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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
孤独なる挑戦者
戦闘中に思わぬ誤算で怪我をしたライは、仲間に助けられ、治療を受けていた。
上空を行きかう聞いた事のない人の声、機械の音、どうすることも出来ず、ライは、ただぼやけた視界に映るその風景を眺めていた。
自分が寝ていることに気づいたのだけど、足も手も動かすことが出来ず、そのままライの意識は闇へと解けていった。
目覚めた視線はぼやけていて、天井を映す。
瞬きをする間に、此処はどこなのかを確認していると、カーテンの開く音がそばから聞こえた。
「なんだ。思ったより、元気そうだったな」
近づいた気配と声に横を向くと、其処に、C.C.がいた。
戦闘であったことを伝えたC.C.の話を聞くと、ライが口を開く。
「僕が、戦闘中に?」
「ああ、お前らしくないともいえなくもないが、あれは、敵の動向を読み間違えたこちらの責任もあるその詫びも入れて、ゼロが、後で直接お前と会って話がしたいとも言っていたな」
「ゼロ?」
先ほどからライの事を話しているというのに、どこか他人事のように戸惑うようにして首をかしげたライを見て、
「ーーーお前、まさか」
もしやと思ったC.C.の勘が当たる事となる。
ライの横たわる一室へと、ゼロが言葉のとおり訪れたのだが、ベットではなく窓辺近くに立つようにして外を見ているライに気づいて、ゼロが呆れた声を出す。
「ここにいたか。治りもまだと言うのに、怪我人がベットから抜け出し動き回るとは、感心しない。すぐに出すつもりはないが、早くに戦闘へと参加したいのなら、まず治すことが先決だ」
「・・・」
ゼロを見上げた、ライの瞳に違和感を覚え、ゼロが呼びかける。
「ライ?」
ゼロの様子を見ていたC.C.が、口を開いた。
「怪我は、安静していれば支障はないが、追加報告だ。怪我だけではなかったらしい」
「それは、どういうことだ」
ついと、視線をライへと向けたC.C.に、合わすようにして、ライを見ると、初めてあったときに向けたあの瞳が、自分を見てこういうのだ。
「ゼロ、とは。貴方の事なのか?」
「っ!?」
ラクシャータに改めてライの症状を調べてもらったものの、結果は予想通りの答えだった。キーセルをふかしながら、ラクシャータが口を開いた。
「さぁ、私は医者ではないわ。だけど、頭を打った反動で、一時的に記憶に障害が出来てるって事だけは、本当よ」
それを聞いたゼロは、考え込むように、
「一時的な記憶の欠如か・・・」
「会ったのは、私とお前だけだ。だが、まだ他のものには面会させていない。カレンや他のものにも、一応試してみるか?」
そうして、ライを他の者たちに、会わせて見たものの、特に前と変わりはなく接していた。一部、ゼロに関しての記憶だけが、忘れ去られたままになっているだけではあったが、あの日誓った約束が、記憶と言う曖昧なものに、壊れかけようとしていた。
学園に戻り、制服姿のライを廊下で見かけて、ルルーシュは後ろから声をかけた。
「ライ!」
「ああ、君は・・・」
振り返ったライは、怪我の包帯はなくなっているだけで、なんら変わりなかった。
「・・・ルルーシュ、ランペルージだ。此処の副会長をしていると会長から話を聞いていなかったのか?」
「ランペルージ・・・」
黒の騎士団での戦闘時の怪我により、一時的にゼロだけに留まらずルルーシュ一人を除いて、記憶障害を起こしていた。ライの事をこれ以上皆に、心配かけるわけにはいかないこと、こうなった理由を説明するのも抵抗があって、シャーリーの時のように、他人ごっこと周りには話してある。
だが、実際本当に、あんなに親しかった事が嘘のように、まるで始めてあったときに戻ったように、接してくるライを見るのは、正直ルルーシュにはつらいものはあった。
「ルルーシュ、で構わないさ。皆も似たように呼んでいる」
「ルルーシュ、か。・・・わかった」
呼ぶ声は同じなのに、接し方が、以前と異なっている為か、他人事のように聞こえた。
「ライ、その後怪我の具合のほうは、どうなんだ?」
