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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★2009/06/12 (Fri)
ロロで、新婚さんごっこ。お話の書き方を最近忘れていってるので、なんだか、変なものになってしまったけれど、BL書きたかったかったから、いいよね。

ロロ×ライです。
続きからになります。

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蜜月の罠





「これって、特権って言うんですか?」


 時間は、夕方から夜へと変わる頃。
 ソファに座って、本を読みかけ途中のライの手から、本を奪い取って、にっこりと上機嫌に笑みを浮かべて、そう言ったのは、ロロだった。


「何がだ?」

「今この場の、この状況がですよ」

「ロロ、話がしたいというなら、そういえばいい。なのに、どうして奪う必要があるんだ」

「ライさん、奪うのは、僕へと注意を向けるためです。油断していた、ライさんの負けですね」

「・・・」


 困ったようにして、目を向けるライに、その視線を避けるかのように、ロロは、取り上げた開いた本を、読みもしないはずのその中身に目を通す。
 表情からも興味のない様子が伝わって、溜息をついたライは、


「ロロが、君が思うようなものではなかったろ? 気がすんだのなら、もういいか」 

「なんですか、その手は」


 本を差し出せといわんばかりに、手を出すライに、ロロは、わかっているはずなのにわざと、とぼけて見せるのだが。だからと言って、引き下がるライではなかった。


「話があるなら、後でいくらでも聞こう。とりあえず、それを僕に返してくれないか」


 ライから、本へと視線をやったロロは、


「ああ、これですか」


 ライへと、返すように本を差し出すと、受け取る途中で、逃げるようにして、天井へと本を持った手を向けた。


「ロロ?」


 困惑したまま見上げるライと視線を交えたロロは、息をついて、さっきの本を手元に戻した。


「もしかして、拗ねていたのか?」

「僕が、拗ねた? いいえ、嫉妬しただけです」

「嫉妬? 一体何にだ」

「貴方の視線を独占しているから、少しいらだって、意地悪してみたくなっただけです。気にしないでください」


 そう言って、ライの隣に座ったロロの横顔が、無表情であったものの、なんだか寂しいそうに見えて、普段なら見逃しがちだが、甘えることが不得意なロロの遠まわしなアプローチ、それを誰よりも知っていて知ってしまったからには、読みかけの本にまた意識を向ける出来るはずもなく、開きかけの本をパタリと閉じると、静かな室内に乾いた音が響く。


「なんですか?」


 ロロの髪が、クシャリと髪を乱されたのは、ライが触れたからだった。
 不意に触れた手に、少し驚いたようにして、それから、迷惑そうに顔をゆがめた。内心は、嬉しい気持ちを露にしていることを現すように、表情と言葉以外で、ライの手を払うことも逃げることもなく、そのままだった。


「何のつもりなんですか。これは」


 そうして、向けたライの視線は、さっきの意地悪にも気にしていないようで、心配していた怒りの感情もなく、ただ無言で髪を撫でる。
 撫でられていく感覚に、気持ちまでも緩みそうになって、だんだんときつい視線がほどけていき、ついには、言葉も出なくなって、悔しそうにライから顔を逸らして俯いたロロは、口をへの字に曲げる。
 微かな笑い声を耳に聞いて、離れたぬくもりに名残惜しくて、思わず視線を向けて、その手を掴んで引き寄せる。


「ロ・・・」


 ライの自分の名前を呼ぶ声を、ロロの唇が塞いだ。押し付けるかのように。
 目を閉じて、ロロの苛立ちげに開けた瞳が見たのは、至近距離にあるライの綺麗な瞳だった。


「ライさんは、甘すぎる。時々それが、僕の中で醜い感情を生むんだ。どうしてくれるんですか」


 かすれた声で囁いたロロの声を聞いて、ライの瞳が伏せるようにしたけれど、引き寄せたロロの手は強くとも、ライから離れる事もなかった。


「それは、僕が原因なのか」

「簡単に言えば、そうなりますね」

「・・・といわれても、僕には君にやれることは、あまりない」

「ライさんが、そう思ってるだけでしょう。僕にもやれることがあるように、貴方にしかやれないことだってあるのだから。ああ、そうですね。今から、答える時間を与えましょう。それまでに、貴方ができる事を、今一度よく考えてください」

「・・・・・・」


 少しの沈黙が降りて、動き出したのは、ライからだった。
 髪へと手を伸ばして、さらりと撫でると、


「甘えさせることか」

「・・・残念ですが、時間切れです」

「えっ?」


 驚く声と共に、ライの身体が後ろに倒れた。
 乗り上げるように、ロロがいて、ライを見下ろす瞳は冷たかったものの、口元はどこか楽しそうだった。


「誰かを甘えさせるだけなら、僕じゃなくても出来ますよ。ライさんなら。だけど、僕が欲しいものは、甘えではなくて、子供じみた独占欲ですから」

「ロロ・・・」


 自分よりも年上で、背の高いライを組み敷き、尚且つ、普段は感情のおおきく変わることもないライがわかるくらいの戸惑いを見せて、揺らぐ瞳を独占できる状況に、なんともいい難い高揚感に包まれながら、目を細めるようにロロは、笑った。
 

「だから、今度は、ライさん、貴方が甘える番ですよ」


 そう言って、ライへと近づいた気配に、ソファが軋むがそれすらまるで耳にしていないかのように、ライの耳元でキスをして、囁いた。


「これから、素直に僕だけに見せてくださいね」

 
 息が触れて、びくりと僅かに身体を浮き上がられたライへと、微かに笑って、ロロの手でライの顔を背けさせて、首元をもう一つの手で素肌を露にしていく。
 そして、ロロの仕掛ける痛みに、ライの声が悲鳴を漏らすのだけど、聞いた途端に離れて、ロロは打って変わって宥めるような優しさで首元を手でなぞって、悲鳴を上げた口を自らの口で塞いだ。
 そうしていくうちに、目の端から流れるライの涙を、月を思わせる銀の瞳を綺麗に思いながら、ロロは、止めることもなく、ライの時間をただ一人で独占するのだった。
 邪魔をしたのは、インターホンの音だけで、それも数回鳴ったけれど、何の反応もないうちにそれも終わる。
 そうすれば、再び、ロロとライだけの時間に戻るのだ。この部屋の中で。
 閉め忘れた白いカーテンの向こうから、夜空と月が覗いて見えた。


[留め]

お題
配布元:TV

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