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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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★2010/01/26 (Tue)
シャーリーとミレイとニーナで買い物へ
女体化ライ、六話その後です。
お話は、続きからになります。

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Girls Dream of bubble・Ⅵ 乗り越える努力 ≫その後




 それを見た瞬間、ライの動きは驚くくらいに早かった。
くるりとその場で背を向けるようにして、早足に歩いていくライの後姿を逃がさないとばかりに肩を掴んで、ミレイが捕らえた。
 

「ちょっと、待ったぁ!。どこへ行く気?」

「・・・此処は、いくら僕でも限度がある」


 捕らわれた事に逃げることもできず息をついたライは、肩越しに振り返りそう言った。
呆れが見えたが、それでもミレイは離す事はなかった。


「そんなこと言って、さっき覚悟決めたんでしょう?。此処は男らしく諦めなさい」

「妙なところで男を持ち出すな。私服とそれに合う靴とアクセサリーまでそれだけ揃えてしまえば、後は何も」


 そう言い切ったライへと、ミレイは立てた人差し指を横に振って、否定しながらにっこりと笑う。


「まだ一つ残ってる。下着を揃えてから、完璧になれるのよ」

「完璧な変態になる気は」

「此処は試練なのよ。いつかは訪れる不測の事態に備えて、準備を怠るなという事よ」


 一体何の試練が与えられているのだろうかと、ライは考える。
 ミレイの言う不測の事態というのもどんな事態だと口に出そうになるが、何とか堪えたのは、多分ライの中に予想できるものを見つめたからだろう。
 女に目覚めるのも、女装への試練だとしても、ごめん蒙りたいのだが、その前にこの状況を乗り切る方法はないかと考えを捻っていると、その様子を見るなりようやくミレイが掴んだ手を離したと思いきや、シャーリーに捕まってしまう。
 

「ライは、胸の問題はどうしてるの?」

「ああ、さらしを巻いている」


 ライの発言に、腕を組んだミレイは、


「問題ね。それは」

「何の問題があるんだ?」


 胸に何かを巻くということは違和感があったものの、女性でないライには、自分の胸はあまり重要視しないものであると言葉がそう物語ってることに、シャーリーとミレイは顔を見合わせて頷き合うと、そっとライの横に並んだシャーリーが腕をからませて、片手は敬礼ポーズへと変えて、ミレイに言った。


「会長、私が捕獲しておきました」


 ライが驚くのも無理はなかった。ニーナまで乗っかり、小さな声で、ごめんなさいと言う表情で反対側の腕を捕らえているからだった。
 左右に腕をとられたライ、力技でなら解けることはできても女性相手だと躊躇いが生じるその隙に、満足げに頷いたミレイが、ある方向へと腕を伸ばすようにして指し示しながら、


「よろしい!。では、このままランジェリーショップへ、ゴーっ!」

「「はいっ!」」

「いや、待て!、シャーリー、ニーナ」

 
 一体化した女性陣の意思により、ライの抵抗むなしく、連行されていった。



 
 目の当たりする光景にライは二の句がつけなかった。
 どっからどう見ても女性用の下着、これをもしや自分がつけるとは、ライはひと時も思ってもみなかった。いや、思いたくもなかったのかもしれない。
 だからこそ自然と、こんな言葉こぼれていた。 


「今から、引き返しても構わないか?」

「私服も靴も揃えたんだし、ついでにじゃないけど、こういうのも一つの経験よ」


 ミレイは既に、一つの下着を取ってはライを見やって照らし合わせるようにして、どれが一番合うかと吟味している。


「いや、本当にこの場から逃げ出したい心境なんだ」


 店員も客も女性しか見当たらない空間に、居心地悪く感じてしまうのは、この状況に慣れてない事とライが心は女になりきれてない所以だろう。
 しかし、ライも今は身体は女であるゆえ、場違いだと気恥ずかしく思うのは見当違いであるのだが、どちらを向いても下着しか目にはいらなくなる光景にライは視線を何処に置けばいいかと困ったように目を瞑る。
 そんなライの様子を知ってか知らすが、ミレイが下着を見ながら口にするのだ。


「珍しい体験が出来てラッキーだと思えば、苦にならなくなるわよ」

「それが常態であれば違う意味を持つと思うのだが、今の僕がそれを選ぶのは不本意だ」


 ライの心情を知らず、いつの間にか傍を離れたシャーリーが、自分用にと見ていた意識を変えたのか、本来の目的に戻っただけなのか、ライのほうへと振り返ると、


「ライ、待ってて。私が可愛いの、選んであげるからね」


 笑顔でそう言われ、頼むともいえずなんと言葉を返せばいいのか複雑そうにその様子を眺めるライ。
 シャーリーとニーナは、既に自分用からライの下着選びを始めていた。
 シャーリーは、鼻歌でも歌いそうなほど気分よく、ニーナは脳裏にその姿を思い浮かべたのか、頬が赤いように見えた。
 二人とも、悪意はないにしても、その行動はライの腑に落ちない。
 というよりも、ライの姿が女になる前は男であったと忘れているような気がしてならない。いや、既に、制服に着替えさせられたときから、彼女達の中で女性と履き違えてるかも知れない。
 そんな思いがよぎりライの口からため息がこぼれていた。

 下着選びの途中、選ばれた下着を試着する羽目になるのだが、着替え終わったその際、ニーナが鼻血を出して倒れたり、シャーリーが何かにショックを受けて泣きながら走って行ったりと、ライには全くその行動の理由がわからない事は起こったが、その中でも冷静だったミレイがその隙に買い物を済ませてしまっていた。


