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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
とてもナイーブないきものです
獣の耳と尻尾を生やした小さなライを連れて、図書館で調べてみたものの、ライと似た生き物の事は何処にも記載されてなかった。
勿論、その時小さなライには声を出さぬようにと、カレンが忠告したおかげで、周囲に目立つことはなかった。
何の成果もないままの図書館の帰り道、おもちゃ屋さんのウィンドウに、人形用の家具が綺麗に並べてある家が目に留まる。
惹かれたかのようにお店の扉をくぐって見つけたのは、ドールハウスだった。
人の手に納まるくらいの小さな家具も個別で売られてあり、カレンから見ればただの小物に過ぎないが、ライにしてみれば丁度いいサイズのものばかりである。
学校帰りに買い物はあまりないカレンだったが、家に勝手に住み着いてるライに対して多少は戸惑ったものの、不思議と悪い気にはならなかった。
鞄の隙間から顔を出したライは、カレンの目にしたそれらの家具に興味があるようで食い入るように見つめてはいるものの、それが何のかはわからず小首をかしげていた。
チラリとその様子を見たカレンの口に笑みがこぼれる。 買う気はなかったけれど、面倒を見ると会長達の前で口にした手前、今更手放す考えもなく、カレンは幾つかの小物を手に取りレジへと向かった。
家族に見つからないよう小動物を買っている心境ではあるけれど、この状態が長く続くとは全く思っていなかったのだった。
自室に戻れば何の苦も無しに緊張感を解かれ、息をつきながら机の上に鞄を置いて、緩んだネクタイをベットの上に投げ出すようにして着替えをはじめる。
その際、なにやら視線を感じるのに振り返ってみれば、ライが目を追う様にしてその様子を見ていることに気づいた。
帰宅した際、小言を言われて意識を持っていかれたせいか、一時的にライの存在を忘れてしまったカレンは、乱暴においてしまったとはいえ、怪我のない様子にほっと安堵すると同時に意識する。
「着替えるからしばらく後ろむいてて。その間、その箱の中を見てても構わないから」
小さな子に言うような物言いだが、元はカレンの一人部屋だ。ライが男の子だからと言うのもあるが、じぃっと見られるのはやはり気恥ずかしいからだろう。
袋から取り出した箱をライの前へと置くと、確かめるようにカレンを見上げたライだったが、言葉は理解できたようで小さな手を一生懸命に使って、箱を開く。
中には、小さなベットが一つ、透明な包みに入れられてあった。
「ライ、それは貴方専用だから、好きに使っていいわよ」
ライの目線に合う様少し屈むようにして、着替えを終えたカレンが話しかけてくる。
見る限り不思議な生き物に寝る習慣があるのかはともかく、夜に冷える時期もあると思い、家の者に見つからないようにと机にある一番上の引き出しを開いて中を取り出す。その中にタオルとさっきのベットと幾つか買ってきた家具を置くと、あっという間に小さな部屋が出来上がった。
「貴方の家が見つかるまではうちにいてもいいけど、いる間は此処を使ってね。私の部屋の中を歩き回るのはいいとしても、家の者に騒がれると後々面倒だから、ちょっと狭いかもしれないけど、しばらくは此処で我慢して頂戴」
指し示した引き出しを机の上から中を覗き込んだライは、見上げるように視線を向けると見つめ返したカレンがふと笑う。
それからのカレンは、シャワーを浴びたり夕食を終え足りと自分の時間を過ごした後、御腹をすかせてると思い何を食べるのかを理解する為に用意した幾つかの小さなテーブルに食事を用意してライの前に並べると、小人サイズの椅子に腰掛けたライは、カレンから教わった手を合わせていただきますの言葉を、口にしてから食事を始める。
ベットに腰掛けたカレンは、その様子に眼を細めてそれを見ていたのだが、それも一時的なもので、すぐさま準備を整え、いつものように窓から外へと出かける前に。
「ちゃんと帰って来るから、貴方はここで待っていて」
ピクリと両耳を立ててそれに気づいたライに、カレンの後を追う前に、釘を刺すようにして言葉を残していった。
カレンが外へと降りると立ち止まることなく、宵闇にとける様に駆け出していく。
ライの事は気にはなるが、部屋の鍵はかけてあるから誰かが入ってくることはないし、ゼロの親衛隊となりても活動を続けてる黒の騎士団から離れるわけには行かないのだとその背は振り返ることはなかった。
遅くなり家路に着いたカレンは、着替えもそこそこにベットに倒れる込むようにして眠った。
睡魔へと誘われる際にぼやけた視界の隅に、ライを引き出しにしまいこんだとしても、食事をまだ片付けてなかったことを思い出しながらも瞼は重くなり閉じてしまう。
自分で引き寄せたのか包まったシーツに身を寄せたカレンは、ベットの上で寝返りをうっていた。
すぅすぅっと寝息だけが聞こえる部屋の中で、がたっと音を立てたのは、机にある引き出しの中だった。
がたがたと小さく揺するようにして、引き出しは少しずつ少しずつ開いていくと、開いた隙間から顔を出したのは、やはりライで、彼は薄暗い部屋の中、その身体を机の引き出しから出して、危なくとも床へと落ちた。
が、耳と尻尾は動物らしく、上手い具合に着地をしたので怪我はしなかった。
何をするのかと思いきや、ちょこちょこした足取り、駆け足なのだがそれでも足音はしないままで、向かった先はベットだった。
ライから見れば大きいものだろうベットの柱を登ろうと挑戦するのだが、途中で落ちてしまい、次に目をつけたのは床へと垂れ下がったベットカバーだった。
手を伸ばしても背伸びしても届かなかったそれは、その場で何度かジャンプを繰り返して末で、やっと捉えた。
崖にでもよじ登るかのようにしてよいしょよいしょっと懸命にベットの上に到着したライは、足先から頭のほうへと移動して、カレンを確認する。
ライが来ているとも知らず寝ているカレンに、ライは安堵したように息をこぼした。
その表情が穏やかに、母親を見るものとは違う含みを持っているように目を細める。
次の朝、眠気は残るものの寝覚めたカレンは、上半身を起こすようにして掛け布団をのける際、視界の隅になにやら気になるのが目にはいり視線を向ける。
そこには寝る前はいるはずもなかった小さな存在が横たわっていた。
寝息とともに上下する胸が寝ていることを表すのだけど、いつの間に潜り込んだのかとカレンは目を見開くが、寒そうに身を丸める姿に退けた掛け布団を元へと戻してやった。
どうやって此処まで来たのか想像すれば予想は付くことであるとしても、用意していたベットから抜け出してまで自分の傍に来たのはきっと寂しかったのだろうと思い、会ってまだ間もないというのにどこか懐かしさを覚えて、少しだけその行動が愛おしいように感じるのだった。
[続く]