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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/08/19 (Wed)
二人のデートに付き添うルルーシュも登場。
ナナリー×ライです。
お話は、続きからになります。

拍手を送る

目蓋の裏側、君への愛


 
 花も咲き乱れる季節、青空には白い雲が流れる地上では、ナナリーとその車椅子を押すライ、恋人として結ばれた二人の後に少し距離を置いて続くのは、ナナリーの兄であるルルーシュだ。
 ライが、ナナリーに、例えば、風で舞った花びらを取ったときも、肩に手を置いたときも、ライが触れようとするたびに、後ろからギスギスとルルーシュの鋭い視線が向いてくる。
 恋人とは認めても、デートはまだ二人であることは許してないのは、それほどシスコンだったとは、改めてそれを認識したライだったが、前にナナリーを別の誰かと重ね合わせたときのように、自分も妹がいたとしたら、過保護になるのかと思うのだが、他の兄弟を見る限り、人の性格によるものかもしれないとライは思っている。
 けれど、実際は大事な妹のナナリーに、ルルーシュの想い人であるライとの距離をこれ以上入り込めないところまで、深めてもらいたくはないと言うのが、ルルーシュの本音なのだが、人の気持ち特に恋情には鈍く、天然なライには、ルルーシュの気持ちが伝わるはずもなく、またルルーシュのほうもその気持ちを表面に表さないようにしている為、より伝わりにくくなっていた。なので、見えないところでは、三角関係となっている。


「どうしました?ライさん」


 気がつかない間に、溜息をこぼしたらしいライに、ナナリーが気づいて、ライへと振り返った。


「いや、ごめん。なんでもないんだ」

「・・・もしかして、お兄様の事ですか?」


目の見えない分、人の雰囲気や気持ちに敏感なナナリーに、ライは小さく苦笑して、


「・・・ああ、ナナリーには隠し通せないな。君の前で君のお兄さん・・・ルルーシュの事を悪く言いたいわけではないのだが、前も三人で楽しむときはあったが、以前よりも二人きりになるときには、ルルーシュが必ず現れ、デートの時はこうして付き従うようにいるのが日常になっている」


 一つ間を置いて、伏し目に風景を見ながらライは、静かな声で言った。


「僕はそんなに、危険人物なのかと自分を卑屈に考えてしまうことがあって、どうすれば改善できるかを自分なりに考えていたんだ」

「そうですね・・・。お兄様は、いつも私の事を気にかけてくれてたところはありましたが、それは以前よりも多い気がします。けれど、それは、ライさんがいるからだと私は思いますよ」


 ライを見上げて、安心させるかのようにナナリーが、微笑む。ライが好きだからこそ見えてくるのか、それとも、目が見えない分気持ちに敏感なせいか、ナナリーだけはルルーシュのライの想いを感じていた。それでも、妹して、女として、譲れない気持ちはナナリーもあるのだ。


「僕が?」

「はい!。ライさんと仲良くなりたいんじゃないでしょうか?。わたしの事を考えてライさんにきついことを言いますけど、お兄様、少し意地っ張りなところがありますから、それを口に出来ないだけかもしれませんよ。だって・・・」


 其処に見計らったように、ルルーシュが会話の中に入り込む。


「いつまで、この状態でいるつもりだ。先ほどから、ずっと歩いたままだろう。日差しも強くなってるし、そろそろ其処のベンチにでも座って、休憩をとらないか?」


 ルルーシュの提案に、ナナリーがライへと振り返る。


「ライさんは、どうしますか?」

「僕は疲れはないけど、確かに、思ったよりも日差しが強くなっている。熱中症にならない程度には、ルルーシュの言うように休憩も必要だと思う」

「そうですね。では、三人で其処のベンチで、休憩を取りましょうか」


 ナナリーの言葉に頷いたライは、 


「じゃあ、休憩がてら、飲み物でも買ってこよう。二人とも、何がいい?」


 勿論、ルルーシュがナナリーから目を離さないことを踏まえて、自分から買出しに行こうと思っていたのだが、其処に、意外にもルルーシュが名乗りでた。


「俺が行こう」


 恋人同士であれば、確かに今残るべきは、ライのほうなのだが、今日は保護者付きなので、二人きりを良しとしないルルーシュから、そんな言葉が手で来るとは思ってもおらず、僅かに驚くように目を見開いて、ルルーシュを凝視すると、視線に気づいたルルーシュが、ライのほうへと振り向く。


「なんだ?」

「いや・・・」


 何か言いたげなライに、眉を顰めたルルーシュは、


「俺から言うことが、そんなに珍しいことか。お前が要らないのなら、俺はナナリーの分だけでも、買いに行くつもりでいるのだが」

「すまない。少し驚いただけだ。それじゃあ、僕の分も頼んでもいいか」

「ああ」


 ルルーシュが二人から注文を聞いて、飲み物を買いに行ったことで、二人きりとなったわけだが、車椅子をベンチ近くに止めて、ナナリーと一緒に公園の風景を眺める。
 空を舞う鳥の囀り、葉を揺らす風の音、走り回る子供、其処にある賑やかな声、すれ違う人、遠く離れた場所では、同じようにカップルや家族連れの姿があった。


