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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
思いがけない暖かさに触れた日
バタバタと騒がしい足音が、ミレイ達のいるホールへと近づくと、二人が揃うようにして顔を出してきた。
「ライ、見つかったって!」
「何処ですか。会長?!」
シャーリーとリヴァルだった。同時に口を揃えての発言は、大きく、その騒がしさに、
「音量を下げろ。心配はないが、眠ってるだけだ」
ルルーシュが眇めると、二人はライの様子に押し黙るようにして、今度はゆっくりとした足音で近づいていった。
クラブハウスに住んでる訳ではないリヴァルも捜索していてくれたようで、まだ此処に残っていたらしい。
小さな話し声を聞いてか、ライの目がうっすらと開いて瞬きを繰り返すと、確認するように周りを見回した。
「・・・・」
「あ、起きた?」
身じろぎした動きと気配に気づいてスザクが肩越しに振り返る。
怒った様子もなくライの耳には、優しい届いたのだが、いまだ大きな背に身を預けるようにしてスザクの背にいたライは、戸惑うように口を開いた。
「スザク、降ろして」
ライの知るスザクではないから、遠慮が出たのだろう。 そんな心境を顧みず、スザクは言った。
「駄目だよ。脚の手当てもまだなのに」
意識がハッキリしだした頃になって、足首にずきりと鈍痛が走ったことを意識しつつも、ライは頷く。
「うん。わかってる」
先ほどの心細くて泣いた子供らしさが嘘のように、ライは大人びた、普段どおりの冷静な口調で返す。
「でも、話しちゃんとしないといけない。それに、謝る事があるから」
「・・・わかった。少しだけね」
スザクが地面へと屈むようにして、ライはその背から降りると、誰かの両手が伸びてきた。シャーリーだった。
「一人で何処行ってたの。心配したんだよっ!」
ぎゅっと、顔を摺り寄せるようにシャーリーに抱きしめられ、目を瞬かすライ。
ふわりと義理の母であったセシルとは違う、女性の匂いが香り、それと共に暖かい手がライを包み込んでいた。
さらに、シャーリーの隣から顔をのぞかせたリヴァルが、ぐりぐりと乱雑にライの頭を撫でる。
「お前、行くあてあるのか?・・・って、足どうしたんだよ。ところとごろ肌もすりぬいてるし、大丈夫なのか」
足首には赤みが見え、ところどころ擦り傷を作ってることに、今更気づいたリヴァルが声を上げると、
「ああ!、本当だ。どうしたの? コレ、まさか誰かに」
「・・・僕が転んだけだ」
これ以上の心配はさせたくないと想ったのだろう。
転んだ理由はいわずに、ライは朱に染めた頬で気恥ずかしげに目を伏せると、それにふっと笑ったスザクが付け足すように口を開いた。
「それと、雨が降っている中、傘もささずに歩きまわってたみたいだしね」
「…」
ライが物言いだけに、スザクへと視線を向けると、にっこりと笑われた。
雨の中、帰って来た二人の間に、何があったのか知りたいことであるけれど、シャーリーから先に言葉を出す。
「まず、着替えも含めてお風呂が先だよね。じゃあ、私が先に入れてくるから!」
当然のようにライを抱えて連れて行こうとしたシャーリーへと、リヴァルが止めにかかる。
「ちょっと待った!。ライは男なんだから、その役目は俺がやるよ」
「どうしてよー。こんなに小さいんだから、女の子でも問題ないでしょう?」
シャーリーはライと視線を合わせてから、リヴァルに向けて言うのだ。シャーリーの意見も尤もであるのだが、その言葉の裏をリヴァルは見切ったらしく。
「そう言って、シャーリーが一緒に入りたいって、だけじゃないのかー?」
「そ、そんなことないよ!。わたしは、ただ綺麗にしたほうがいいかなって、思っただけで」
少しは考えてたところはあったらしく動揺を隠せなかったシャーリーは後半聞き取れない声で言ってることに、疑わしいと視線をよこしたリヴァルは、
「うろたえてるところが、ますます怪しいな」
「そう言う、リヴァルはどうなのよー。別に此処はリヴァルじゃなくたって、他にスザク君だとかいるわけだし、そのほうがライも安心するんじゃない?」
そう返すシャーリーに、リヴァルも引き下がる気配もなく。
「スザクも似たようにびしょ濡れだろ。だから、着替えてる間に、手を空いてる俺がやろうとしただけだぜ?」
ライを挟んで、双方に言い合うだけで全く事態が変わってないことにミレイが、手を叩いて止めにはいる。
「はいはい、こんなことで言い争わないの。二人で決めれないのなら、わたしが入れるから二人は手当てのほうお願いね」
ミレイの笑顔の提案に、シャーリーとリヴァルは同時に驚きの声を上げた。
「「えぇー!!? 」」
別世界からの異端者として、距離を置いていたように思えたのだが、ライの知らぬ間にいつの間にか居場所を作っていたようだ。
何も関心なければこんな風に皆が集まり、探すことも心配することもないはず、ライは我知らず、皆の中心となってることに、戸惑い気味に周りの顔をきょろきょろと見渡していた。
「ふふっ」
皆に取り囲まれてるライの様子に、小さな笑みをこぼしたのはスザクだった。
小さく揉めているその輪の中に、スザクも足を踏み入れる。
「ねぇ、聞き込みかねて、探して見たけど、やっぱり、外にはいない・・・・って、何してるの貴方達」
同じように外から帰ってきたカレンがその現状を見て、呆れた声も漏らしたのはその後だった。
続く