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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
幸福の巻き添えはいかがでしょう
「今は俺が持っているのが、そんなに不思議な事か?」
「いや、君が持っているとは知らなかっただけだ。ナナリー、以前におった桜は?」
俺から、隣に座っているナナリーへとライが質問を返す。
「桜の花ですか?。はい! お兄様にあげましたよ?」
「気にしてるようだから、俺がもっていろといって」
「お兄様ったら、視線が欲しい欲しいって痛いくらいあるんで、私が譲ってあげたんですよ」
「そんなに見てはいないけどな」
「では、無意識にですか?」
俺とナナリーと話をしているとき、お前とナナリーが話をしているとき、そこにお前は妹を誰かと重ねてみているのだろう。
普段のとっつきにくい表情が薄れ、桜の花のように静かな穏やかさを持った瞳で目を細めることにお前は気づいてはいない。
俺達を見ているときのお前は、忘れてしまっている過去の記憶をそこに思い描こうとしていることに。
過去の記憶がどうあったであれ、会長からの発案で迎え入れられたお前の場所は、今は生徒会の皆も俺もナナリーを含めて認めている。
お前の居場所は、此処にあると今は断言できる。
しかし、時折寂しげに一人空を見上げているライを見ていると、お前はどう思っているのだろうかと、俺は思わずにいられなくなる。
過去を取り戻したいと此処から出て行くお前を、俺は果たして冷静になれるのだろうかとも思う。
視線に気づいて、ライと目があったが、俺は何も言うこともなく静かになんともないというように笑った。
お前の幸せは俺の傍にあればいいとさえ思ってしまう。
俺はいつの間にか、ナナリー以上に安心させてやりたい相手を意外なところで見つけてしまったようだ。
考える暇を与えるまでもなく、他に熱中できるものを見つけてやればいい。
それが何であっても、俺から離れられなくなれないように、幸福に繋がる作戦は八十パターンは用意してある。
後はお前の行動しだいだと密かにティーカップに隠した笑いはナナリーさえ知ることはない午後の一時だった。
[留め]