 買い物に付き合うだけだというのに、ライには疲弊だけが後を引く。
 逆にミレイ達は元気は残っているというか、余裕さえあって、ファストフードのお店で甘いものを食べていた。
 特派の訓練は肉体的にハードなものだったが、今よりは体力も気力も残っていたのだが、やはり、心境的には女装しているのだと、今までと違った体験に精神的に負担があるようだと理解するライは、放心としていることに気づいたミレイが声をかける。


「程度が越さなければ、甘いものの摂取は身体にいいわよ?ライも一口食べてみる?」


 それぞれの前に甘いものが並んでいて、それらを目にしたには、食欲が浮かぶわけでもなくライは首を横に振る。


「君達だけで食べてくれ。今は、食欲がないんだ」

「そんなに胸苦しいの?。ブラ合わなかったとか?」


 試着段階で買い物を済ませた事と、以前に自分が身につけていた下着は、古くなってから必要ないでしょっと、やや強引に決められ奪い取られてしまった今。
 ライは、さっきから胸の辺りと下、特に胸に違和感が残るのだが、ライの本来の姿を知っているのは目の前の三人だけであっても落ち着かないのは本当だったのだが、


「いや、つけているのは問題はない。だが、やはり違和感が残るんだ」

「何だ。それでさっきから、気負いしてるのね。違和感は最初だけよ?。慣れてしまえば、服と同じように着ける習慣が当たり前になる日が来るから大丈夫よ」


 ミレイの言葉が、至極当然の考えであるにせよ。ライは決意を改めた思いをぼそりと口にする。


「習慣づく前に、早く元の男の身体に戻る方法を見つけなければ」

「もう堅いわね。少し楽観的になったほうが、嘆くこともため息が出る事もだんだんと減っていくわよ」

「それは、僕自身開き直れということか?。望んでなったのなら切り替えるのは難しくはないだろうが、僕の意思で
選んだものではないのだぞ?」

「水は方円の器に随えるっと言う言葉もあるし、貴方が望んでなった結果でなくとも、変わってしまったのなら、目先を変えてみるのも一つの意識を変えるきっかけになると思うのよ。そう考えるほうが、貴方にはいいと思ったのもあるけど、もういっその事、諦めもつけば前よりも負担が減るんじゃないかしらね」


 ライの記憶が戻らずしまいなことを察してかそう笑みをこぼしながら口にするミレイに、ライは無言となる。
 体が変化するというありえない事態に遭遇しても、変わらずに扱ってくれることに感謝があったからだった。
 それが、好意であることはライにもわかりえるだが、同意はできなかった。


「・・・・・」

「まあ、下着の事はひとまず保留にしておくとして、今日の本題は別にあるのよね~」

「・・・別?」


 見向くライに、微笑んだミレイは続けて、


「そうよー。実は・・・ライに、会って欲しい人がいるのよ」

「会って欲しい、人?」


 ミレイからこのような話を持ち掛けれたのは初めて出会ったにせよ、ミレイに恩があるライは出来る限りの協力があれば率先しようと思ったのだが、今は学生である自分に会いたいという者が出たというのは少なからず興味はあった。
 もしかしたら、過去の自分を知る人物が訊ねてきたのではと密かな期待も持つも、ミレイがその心情を察したように付言する。


「残念なことに貴方を知るというのは、貴方の過去を知る人じゃないんだけどね」

 
 予想範囲内だったらしく、あまりライの表情は変わらなかったが、伏し目がちになったのを見ると、内心気落ちしているように見えなくもなかった。


「それで、後輩の子なんだけど、その子がどうしてもって言われたわけじゃないけど、その子随分と前から貴方の事とを知ってるみたいだけどなかなか話す機会がも作れず、今回を逃すともう会えなくなりそうなのよね」

「会えなくなると言うのは、租界から離れるということか」

「そうなの。それも、エリア11内ではなく、外の国に移る予定があって、このまま行くと貴方と話せないまま疎遠になるのよね。だから、今いる間に会えないかとちょっとだけおせっかいを焼いてみようかと思って聞いてみたんだけど、ねぇ話だけでもいいから、どうかしら? ちょっとだけその子に会ってみない?」

「誰なんだ?」

「向こうも前に会ったことがあるって覚えてるみたいだし、といっても、最近の話だけど、覚えてない?」

「最近、出会った人・・・」


 ミレイに訊ねられて思い返す中に、いつぞや屋上へと呼び出された女の子の事が脳裏に横切った。


「僕も一度は会ったことがある相手なんだな」

「ええ。貴方が覚えているのなら、顔に見間違いはないはずよ。だから、今度の日曜でも貴方の都合でよければその子と一日話す時間を作ってもらいたいのよ」

「・・・・相手にも話しはつけてるのか?」

「それは、貴方の答え次第ね」

「・・・では、日曜に何も予定がつかないと知ったときには、ミレイさんに言付けることで構わないか?」
 
「勿論よ、私はそれで相手に伝えるだけだから。あー、そうそう、日曜は二人で話せるよう絶好の機会を私が用意しておくから、都合が会うときはそこでおち合うことで構わないわよね?」

「? ああ」


 わざわざ話す場を作るというのは疑問に感じたが、後になって思うのは、話すだけだという理由で快く承諾したが、後にこの判断が間違いだったと悔いることとなる。


Ⅶへ続く

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