コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
★ カテゴリー
カテゴリー別に分かれていて、下に表示されるようになっています。
----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
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★ お気に入り
★2009/06/20 (Sat)
Girls Dream of bubble・番外編 お手を拝借、お姫様
合コン設定つれた場所で、男が8人、女が二人という極端な人数で始まる物語があった。
「じゃあ、さっさと始めろ」
「何故、お前が仕切る。C.C.」
幹事であるルルーシュに、薄く笑うようにしてC.C.が言った。
「相手側の女がいないからと、呼んだのはお前達だろう」
「呼んだはしたさ。それは、ライ一人をな」
「ほぅ、此処までつれてきてやったのに、その言い草か」
「待ってよ。ルルーシュ、ライを呼んだのは確かに僕達だけど、だからって、連れてきた彼女まで追いかえす事はないよ。せっかく一緒に来たんだから、皆で楽しもうよ」
C.C.の性格を知らず、スザクが庇うような言葉に、ルルーシュは、眉を寄せるが、それでもC.C.は目を細めて、ルルーシュを見る。
「と、言ってるが、どうする?」
「・・・」
難しい顔で黙ったままのルルーシュに、スザクは何か問題でもあるのだろうかと名前を呼ぶ。
「ルルーシュ?」
「(合コンに付き合わされることにはなったが、その相手となる待ち合わせの人物達がロロの策略により男ばかりが集められ、肝心の女が誰一人いないという状況下。ライを誘っては見たものの、何故かC.C.までついて来ているとは想定外だ。C.C.を追い出すのは簡単だが、それで、ライ一人で俺達の相手にするというのは、このメンバー相手だと考えると、ライひとりでどうかなるという問題ではないな。ライの為にも、C.C.は此処に残すべきだろう)・・・いいだろう。その代わり、大人しくしていることだ。それが出来なれば、すぐに追い出す。いいな」
「フッ、そうだな」
「では、参加の定義として、二人に殺し文句を言ってもらいます」
ロロのにこやかな宣言に、ルルーシュが口を挟む。
「ちょっと待て、ロロ。いつから、そんなルールが出来た」
「今からですよ。兄さん。それに、言いましたよね。殺し文句は大事だと」
「・・・」
それに、C.C.が笑みを含むようにして、
「殺し文句? 女一人いないという状況で、男同士で言い合ってたのか?お前達は」
「・・・それがどうした。どれほどの力量か、ある程度互いに把握するには、必要なことだと思ったまでだ」
「ふーん。そういうことにしておこうか」
C.C.の言葉をこれ以上取り合わないことにして、ルルーシュが口を開く。
「しかし、すぐにそんな殺し文句が言えるとは思っていない。少し考える時間がお前にも必要だろ」
「そんな時間は要らないな。私とて、それぐらいの言葉は常に持っている」
「ほぅ、では、お前の殺し文句を、早速聞くとするか」
ルルーシュの言葉に、C.C.はサラリと言った。
「お前のために、ピザを焼いた」
「・・・それの何処が、殺し文句だ」
「私は、好きだぞ?」
「お前が好きなのは、ピザの方だろう」
「今のところはな」
「じゃあ、次は・・・」
ロロの言葉にに、ルルーシュがライへと顔を向けて、
「・・・ライ、思いつかなければ、無理して言うこともない。急遽出来たルールとはいえ、強制ではないからな」
「私と違って、えらく態度が変わるじゃないか。ルルーシュ」
無言で返すルルーシュに、口の端をあげるようにしてC.C.は、思いついたとばかりに、隣に座るライへと向けて言った。
「ライ、口説き文句なんてそう簡単に思いつかないだろう。いい考えがある。耳を貸せ」
「?」
不思議に思いながらも近づける耳を傾けたライに、口元に手を当てるようにしてライにしか聞こえない音量で、C.C.は話をし始める。
ルルーシュ達の座るほうからは、C.C.の動く口元と、それに頷いたりで何らかの表情を見せるライしか、わからなかった。
姿勢を元へと戻したライは、柳眉を下げて、
「今の言葉を言えばいいのか?」
「ああ、お前の言葉を待ってる。あいつらに聞かせてやれ。そう難しくはないだろう」
「・・・」
「それから、オプションして、今言ったことにつけて」
もう一つアドバイスをC.C.から受けて、話を終えたところを見計らったようにルルーシュが声をかける。
「準備は出来たか?」
「ああ」
「では、始めてくれ」
ライは、緊張したようにして、薄い唇を開いて、
