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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
二人ぼっちの雨の日
空はどんよりと黒い雲に覆われる霧雨の中を、ライを背におぶさったままのスザクは、明かりの差すクラブハウスへの扉を開く。
湿気を帯びた雨の匂いと遠くになる雷を音を背中越しにしながら扉を閉じると、その音を聞きつけたミレイがスザクの傍に駆け寄った。
「ああ、スザク君、連れて帰ったって聞いた…って、どうしたの?、ライ」
手がふさがってるスザクに気遣って、傘を折りたたんだミレイが、ところどころ泥で汚れたライの服や肌、そして、傘を持っていたはずなのに雨に濡れていた事に、驚きの声を上げる。
すぅすぅと背中越しにはライの寝息が聞こえ、スザクは眉尻を下げるようにしてミレイに答えた。
「ちょっと色々あって、泣きつかれたみたいですね」
「そう・・・見つかったからいいけど。もう私たちにここまで、心配させるんだから」
ぷにぷにと柔らかな寝ているライの頬を指先で、突いたミレイは、まるで家族でも見てるように表情が優しかった。
「服もちゃんと、乾かさないと風邪ひいちゃうわね」
ライと同じく背中が濡れているスザクも含めての発言に、スザクは謝った。
「すみません」
「ん? どうして、スザク君が謝るの」
ライが懐いているせいか、兄弟がいるわけでもないのにふと兄の心境で気遣いに返答したスザクは、気づいて
「あ、そうですね」
「ふふっ。でも、そうやってると本当に兄弟みたいね」
二人を見比べるようにしてミレイが目を細める。ライのこともあってか、気恥ずかしさを隠すように、スザクは口を開く。
「あの、タオルと着替えを運んできてもらえますか?」
「うん、任せて」
元からそのつもりだったのだろう。ミレイは微笑んでその場を離れる際、すれ違うようにルルーシュがやってきた。
「無力な子供一人が、出歩いていい状況じゃないだろ」
多少怒りをこめた瞳で、ライを見やる表情は冷たいものであったが、
「そう言って、一番心配そうに扉の外を何回も確認したのは、誰だったかしら?」
先に動いていた咲世子から、タオルを受け取ったミレイは、悪戯に目を細めて口を挟んだ。
なんだかんだいいながらも、ルルーシュも心配していたらしい事に、スザクが目を向けると、
「・・・ナナリーが心配しているから、知らせておいたほうがいいな」
チラリとミレイを一瞥したルルーシュは、スザクの視線も避けるように背を向けると、
「私なら、此処にいますよ。お兄様」
「っ、ナナリー!?」
咲世子が押すようにして車椅子でやってきたナナリーは、兄の横を通り過ぎて、スザクの下へと歩み寄る。
「ライさん、戻ってきたんですか?」
「と言うより、迎えにいったのよね」
答えたのはにっこりと笑顔をスザクへと向けたミレイで、言葉を交わす事もなく姿を消そうとしたライが帰ってきたことに、口にあわせて閉じたままの目を同時に笑顔へとかけて、ほっと安堵の息を漏らした。
「よかった」
「ナナリー。まだ本人かどうかも確証もないのに、安堵するのは早くないか」
ライを心配しているのは当然なのだが、ルルーシュの想うところは此処にいるライだけではなかった。
「そうですけど、お兄様も安心はしたでしょう?」
確かに今存在しているライは、ナナリーの会った時のライとは別人だけど、どちらのライもライに変わりないと言いたげにナナリーが返す言葉に、否定は仕切れないのかルルーシュは口を閉ざした。
続く