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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
お前がいなければ俺じゃない
ルルーシュの視線に気づいたのか、ペンを休めたライは、緊張をほぐすように息をついた。
「ルルーシュ・・・来ていたのか」
「ああ、冷めないうちにな」
ルルーシュの視線の先を追って、ライは自分へと入れてくれたと思わしきカップに気づいて、それを手に取ると例を述べた後で、静かに口をつけた。
先ほどは、背中越しにかわからなかったが、真っ白キャンパスには、桜と川の見える風景がその中にあった。
色付けされてないモノクロな風景であるにもかかわらず、惹きこまれるのは描いたのがライであるからなのか。
贔屓目に見ても、やはりライの絵の才能には目を見張るものがあるとルルーシュは感心したまま、呟いた。
「それは、まだ下書きの段階か」
「あ、ああ。構図に悩んでいる段階なんだ」
ライの話す言葉の通り、足元に何枚も描いたと思われる試作の絵がいくつもあった。
絵の価値は人それぞれだと思うが、ライの絵は強烈というわけではないが、どこかで見たことある風景であったりとするが、繊細な線と色使いが見る者を癒すと、老若男女問わず高評価されるように、ルルーシュの絵にはどれも美しいものに映る。
「お前の描きたい風景にすれば」
「いや・・・そういうわけにはいかない」
絵を見つめたライの目が伏せられる。
その真剣な横顔は、自分に向けて言うよりも、絵を通して相手を思ってのものだと言うように返す。
「以前は自分の為に書いていた絵画だったが、今はそれを気に入ってくれた人から人づてに顧客も増え、こうして収入も得ている。求めている人達にあった絵を書いて形作るには、色んな構図が必要なんだ」
真面目なライらしく、妥協を許さないその強い瞳にルルーシュは、しょうがないと言いたげに笑って、けれど自分なりの考えを口にしていた。
「俺は贔屓目に見なくても、お前の書く絵はどれも魔法にでもかかったように繊細で気に入っている」
「ありがとう。しかし、書き散らしたこの絵も魔法がかっているというのは聊か大げさすぎる気がする」
「そうか?。俺は、的は得ていると思うぞ」
どうしてだと疑問をぶつけてくる綺麗な灰青の瞳を覗き込むように見つめて、ルルーシュはライの細い手を持ち上げる。
「ライの描く作品よりも、俺はキャンパスの上で踊り、生み出す指先が魔法のように見えるからそう言った」
そう言って、愛おしくも優しく目を細めたルルーシュが、ライの指先にキスを送る。
息を呑んだライが、その仕草に照れたのか朱を差した頬のまま、目を逸らす。
待っていた間の時間を埋めるように、その柔らかな灰白の髪に触れた手に、ライが気づいて視線をあげると、ルルーシュの顔が意外と近くにあった。
「休憩合間なら、俺に付き合えるか?」
顔を覗き込むように囁いた言葉の返答を待たず、ルルーシュから唇を重ねてきた。
二人にとっての何気ない日常が、コーヒーに溶け込んでいくミルクのように、甘くも優しく混ざり合うのだった。
終わり