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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
うわっ!、久しぶりに 書いちまったよ。
やっぱり、BLを書いてるほうが、落ち着きますねぇ。ってことで、甘々?
ルルーシュ×ライです。
お話は、続きからになります。
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見ているものが同じなだけ
雨がぽたりと落ちて、地面に跳ねた。
降り続いた細雨は、地面や人や物を濡らしていき、湿気をまとって、静かな空気を作っていく。
それでも、止ることはなく、人は動き続ける。
傘を広げた人々が行きかい、ワイパーを動かす車とヘルメットをしたバイクに乗る人達は、雨をしのぎ、それ以外の人達は、雨をよける様に屋根の下や室内の中へと、雨が止むのを待つ。
ルルーシュもその一人だった。
天気予想は見ていた、けれど、人の読みは自然と一致しないこともあるのだと、空を見上げた。
晴れだと言った天気は、どんよりと陰翳に、見えなくなってしまったのだ。
突然の雨に、頭から下へと濡れてしまった服を、持っていたハンカチで払うように拭う、外の寒さもまじって、雨を含んだ服がより一層寒く感じた。
ぽたりぽたりっと、髪の先から、雫がたれ、張り付いた髪をうっとおしそうによけてみても、なんら寒さは変わらない。
一向に、やむ気配のない空を見て、ルルーシュは、考えた。
ガチャっと、いつもどおりの音をたてて、玄関の扉を開くた。
背後から聞こえる雨声が、さっきほどよりも強く降り続いるのだと象徴するかのように響いて、止む気配もない事に、思い知らされ、雨裏、早々に帰ってきていたのだが、いつも迎える声と明かりがないことに、ルルーシュは、眉を顰めた。
ライは、まだ帰ってはいないのかと、気持ちさえも僅かに落胆した。
だが、此処でそういった感情に捕らわれたままというのも時間の無駄と思ったのか、ルルーシュは、気持ちを切り替えるかのように、履いたままの靴を脱がすために、手を足へと持っていった。
「おかえり」
ルルーシュが靴を脱ぐ途中、明るりが点り、手元にある靴がよく見えて、振り返れば、タオルを頭からかぶった、ライが立っていた。
「電気も付いてないから、何処かへ出かけていたのかと思ったが、風呂にでも入っていたのか」
「いや、さっきまで、外で買出しに出ていたのだけど、急な雨が降って、帰ってきたところだ。玄関で音がしたから、ちょうどよかったな」
ライは、ルルーシュへとタオルを差し出す。
「とりあえず、風邪をひく前に、それを乾かそう。寒いだろう?。先にお風呂に入って、体を温めておいたほうがいい」
「お前がそう言うなら、言葉に甘えさせてもらおう」
そうして、ルルーシュは、ライからタオルを受け取った。
仕事着から、普段着へと着替えをして明りのついた室内へと戻ってきたルルーシュは、キッチンで、先ほどの服にエプロンをつけて、包丁を片手に、野菜を切っていたライを眼にして、優しげに紫の瞳を細める。
ルルーシュの視線にも、気付かないのか、作業したままのライは、
「今日は、思うところがあって急遽、献立を変更して、寄せ鍋にしてみたんだ。その方が、体も温まるだろうから」
ようやく、顔を向けたライに、小さく笑って、ルルーシュがキッチンへと入ってきた。
「後は、食材を切るだけだ。用意が整うまで、待っていてくれ」
ライの隣に並ぶようにして、いつの間にか、腕まくりした片手で包丁を持つルルーシュに、ライは声をかけた。
「ルルーシュ?」
「準備だけだろう。二人がかりの方が、早い」
そう言いながら、手に取った野菜をまな板の上で、食べやすい大きさに揃えていく。
料理は、手慣れていると、前々から知ってはいるのだが、ライは眉を下げるようにして、
「いいのか?。仕事を終えたばかりだというのに」
「仕事に比べれば、たいした労働ではないな。それから、二人きりの時は、妙な気遣いは無用だと言っただろ」
そう言って、ルルーシュに甘い顔をされるのだ。そうすると、目を伏せたライは、それに何も言い返せないようで、黙って、下準備を始めた。惚れた弱みか、向けられた背中が、見てもないのに照れていると思えてしまうことに、ルルーシュは笑う。
「下準備できた具材をのせたお皿と、取り皿と、箸と、それから、卓上コンロ、その上に置く鍋と、食卓に徐々に鍋の用意が整えられていき、ようやく、向かい合うように座った二人は、だし汁を煮立て、火力を弱火にしてから魚介・肉類など入れ灰汁をとりながら、残りの材料も入れていると、カチと音もなく突然、部屋の明かりが暗闇へと消えた。
「停電、か…」
「ああ、先日、張り紙に停電検査とあったから、復旧するまでしばらくは待つしかない」
「今頃か?」
「ああ、だか、電気のない空間というのも不慣れではあるが、それで、気付くこともいろいろあるだろう。まぁ、だが、コンロの灯り以外、暗闇で食事と言うのは、あまりなかったな」
不意に、立ち上がった音と気配が、どこかへと離れていくのに、ライがひきとめた。
「ルルーシュ?」
「ああ、すぐ、戻る」
その後、灯りをもってきたルルーシュは、それをテーブルや部屋にいくつか置くことで、ほんのりだが、明るく照らされた。
揺らめく蝋燭明かりに、目をやっていたライに、ようやく準備を終えた、ルルーシュが真向かいに座った。
「この方が、雰囲気も、少しはマシになっただろう?」
ぐっぐっと煮た具材が埋め尽くす鍋の向こうにいたライが、炎に似た光を灯した銀の瞳を瞬くようにしてから、
「確かに、君の顔が見れるほどになっているな」
「ああ、こうした雰囲気には、見ているものがなくては、食事ものどをとらなくなる」
「見ているものか…僕は、会話だけでも、それなりに楽しめると思うが」
「俺が、声だけで、満足できると思うか?」
俺がの後は、何故か囁くようにひそめられた。その言葉とその態度が、ライの中で、前に聞いた時の情景を思い起こさせ、鍋の暑さではない熱をもつ前に、それを隠すかのように、横を向いて目を伏せた。
「っ?! 食事時に、妙な事を思い出させるなっ」
「ほぅ、何を思いだした? お前の口で聞かせてくれないか」
からかっているのだろうっと、一瞥した時、ルルーシュの細めた視線と目があって気付いたが、ライは、表情を無表情に作りつつも、眉だけは顰めたまま、
「そろそろ、頃合いじゃないか。あまり長くしては、煮立ってしまう。…食事に入ろう」
「そうだな……、後にでも、出来る話だ」
「っ!?。……いただきます」
ライの言葉を合図に、いつも通りの少しだけ違った雰囲気の中、二人だけの夕食がはじめられた。
テレビの声も、音楽もなく、時折交わす二人の会話に、その存在を主張するように、湯気を立ち上がらせ、ぐっぐっと鍋と微かに聞こえる卓上コンロの音だけが、色どりを添えるように、聞こえるだけだった。
カーテンで仕切られた外では、まだ、雨が降っていた。
先ほどよりも、幾分か弱い雨となって、地上にあるすべてを濡らしていく。
雨が、止むのは、そう遠くはないように思えるのだった。
[留め]