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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
君が口にするApril Fool's Day
「どうして、この格好なんだ?」
「わぁ、可愛い」っと、声を出すシャーリーを気にすることなく、ミレイに問いかけるように,視線を向ければ、明るく返された。
「そりゃもう、本日の主役ですから」
「…妙に、はめられてる気がするが」
「気にしないの。さぁ、頑張って行ってきなさい」
「何故、こんなことに」
ライは、不満そうに眉をひそめながらも、生徒会室を後にした。
「さて、どうなる事やら」
ミレイだけは、やけに楽しそうにしていた。
「っ、何だ。その格好は?!」
ルルーシュの驚きの声と共に、よりライへと向ける視線が、集まる。
「どうしたんだい?。その格好」
「・・・ああ、これは、ミレイさんが、僕の誕生日の贈り物にくれたものだ。スザク達にもお披露目して来いと言われ、学園内を歩いていたのだが、今は晒しものになっているが」
周囲の視線を意識してか、それらに視線を向けないようにしつつも、頬の赤味だけは隠せず、何とも可愛らしい様子に映る。
「会長に、いいように遊ばれてるだけじゃないのか」
「僕もそう思う。だが、好意にくれたものを、今更断るわけにはいかない」
「だが、しかし」
柔らかな色合いの長い髪とわざわざ同じ毛色のカチューシャに、フサフサしっぽ。犬といった姿で、どう見ても、ライを使って、遊んでいるとしか思えない有様だが、羞恥に耐えて、目を伏せたその表情が、いつもよりも、違って見えるから、不思議だ。
「なんだ?」
「いや、お前は知らなくていいことだ」
「?」
誰も声かけれないのか、それとも、ライに魅入ってしまっているのか、そんな周囲とは別に、声をかけてきた者がいた。
「お、ライ。随分と、変った格好をしているな。それもイレブンの風習なのか?」
「いや、多分、違うだろうと思う」
「へぇ、そうなのか。それなら、そうだ。お手」
「…?。何の真似だ?それは」
「それは、犬の格好なんだろう?」
「ああ、だが、僕は犬ではない。勝手に、飼い犬にするな!」
その時、ライの声が、三人の意志内に入り込むくらいに響いて、それから、ライの予想もつかなかった発言で返された。
「飼い犬、ではないか…、では、飼い主がいるのならいいのか?」
「…何の事だ」
「飼い主って、何言ってるんだよ。ジノ」
「ああ、突飛なことをおおぴらに公言するものではないな」
そう言って、咎めていたスザクの次の言葉に、ライは、驚く。
「そうだよ。僕が、飼い主なのに」
「っ、スザク!?」
何をっと向けたライの困惑した視線を見ることもなく、ルルーシュが口をはさむ。
「スザク、妙な事を言うのはやめろ。それに、飼い主であるというなら、それは俺だろう?。一番、初めに拾ったのは、俺だからな」
「まっ、待て。何を言って」
そこで、ライは、気付かされた。皆の様子が、急に可笑しくなったのは、ギアスのせいではないのかと。それでも、気付くのには遅かったらしく、ライの心境も知らずに、話はどんどん可笑しな方向に進んでいく。
「えっ、あの時、ミレイさんもいたはずだよ。それをいうなら彼女も当てはまるんじゃないのか?。それに、飼い主なら、そうだと決める証拠があるはずだろう」
「ああ、それなら、今日にでも、買いに行こうと思ってた。そうだな、ライ?」
「いや、ちょっと待てくれ。何か可笑しな展開になってないか?。それに、ルルーシュ、何を買いに行くつもりだ」
ライの三人の間に入り込むように、口を出すのだが、それを別の事に受け止めた連中は、
「ほら、当人も嫌がってる、無理強いはよくないと思いますけどね。先輩?」
「懐かせていけばいい話だ。…それに、飼いならすのなら、多少は骨があった方がいいだろう?」
「飼いならすって、僕は」
「君はそう思っていたとしても、ライはそれをどう思う?」
「…それなら、飼い主は、ライに選ばせるというのは、どうだ」
「うん、その方がいいね」
「じゃあ、ライ先輩に、聞きますか。あ、誰を選んだとしても、責任は取ってくださいね」
「無論だ。答えの決まっていることを、再確認するだけの話だろう?。ライ、誰が飼い主か、答えは既に用意しているな。それをこの場で示してやれ」
「アーサーごと、きちんと受け止めるから、遠慮しなくてもいいよ」
「ライ先輩、迷うなら誰を選ぶ必要もないでしょう。私が責任を取りますから」
ギアスの力とはいえ、この状態に憤りを覚えたライは、顔をうつむかせ、小さく震えるようにして、小声を漏らした。
「…っ、ふざけるな」
「ライ…?」
名前を呼ばれ、はっとしたライは、苦味をかみつぶしたような顔をして、三人に背を向けるようにして、走り去って行った。呆然とした、三人を残して。
「ああ、行ってしまった。軽い冗談だったのに」
「知っているのかもわからないうちに、嘘をつくのは、相手にも悪いんじゃないか」
「そう言って、先輩も楽しそうだったじゃないですか」
「俺は、口裏を合わせただけだ。先に始めたのは、お前の方からだろう?」
「はぁ。まったく、二人とも」
「お前だって、人のことを言えたことではないだろう」
「そうだけど、後でちゃんと謝っておかないとね。それにはまず、今日の説明をしておかないと」
「エイプリルフールか。しかし、よくもまぁ、咄嗟にあんな嘘が思いつくな」
「まぁ、俺もそう思いますけど、ライ先輩の恰好から、既にサプライズされた気分で、多少高揚したのかもしれないから思いついたのかもしれませんね」
「格好?、ああ、確かに、意外と似合ってたね。あれは」
「スザク、今の言葉、本人の前で決して使うなよ」
そうして、喋っている三人を残して、急ぎ足に生徒会へと戻ってきたライは、後ろ越しに扉を閉めた。
一息ついたところで、ミレイが、近寄ってきた。
「どうだった?。ルルーシュ達の反応は」
「ああ、驚いていたよ。ミレイさんが言うような事も向こうも言ってきたので、怒った風に装って、戻ってきたんだが、本当にこれで良かったのか?」
「ふふっ、何をいまさら。今日は、エイプリルフール、なんて、貴方には初めてだから、あなたにもいい経験にもなるじゃない。さてと、これからが本番ね」
「嘘をついても、許される日か」
「そうよ。だからこそ、今日という日を思いっきり、楽しまないと」
それから、しばらくの間、嘘と嘘の対決が繰り広げられた。果たして、タイムリミットが迫るまでの間、一番はじめに笑うのか誰なのか。
それは、今日という日の最後に結果となるのだった。
【続く… 嘘です。 終わり】