ちいさなわがまま

訪問者様、拍手をぽちりと押してくださった方、ありがとうございます。
敵同士よりもっと悪いの続き、記憶喪失のC.C.で
C.C．×ライです。
お話は、続きからになります。

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ちいさなわがまま



そんな様子に、ライはもう一度訊ねた。


「部屋に閉じこもってばかりは気分的にも身体的にも良くはないだろう。せっかくの休日であるから、気分がてら外に出かけないか」

「私が、外に出かけてみてもいいんですか？」

「ああ。君さえよければ連れて行こうと思っているんだ。もし、いきたい場所があるんだったらそこにでも」


　其れを聞いて、C．C．はぱぁっと花の咲いたように喜びを見せると、そのままライの元へと駆け寄り腕を掴んだ。


「はい!行きたいです!」


　勢いある行動に、あっけにとられたライをみて、C．C．が自らの言動を恥じるように顔を伏せた。


「ごめんなさい。ただでさえ、此処においてもらうだけでも贅沢なのに、我侭を言って」


　そんな弱気な声が聞こえてきた。
　しかし、ぽんと頭に暖かいものが触れて、C．C．は顔をあげると、いつもの無表情ではなく、目を細めた優しい顔があった。


「外に誘ったのは僕のほうだ。君が謝る必要はどこにもない」


　あっと声を上げたC．C．の頭に、優しく撫でるライの手をくすぐったそうにしていると、


「外出するにしても、君が一人で出歩きたいというなら其れも許可するが、君はどうしたい」


　穏やかな声が問いかけると、C．C．は迷わずその綺麗な灰青の瞳を見つめて口にした。


「ライと一緒に出かけたい・・・です」


　きょとんとしたライの口元が緩やかに笑みを形作る。


「わかった。これから出かける準備を二人でしようか」


　普段のとつっきにくい雰囲気をぶち壊すくらいの甘い表情は、男女問わずドキンっと心臓を打ち抜くくらいの威力ではあったが、残念なことに其れを向けられているのは、C．C、ただ一人にだけだった。


終わり