「ああ、早急に治療を受けて、極偶に、頭が痛くなることがある程度だ。脳に受けた影響だからと話を聞いたから、安静にしていれば、大事はない」
「そうか。早く良く治るといいな」
ルルーシュなりに、前のように接しているつもりなのだが、どうにも違和感が残る。
「そうだな。ありがとう」
僅かに目を細めるようにしてライは言った。無表情だけど、時折見せる貴重な笑顔を見られる日を願って、ルルーシュは、気にするなと返した。
「つらいか」
部屋へと戻ってきたルルーシュに、ベットに腰掛けているC.C.が話しかけてきた。
「ああ、皆と同じくして、目的の為戦う事を願っているアイツには、つらいものかもしれない」
「お前が気にしていることは、そのことだけではないだろう?」
C.C.と同じくベットに腰掛けたルルーシュが、問いかける。
「・・・何が言いたい?」
「ルルーシュ、ライの記憶の中にはお前一人の記憶だけが、失われている。今の状態は、ギアスによるものではない。それゆえ、いつ戻るか、それともこのままの状態が続くのか、お前とて不安に思うのではないか」
「はじめに戻ったのなら、また再び作り直せばいいだけの話だ」
「そんなに簡単なものでもなかろう」
「どういうことだ」
背中からベットの上に倒れたC.C.が天井を見上げ、眼を伏せる。
「人の気持ちは移ろいやすいと言う。現に、お前とライの間には、他のもの以上に隔てを感じる。ライが拒んでいるのか、お前が避けているのか、そのどちらかだろうな」
「俺は、ライと約束を誓ったあの時から、考えは変わってはいない。それに、今更、なかったようにと戻る気も毛頭ない」
ベットから起き上がったC.C.は、面白そうに口元に笑みを宿して、ルルーシュへとチラリと伏せるように細めた視線を向ける。
「だとしたら、ライの方が拒んでいる、と言うのなら、話は変わるだろう。関係を修復するのは、難しい問題だな」
「・・・・」
それは、うすうす感じていた、危機感であった。
ライが、以前のように、一線引かれていると思うことは多々あった。
学園にいる時も、黒の騎士団としている時も、変わらぬ態度で接してくるライを見ると尚更に。
ルルーシュの考えを読むように、C.C.が口を開く。
「口約は、あくまで口約だ。ギアスのように、人を縛るものではない。だから、言っただろう。お前達は、甘いと」
気持ちと誓いを一つにした。ただそれだけの事だ。それが互いに強い絆と思っていても、障害で意図も簡単に失いかける。
C.C.のお前達は甘いという言葉の意味は理解していたとしても、ルルーシュは頷くことはなく、次の言葉を出す。
「口約にも関係にも制限があると言うなら、あいつを巻き込まないために、必要な嘘もあるだろう」
「ほぅ」
「政治にも世界にも反逆する俺が、たった一人をみすみす逃したりすると思うか」
聞いているのかいないのかその目でC.C.の様子を見ないままに、言葉を続ける。
「あいつを必要とする存在は、一人でいい。人を孤独にするというまでの力を持つギアス、前回のような暴走を防ぐ為にも、俺と同等の絶対遵守の力を持つものを他に知らない故に、ライの能力を含めて知っているからこそ、俺のそばにおいておく事が必要だと判断した。だから、諦めるその考えはない」
「そうか。では、お前の本気とやらを、見せてもらおう」
「ああ、傍観者でいるのなら、そのままでいろ。余計な情報は、アイツを混乱させるだけだからな」
「今後を楽しみにしているぞ。ルルーシュ」
部屋から立ち去るルルーシュの背中に向けて、C.C.が呟いた。
呼び出しを受けて屋上へと訪れたライは、予想外というように目を見開いた。
「ルルーシュ?」
「話があって、此処まで呼び寄せたがちゃんと伝わったようだな。ライ、俺がリヴァルに誘われ賭けチェスをしていることを知っているか」
言いながら、ルルーシュの方から、ライへと歩み寄る。
「ああ、それなら、シャーリーから話を聞いたことがある。それが、どうしたんだ」
ライの言葉を聴いて、ルルーシュの口元が怪しく笑みを刻み。
「なら話は早い。俺と一つ賭けをしないか?」
ルルーシュの言葉が、ライの耳に風が吹くと共に言葉が届いた。
それが、ルルーシュとライの関係の新たな始まりだった。
留め