「僕を、君の手で女にしてくれないか?」
艶やかな唇が動いて、恥ずかしげに言うと同時に、瞳を潤ませた上目遣いは熱を含んで、その場の男共が、ドキリとしてやられた中、ライの言葉がルルーシュの中で反響して、頬を染める。
「C.C.、皆が固まってる。やはり、僕があの言葉を言うのは、可笑しいのではないか」
天然で人の気持ちに鈍感なライは、やはり周りの状況が、見えていないらしい。
「お前が言うから、効果があるのだが、そうだな。男相手に使うのは今日くらいにしておいた方がよさそうだな」
「ああ、言うまでもなく、そうするよ」
「言いたくなったら、私に向かって使えばいい。変えてやろう。私の手で」
「C.C.に?」
「女同士なら、恥ずかしいことは何もないだろ。私なら、叶えてやれるぞ」
「・・・覚えておく。女になりたいと本気で考えたときは、君に頼むとしよう」
この場の皆が考えることを大きくはずして理解しているライが、真面目にそう告げると、
「待て、ライ。」
「?どうしたんだ、ルルーシュ」
「さっきの言葉は、男だけじゃなく女にも」
使うなと言おうとしたところを、C.C.に遮られてしまう。
「話はこれくらいにしておけ。さぁ、次はゲームに移るぞ。王様ゲームとやらに」
「王様ゲーム?」
「・・・・王様ゲームとは」
王様ゲームを知らないライに、ルルーシュが説明をし終わったところで、ゲームが始められた。まず最初の王様となったのは、
「私だな」
割り箸の王様の印のある方を、見せ付けるようにして、C.C.が笑う。
「・・・C.C.か、さっきはピザ数枚を奢るとだけで終わったが、次は、なんだ。また食べ物か、飲み物か、それともチーズ君か?」
「私一人ピザを食べてるのは、忍びない。そこでだ、三番と五番とでポッキーを食べることを許可する。ただし、片側ずつ食べるポッキーゲームだがな」
「どうして、そうなる」
呆れたように目を眇めるルルーシュとは、別にライのほうは、聴きなれない単語に頭の上にクエスションマークを浮かべていた。
「ポッキーゲーム?」
「ライが五番か。三番は誰だ」
「!?」
ルルーシュが再び王様となった、C.C.に気をとられて、急いで自分の番号を確認するが
「うむ。私が三番だ」
ルルーシュではなく、ジェレミアが挙手をした。
落ち込む者がいるなら、そんな中で数人がポッキーゲームの末路を、知った。ジェレミアは、特に不安要素はないようだったが、ライの方はというと、
「ライ、口を開け」
えっと開いた口に、するりとポッキーを滑り込むようにして、C.C.の手で入れられる。
「いいか、そのまま大人しく咥えているのだぞ」
「ん」
落とさぬようにと咥えているものの、視線は横に立つC.C.を見上げて、説明を問う。
「心配するな。後で説明する」
と、その様子に気づいたのか、小さく笑ってC.C.はそう口にした。
その頃、ジェレミアは、
「ジェレミア、わかっているな」
ルルーシュの視線が安易に、これはあくまでゲームであって、本気で勝負に出なくていいと、目を鋭めて、ジェレミアを見る。
ルルーシュの意思を読んで、頷くジェレミアは、
「(こうした合コンとはいえ、このような場であっても、負けは許さないと言うことか、その主の御意思、私もそれに答えなければならない)・・・・承知した」
ルルーシュの無言の訴えは、ジェレミアの中では別の解釈をしたようだ。
「では、号令を頼む」
ジェレミアはそう言って、ライの目の前へとやってきた。向かい合うようになって、ポッキーを咥えたジェレミアに、その意味さえもまだ知らず、ライが、僅かに逃げ腰になる。
「っ!?」
「ライ、今引いたら、お前の負けになる。男であるというなら、逃げるのは
男らしくないと思わないか」
「・・・」
若干浮いた腰を黙りこんだまま椅子へと戻したライ、口を耳朶に寄せて、C.C.が内緒話をするように、意地悪に目を細めて言った。
「では、ポッキーゲームについて教えよう。今お前が咥えるそれとは反対に咥えた相手がいることで始まる。お互いに咥えているポッキーの端を食べ進めて、先に逃げたほうが負けという単純なものだ。早く止めたいのなら、ちょっとでいい触れる寸前で、お前から終えてしまえばいい。早くしないと、眼の前のそいつにキスされることになるな」
「!!」
C.C.の言葉に驚いたライを一瞥しつつも、視線で促されたルルーシュが合図を出した。
「それでは、はじめろ」
ルルーシュの合図をきったと同時に、すさまじい勢いでポッキーをかじりだすジェレミアに、一時的に圧倒されるライ。
「・・・っ!?」
戦闘の時のような真に迫るジェレミアの顔が、目を血ばしらせたまま、刻一刻とライの距離をつめ始める。ライが、それに気づいて、動き出すころには、ライの進めるほどのポッキーは、残り少なくなっていた。
