僕をスザクが支えようとして」
そこから聞かずとも、タイミングよく入ってきたルルーシュに見られたということだけらしい。
要は、誤解だったのだ。
「何処まで教わった?」
「覚えたのは途中までだ」
「俺でもそれくらいの知識はあるぞ。スザクを選んだ理由はあるだろ?」
他にもいる中で何故スザクを選んだのか、その理由を聞く為に探るように問いかけると、何かを誤解していることに気づいたライは、諦めた様に目を伏せた。
「ああ・・・。本当は教わった後で君にも教えようと二人で秘密にしていたのだが、変な所を見られてしまったな」
ライはスザクにただマッサージを教わっていたのだと、表情からも言葉からも本心が見え、ルルーシュは安堵すると共に、勘違いをしてしまった自分に少しだけ引け目を感じた。
ライが自分を思ってそこまで考えてくれていたのは素直に嬉しいのもあったからだ。
「マッサージも確かに身体をほぐすには効果はある。だが、俺はそれよりも効果的に癒す方法は知っている」
ライに顔を向けたルルーシュの瞳は影が消え、愛しさを含めた目笑をしていた。
それは妹に向けるものと少し違う甘さと優しさが見えていた。
「前に、ミレイさんが言っていたアロマテラピーというものか」
「物じゃないな。・・・最も、大事な人だ」
物ではなく大事な人で考えられるのは、数名その中でも思い浮かんだ人物の名をライは口にする。
「では、ナナリーか?」
「・・・」
そうだと返る言葉もなく黙り込んだルルーシュの顔には呆れた色が見えた。
ナナリーが大事だと出会った頃に言った言葉を思い返しての事でライはそう言ったのだが、それは間違いではないにしても現段階では変わっていた。
気づいてもらいたかった家族以上に他人として信じ必要とし愛してる人の名前を、ライ自身に気づいてもらいたかった。
しかし、恋愛方面ではルルーシュに負けてないくらい天然で鈍いライの真面目な答えについ呆れてしまっていた。
「ルルー」
もう一度呼びかけるように名前をこぼした薄い唇に軽く触れてそれは離れた。
顔を寄せたルルーシュが目を伏せるまでの一瞬の間、ライは動けずにいたのは、顔が近いせいか。
「ルルーシュ・・・」
「最も、こちらの判断を狂わせ疲れさせる存在だが、それでも、安心感を与える存在は近くにあるものだ。何かわかるか、ライ」
甘く囁くような声で名を呼ぶ。お前だといいだけに。 揺れる瞳を隠すように目を伏せたライ、ルルーシュから告げられた言葉に朱を差した頬のまま、
「ああ、僕の考えが間違いでなかったら」
ようやく明るさを取り戻して満足そうに微笑を浮かべたルルーシュに、今度は安心したようにライもかすかに口元に笑みを浮かべる。
「ところで、ルルーシュ。部屋に来たのは」
それには答えず、重ねた片手をそのままに、ルルーシュが悪戯げに目を細め手を伸ばし、背中から柳腰へと辿るように抱き寄せると耳朶に触れるままに囁いた。
「チェスに付き合おうと思ったが、気が変わった」
と再び唇が重ねられた。
その後のことは二人のみ知ることだった。
終わり