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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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★2010/01/21 (Thu)
ロスカラゲーム沿い学園篇でのスザク視点で
スザク×ライです。
お話は、続きからになります。

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君を忘れ去った世界を僕は愛せるだろうか


 日差しの陽気がまだ暖かい季節に、僕たちは出会いました。

 風に揺らぐ柔らかな髪色、吸い込まれそうなほどに澄んだ銀の瞳、綺麗な口元、繊手と襟元から覗いた肌は白くて、制服からもわかる体は華奢で、名前以外の記憶を持たない朧げな存在。

 それが、ライという名前の少年だった。
 不安定だからか、警戒心が他人の目でもわかるほどにあったけれど、それは僕達がまだ知り合ったばかりだと思っていた。
 

「ライ・・・・」


 街角に彼を見つけた時、一瞬だけ声をかけるのを止めてしまいそうになった。
 目線高くある大きな画面を食い入るように見上げたライはどこか遠くを見つめるようにしていて、それに気をとられる通交人が何人もいたとしても、まるで其処に縫い取られたように彼は動かなかった。
 立っているだけだというだけで、その場所だけ切り離されたような浮いた存在感があった。
 人並みに流されることもなくその場にいるだけなのに、存在感があるようで目を離してしまったら、いなくなってしまいそうな幻影のようにも見えて、僕は目を覚ますように声をかける。


「ライ。こんなところでボーとしてたけど、何か考え事?」

「君は・・・・」

「スザクだよ。枢木 スザク」

「スザク・・・?」


 初めて会った時のようにライは僕の名前を覚えなかったのは、といっても、生徒会のメンバーの名前と顔を覚える気がなかっただけなのか、ちょっとだけ、いや自分でも驚くくらい物悲しかったけれど、どうにか顔には出さず困ったような笑顔を向けた。
 この頃のライは、表情らしい表情がなくて綺麗な外見がより飾り物の人形のように見えたけど、実際は見落としてしまうくらいの感情を僕達が見逃していただけかもしれなかった。


「僕も帰る途中だったんだけど、良かったら途中までなら送るよ」


 道くらい覚えているかもしれないと思ったけど、一人で帰らせるのが心配になってついそんなことを言ってしまった僕に、ライはきっぱりと口にした。


「いや、一人で帰れる」


 何か考え込むように目を伏せるように言ったライは、そのまま僕に背を向けるようにして、人並みにまぎれていった。それに深い意味はないのかもしれないけど、胸にずきりと来たのは何故だろう。
 それが人を避けてるのだと気づいたのは、いつ頃だろうか。


「ライ」

「君、か」


 再び、声をかけたのはやっぱり僕のほうからだった。どこか放っておけないっと口にしていたミレイさんと同じなようでどこか違う。
 放っておけないのは尚の事、ライの事が気になるからだった。


 少しだけ話すようになったけれど、気を許したわけではないことは、声をかけたときにとっさに間合いを取るように距離をとるライの足と、頑なな表情と共に口にする言葉から理解していた。

 過去の記憶のない分不安と警戒心がより強くなっているだけかもしれないけれど、常に距離を感じるのは、ライ自身が誰かと関わりあおうとすることを避けているように見えたからだった。

 目を離せば跡形もなく僕達の元を立ち去りそうなことに、僕の心に小さな波紋が浮かんでいた。
 それが何の意味を持つのか、今の僕には気づけなかった。


続く

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