伝えます、私の秘密 前編

全力相愛四話目　青月エンド後の第一話続き
カレン×ライです。
お話は、続きからになります。

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伝えます、私の秘密　前編

 

登校時間、昼休みの時間、授業中、探しているわけでもないのに見つけた途端、視線はずっと彼を追っている。
　それだけならまだ良くても、偶然にも目が合うと訳もなくどきりとして、カレンは照れ隠しに睨みつけるように見返すと、どこか困ったように、周囲にしてはわかるかわからないくらいに微笑を浮かべてライから自然と逸らす。

　そんなささやかなひと時が毎度行われている。

　自惚れてる自覚はないけれど、けれどもちょとしたライの仕草や表情にふと笑うようになるようになったのは、両想いゆえの余裕があるのだと、クラスメートの女子達に指摘されて気づかされた。

　お嬢様の仮面をかぶっているつもりでも、ライがいるだけで気が緩むんでしまうのか、表情に出てしまう。
　ライと話しているときに、彼の持っている雰囲気に緩和してつい本音を漏らしてしまうことは不注意ながら多々あったけれど、別の人といるときにそれも人の目のある場所では、気をつけていた。　
　それが、少しずつどこかで崩壊し始めていることに、カレンはまだ気づいていなかった。

　黒板の上を白いチョークが踊っていくと文字が浮かんでいく。
　それは、教卓にあがる先生の書いたものだと瞼の重くなる視界で、欠伸をかみ締めるように口元に手を添えての授業中。
　机に開いた教科書、ノートの上には、今日の授業内容について印されているものの、淡々とした授業に睡眠不足もあって眠気を起こしながら書いてるせいか、文字は途中で途切れていた。
　昼は学校、他は黒の騎士団としての活動により、精神的にも肉体的にも疲労を覚え身体が温存しようと眠気を引き起こすのだとしても、寝るのは簡単だがその間に正体をばらすような失態をしては基もこうもない。


続く