ある程度洗練された明日を掴む為のやさしさ

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カリーヌvsナナリー×ライの前編です。
お話は、続きからになります。

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ある程度洗練された明日を掴む為のやさしさ


　昼下がりのクラブハウス前にて、アッシュフォード学園女子制服にニーハイソックスを着たツインテール少女が仁王立ちに見上げる。
　中へと入りゆく少女を掃除の最中に目を止めた咲世子が思わぬ客人に首を傾げていた。


「それでは、これにしますね」


　盲目の人でもわかるように作られたぼこぼこと小さな丸のついたトランプをめくる指先が別々のカードを引いて、外れてしまったと残念そうにナナリーの眉がさがるのだが、ゲームを楽しんでいるのは変わらずすぐに笑顔に戻る。
　

「違ったみたいですね。それでは、ライさん。貴方の番ですよ」


　何枚かのカードを手にしたままのライは、小さく笑って頷くと、そっとテーブルに並べられたトランプへと片手を伸ばす。


「貴方が来ないから、此方から出向いてきたわよ。ライ」


　声に導かれてきたように、ガチャリと開いた扉からふわりと揺れる赤みを帯びたツインテールと子供特有の丸みをしたおでこと少しだけ生意気そうな青い目の少女、カリーヌが制服姿のまま現れた。


「カリーヌ？」

「まあ、カリーヌさん。遊びに来たのですね。ようこそ」


　ライしか目に入れてなかったらしいカリーヌが、もう一人の人物がナナリーだと気づいてあからさまに嫌な顔をしたが、すぐさま丁度言いとばかりに挑戦的な表情に変わる。



続く