コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★ お気に入り
★2010/02/01 (Mon)
覚えていてください
「神楽耶」
礼拝堂の天窓を見上げる少女、神楽耶は、ライの存在に気づくなり口を開いた。
「貴方は私のストーカーというものですか。此処まで追いかけてきて、呆れますわね」
口調はいつもどおりであるのに、どこか元気のない様子に、ライは生徒として通うことは期間があると聞いていたこともあり、コレが最後なのだろうと予感がして無言となる。
「なんて、冗談ですわよ」
返すこともなく視線を伏せたライに、小さく笑った神楽耶が続けていった。
その顔は、ライではなく空を見上げるようにして口に出す。
「それに今まで散々貴方に好き勝手言ってきましたから、今回ばかりは何を言われても文句は言えませんし、いえ、いっそ嫌いになって頂けたなら名残もないでしょうに」
「神楽耶」
最後であることはわかっていても、なんと声をかけていいのか言葉が見つからず、ただ名前を呼ぶライに困ったように微笑んだ神楽耶はようやく、ライのほうへと身体を向けると、
「貴方には変な所ばかり見られているのに、どうしてなんでしょう」
「?」
「気に入らないとか口ばかり先に出てしまって、本当は貴方といるときの時間は、嫌いにはなれるはずもなく私には何より安心できたんです」
「此処でお別れとしても、生きてる間コレが最後になるわけじゃないだろ」
「そう、ですわね。あなたの顔をあわせることがないと思えば嬉しいはずですわね」
出会いは本当に些細なもので、それがきっかけとなり会話を交わすようになった二人、恋人同士のような甘いものはなく友人、第三者から見ればそう見えるのだが、いつしか互いに好意を寄せていたもの、それを口に出来ずにここまできていた。
互いに両想いであるのに、口に出来ないのは、関係が結ばれないことを悟ってか、最後のときを知ってなのか、こうして顔を合わせても瞳で気持ちをつなげていても、言葉にならず沈黙が流れる。
「ライ。あなたにお別れとなる前に、一つだけお願いしてもよろしいですか?」
妙にしおらしい様子で神楽耶が口にする。
「・・・ああ、僕に出来ることなら」
「ええ、コレは貴方にしか頼めませんから」
ライのほうへと歩み寄った、神楽耶は、すぅっと息を吸って吐いてから、決意を秘めた瞳で見上げる。
「私がこの場からいなくなるまで目を閉じててもらいたいんです」
「えっ・・・」
「最後くらい笑顔でお別れさせてくださいませんか。貴方にみっともない姿をさらけ出したままお別れを言うのも癪ですから」
どこか寂しさを湛えた神楽耶の瞳がそう言って伏せると、ライは口を開きかけるが何も言うことなく閉ざし、笑顔を浮かべる神楽耶を、その一瞬で瞳にやきつけるようにして無言で目を瞑った。
神楽耶に何か出来ることがあるならその願いをかなえてやりたいと思ったからだった。
黙諾したライは、小さく安堵するような笑う神楽耶の気配を感じていたのだが、その気配が近づいてくると、吐息をこぼす間もなく唇が触れた。
触れた唇の温もりを確かめる間もなく、それと同時に、冷たい雫がライの頬に流れる。
神楽耶から背伸びするようにして、悲しみをこめたキスにライは身体を強張らせたものの、一体、どちらのものなのかわからぬまま頬を伝っていった涙の真意をライは探ることをやめた。
離れたのは、神楽耶のほうからだった。
「ライ、ありがとう。貴方との思い出と共に好きだったことは努努忘れません」
抱きしめてからそう言った言葉は感傷的に潤んでいたけれど、神楽耶は泣かないようにとそれでも懸命に言葉を吐き出しているのは震える体でライにも身にしみて伝わった。
抱きしめたい衝動にかられたが、ライが今あがいたとしても、それで救われるほど単純な話ではないのだと立脚するのだけれど、その思いを凌駕するほどに恋しい気持ちが募るが、それを隠すようにただ優しく抱きしめた。
「っ」
息を呑んだ神楽耶に気づきながらも、ライはそれには触れないようにして言葉を紡ぐ。
「君と出会ったのは、ほんのひと時ではあったが、今思えばそれも楽しかったと思える。嫌な相手の顔に合わせることはないのだと思えば安心できるだろう」
突き放すような物言いだが、ライの言葉にはどこか優しさを含んでたせいか、神楽耶は声を立てずに、服の中に顔を埋める。
沈黙を置いてから、割愛するかのように神楽耶は身を寄せた身体を離して、
「ーーーさようなら」
悲しげながらも気丈を張った言葉を残して、ライの横を通り過ぎるようにして、背中越しに、差し込んだ光冴えも遮るかのように、扉の閉まった音が反響し、いるのはライ一人だけとなってしまう。
震える小さな肩や抱きしめた温もりを覚えたまま、ライは自分の手を見ながら、神楽耶に残す言葉があったんじゃないだろうか、本当にコレでよかったのかと自分に問うように考える。
笑顔でお別れを言った神楽耶は意地を張っていたようだけど、暗涙を隠したかっただけなのだと服に残した涙の痕でそれを知る。
窓から見える外は夕日色に染まり、礼拝堂内も静かな明るさを作り出す。
強く握り締めた手をなだれるようにして瞑目するライの傍で、ぽたりと赤い絨毯の上に雫が落ちた。
けれど、二人を止める時間は止まることなく動き続ける。
いつしか、彼らにも明るい未来があるとでも言うようにステンドグラスから振り注ぐ光が一層強くキラキラと輝いていた。