「風が気持ちいいですね」


 緩やかなウェーブを作るナナリーの髪を、風が優しく撫で、風景からライのほうへと顔を向けて、にこやかに笑いかける。


「うん。今日は天気も晴れてるから、外を出歩くのを選んで正解だった?」

「はい」

「こうした街の風景の中を歩くのも悪くはないが、今度は、例えば海のようなに、どこか遠くに連れて行ってあげたいけれど、それには、君のお兄さんの許可も必要だ。それまで、頑張ってみるよ」


 ナナリーが背凭れる車椅子に手をついて、ライが優しい瞳を向けて、その場で屈んでナナリーを見上げる。


「その時は、及ばすながら私もお兄様を説得してみます」


 車椅子に置かれたもう一つの手を自分の手と重ねて、ナナリーが微笑むと、ライも瞳と口元に僅かな笑みを浮かべたのが同時で、何の合図もなしに顔を近づけた二人を、きらきらと差す木漏れ日が照らす。
 ナナリーの頬に片手を沿えると、ナナリーが待つようにじっとして、ライの白い指先が小さなナナリーの唇をなぞり、そっと触れるようライが近づいたのだが止めて、目元に触れる程度のキスをした。
 それが離れると共に、ナナリーが見上げるようにして首をかしげた。


「・・・ライさん?」

「あんまりやると、君のお兄さんに怒られそうだから、今日は此処まで」


 優しい声が、揺らいだ風の音と混ざって、ナナリーの耳に届いた。
 

「此処まで?」

「うん。続きは、今度。二人きりの時に」


 最後のほうは、囁くように言うと、ナナリーが小さく頷いて僅かに俯くと、頬を染める。


「はい・・・」


 物足りなさに答えるように上から重ねたライの手を、今度は繋ぐように小さなナナリーの手が握る。それに、無言で目を僅かに細めて、ライは頬に添えていた手を、ナナリーの後ろ髪へと伸ばし、撫でるように触れていると、


「ライさん、子ども扱いしていませんか?」

「え、ああ、違うよ。僕も触れたい気持ちはあるけど、男だから。抑えられない時もあるんだ。ナナリーを困らせたくはないから」

「そんなことは」


 僅かに顎をひいたナナリーに、ライの手が伸びてその頭を優しく撫でる。


「やっぱり、ライさん、ちょっと子ども扱いしてますね」

「年齢の差は変えられないけど、ナナリーは、これから嫌でも大人に成長していくから、その間少しだけお兄さん面もさせてくれないか」

「・・・・ずるいです。ライさんだけ」


 今度は頬に熱を集めて、照れたようにそう言い返すナナリーは伏せた顔を上げると、掴んだ手から滑るように抜けた手を両手で伸ばして、ライを小さな体いっぱいで抱きしめて、嬉しそうに微笑んだ。
 身体を支えるようにしながらも、首へと回された両手に驚くようにナナリーを見ると、肩越しにナナリーの声が聞こえた。


「それなら、わたしはライさんが年下扱いできないように、もっと女を磨いて貴方を愛します」


 それを聞いてライの瞳が揺らぐと、照れを含んで小さな笑みをこぼして、それから困ったように眉を下げる。


「ナナリー、君が成長するのは僕も楽しみだけど、手の届く範囲でいてくれるかな」


 抱きついたナナリーが、ライと向き合うようにして、ライの顔を見つめると、


「どうしてですか?」

「あんまり女性としても魅力的過ぎると、他の男が放って置けなくなるから、心配になるんだ」

「それならおあいこですよ。わたしもライさんがそれぐらい心配になるときもあります」

「えっ・・・?」

「ライさんも、十分すぎるくらいに素敵なんですから、もっと自信を持ってください。じゃないと、私も心配になります」

「わかったよ。ナナリーに心配かけないようには努める。君には、お兄さんであるルルーシュと、咲世子さん、他にも心強い味方が多いから、みそこなわれないように、頑張らないといけないな」

「はい。わたしも付いて行けるように、頑張りますので、傍で見ていてくださいね」


 いつもと見比べると同一人物かと疑ってしまうくらいに、甘い雰囲気をまとったライが、無表情ではなく、知っているものが見たら、惚けてしまいそうな笑顔を浮かべた。
 それは、通りすがりに見た女の子達が、不意打ちの笑顔を見て、思わず黄色い声ではしゃぐくらい魅力的なものだったが、ライにはその自覚は全くなかった。
 何せ、ライに向けられた笑顔とそれを独占しているのは、恋人であるナナリーだけなのだから、ナナリーには表情で見えていなくても、伝わっていれば、ライには、それだけで十分なのだ。
 それから、ナナリーを車椅子へと戻すと、向かい合うように、くすぐったそうにクスクスと笑うナナリーと、ふっと目元を優しげに細めるライとで視線を交わす。其処には、暖かな空気が二人の周りに広がっていた。

留め

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