[留め]
「神楽耶」
礼拝堂の天窓を見上げる少女、神楽耶は、ライの存在に気づくなり口を開いた。
「貴方は私のストーカーというものですか。此処まで追いかけてきて、呆れますわね」
口調はいつもどおりであるのに、どこか元気のない様子に、ライは生徒として通うことは期間があると聞いていたこともあり、コレが最後なのだろうと予感がして無言となる。
「なんて、冗談ですわよ」
返すこともなく視線を伏せたライに、小さく笑った神楽耶が続けていった。
その顔は、ライではなく空を見上げるようにして口に出す。
「それに今まで散々貴方に好き勝手言ってきましたから、今回ばかりは何を言われても文句は言えませんし、いえ、いっそ嫌いになって頂けたなら名残もないでしょうに」
「神楽耶」
最後であることはわかっていても、なんと声をかけていいのか言葉が見つからず、ただ名前を呼ぶライに困ったように微笑んだ神楽耶はようやく、ライのほうへと身体を向けると、
「貴方には変な所ばかり見られているのに、どうしてなんでしょう」
「?」
「気に入らないとか口ばかり先に出てしまって、本当は貴方といるときの時間は、嫌いにはなれるはずもなく私には何より安心できたんです」
「此処でお別れとしても、生きてる間コレが最後になるわけじゃないだろ」
「そう、ですわね。あなたの顔をあわせることがないと思えば嬉しいはずですわね」
出会いは本当に些細なもので、それがきっかけとなり会話を交わすようになった二人、恋人同士のような甘いものはなく友人、第三者から見ればそう見えるのだが、いつしか互いに好意を寄せていたもの、それを口に出来ずにここまできていた。
互いに両想いであるのに、口に出来ないのは、関係が結ばれないことを悟ってか、最後のときを知ってなのか、こうして顔を合わせても瞳で気持ちをつなげていても、言葉にならず沈黙が流れる。
「ライ。あなたにお別れとなる前に、一つだけお願いしてもよろしいですか?」
妙にしおらしい様子で神楽耶が口にする。
「・・・ああ、僕に出来ることなら」
「ええ、コレは貴方にしか頼めませんから」
ライのほうへと歩み寄った、神楽耶は、すぅっと息を吸って吐いてから、決意を秘めた瞳で見上げる。
「私がこの場からいなくなるまで目を閉じててもらいたいんです」
「えっ・・・」
「最後くらい笑顔でお別れさせてくださいませんか。貴方にみっともない姿をさらけ出したままお別れを言うのも癪ですから」
どこか寂しさを湛えた神楽耶の瞳がそう言って伏せると、ライは口を開きかけるが何も言うことなく閉ざし、笑顔を浮かべる神楽耶を、その一瞬で瞳にやきつけるようにして無言で目を瞑った。
神楽耶に何か出来ることがあるならその願いをかなえてやりたいと思ったからだった。
黙諾したライは、小さく安堵するような笑う神楽耶の気配を感じていたのだが、その気配が近づいてくると、吐息をこぼす間もなく唇が触れた。
触れた唇の温もりを確かめる間もなく、それと同時に、冷たい雫がライの頬に流れる。
神楽耶から背伸びするようにして、悲しみをこめたキスにライは身体を強張らせたものの、一体、どちらのものなのかわからぬまま頬を伝っていった涙の真意をライは探ることをやめた。
離れたのは、神楽耶のほうからだった。
「ライ、ありがとう。貴方との思い出と共に好きだったことは努努忘れません」
抱きしめてからそう言った言葉は感傷的に潤んでいたけれど、神楽耶は泣かないようにとそれでも懸命に言葉を吐き出しているのは震える体でライにも身にしみて伝わった。
抱きしめたい衝動にかられたが、ライが今あがいたとしても、それで救われるほど単純な話ではないのだと立脚するのだけれど、その思いを凌駕するほどに恋しい気持ちが募るが、それを隠すようにただ優しく抱きしめた。
「っ」
息を呑んだ神楽耶に気づきながらも、ライはそれには触れないようにして言葉を紡ぐ。
「君と出会ったのは、ほんのひと時ではあったが、今思えばそれも楽しかったと思える。嫌な相手の顔に合わせることはないのだと思えば安心できるだろう」
突き放すような物言いだが、ライの言葉にはどこか優しさを含んでたせいか、神楽耶は声を立てずに、服の中に顔を埋める。
沈黙を置いてから、割愛するかのように神楽耶は身を寄せた身体を離して、
「ーーーさようなら」
悲しげながらも気丈を張った言葉を残して、ライの横を通り過ぎるようにして、背中越しに、差し込んだ光冴えも遮るかのように、扉の閉まった音が反響し、いるのはライ一人だけとなってしまう。
震える小さな肩や抱きしめた温もりを覚えたまま、ライは自分の手を見ながら、神楽耶に残す言葉があったんじゃないだろうか、本当にコレでよかったのかと自分に問うように考える。
笑顔でお別れを言った神楽耶は意地を張っていたようだけど、暗涙を隠したかっただけなのだと服に残した涙の痕でそれを知る。
窓から見える外は夕日色に染まり、礼拝堂内も静かな明るさを作り出す。
強く握り締めた手をなだれるようにして瞑目するライの傍で、ぽたりと赤い絨毯の上に雫が落ちた。
けれど、二人を止める時間は止まることなく動き続ける。
いつしか、彼らにも明るい未来があるとでも言うようにステンドグラスから振り注ぐ光が一層強くキラキラと輝いていた。
[留め]
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