ライも少しずつかじりだしても、じりじりと近づいて来るジェレミアが迫る勢いで攻めてくる。
ポッキーの幅が数センチ、あと少しで、唇が触れそうになる頃、男のプライドを守るか、それを捨てるかの瀬戸際に立たされ、早く終われとばかりに覚悟を決めて、ライは目を閉じた。
「?」
不思議なことにその後何もなく、ライは恐る恐る静かに目を開けたのだが、そこにジェレミアが目の前から消えていた。いや、正しく言えば、床に沈んでいた。
「ライさんの勝ちですね」
「そう、なのか?」
「はい。このとおり、相手が戦闘不能となりましたので、必然的にそうなりますね」
さっきはいなかったスザクとジノが自分の席へ戻っていくのが、見えた。 にっこりと笑うロロの後ろで、ルルーシュが床に沈んだジェレミアの襟元をつまみあげて、ガクガクと揺さぶりながら、怒っていた。
ライは何が起こったのかは、見てはいなかったものの、どうにかキスは避けられた事を知る。誰が阻止してくれたのだと、そのことにほっと安堵するのだが、そこで思う。ゲームであるのだから、勝敗つける前に強制終了させてしまっていかがなものかと考えたが、あのままだったら当然のような結果が待ち受けてるのだと安易に思い浮かべ、寒気を覚えたライは、ぶんぶんと首を振って、あの深く刻まれた怖いほどの、差し迫るジェレミアの顔を頭の隅へと追いやった。
【番外編・続く】
合コン設定つれた場所で、男が8人、女が二人という極端な人数で始まる物語があった。
「じゃあ、さっさと始めろ」
「何故、お前が仕切る。C.C.」
幹事であるルルーシュに、薄く笑うようにしてC.C.が言った。
「相手側の女がいないからと、呼んだのはお前達だろう」
「呼んだはしたさ。それは、ライ一人をな」
「ほぅ、此処までつれてきてやったのに、その言い草か」
「待ってよ。ルルーシュ、ライを呼んだのは確かに僕達だけど、だからって、連れてきた彼女まで追いかえす事はないよ。せっかく一緒に来たんだから、皆で楽しもうよ」
C.C.の性格を知らず、スザクが庇うような言葉に、ルルーシュは、眉を寄せるが、それでもC.C.は目を細めて、ルルーシュを見る。
「と、言ってるが、どうする?」
「・・・」
難しい顔で黙ったままのルルーシュに、スザクは何か問題でもあるのだろうかと名前を呼ぶ。
「ルルーシュ?」
「(合コンに付き合わされることにはなったが、その相手となる待ち合わせの人物達がロロの策略により男ばかりが集められ、肝心の女が誰一人いないという状況下。ライを誘っては見たものの、何故かC.C.までついて来ているとは想定外だ。C.C.を追い出すのは簡単だが、それで、ライ一人で俺達の相手にするというのは、このメンバー相手だと考えると、ライひとりでどうかなるという問題ではないな。ライの為にも、C.C.は此処に残すべきだろう)・・・いいだろう。その代わり、大人しくしていることだ。それが出来なれば、すぐに追い出す。いいな」
「フッ、そうだな」
「では、参加の定義として、二人に殺し文句を言ってもらいます」
ロロのにこやかな宣言に、ルルーシュが口を挟む。
「ちょっと待て、ロロ。いつから、そんなルールが出来た」
「今からですよ。兄さん。それに、言いましたよね。殺し文句は大事だと」
「・・・」
それに、C.C.が笑みを含むようにして、
「殺し文句? 女一人いないという状況で、男同士で言い合ってたのか?お前達は」
「・・・それがどうした。どれほどの力量か、ある程度互いに把握するには、必要なことだと思ったまでだ」
「ふーん。そういうことにしておこうか」
C.C.の言葉をこれ以上取り合わないことにして、ルルーシュが口を開く。
「しかし、すぐにそんな殺し文句が言えるとは思っていない。少し考える時間がお前にも必要だろ」
「そんな時間は要らないな。私とて、それぐらいの言葉は常に持っている」
「ほぅ、では、お前の殺し文句を、早速聞くとするか」
ルルーシュの言葉に、C.C.はサラリと言った。
「お前のために、ピザを焼いた」
「・・・それの何処が、殺し文句だ」
「私は、好きだぞ?」
「お前が好きなのは、ピザの方だろう」
「今のところはな」
「じゃあ、次は・・・」
ロロの言葉にに、ルルーシュがライへと顔を向けて、
「・・・ライ、思いつかなければ、無理して言うこともない。急遽出来たルールとはいえ、強制ではないからな」
「私と違って、えらく態度が変わるじゃないか。ルルーシュ」
無言で返すルルーシュに、口の端をあげるようにしてC.C.は、思いついたとばかりに、隣に座るライへと向けて言った。
「ライ、口説き文句なんてそう簡単に思いつかないだろう。いい考えがある。耳を貸せ」
「?」
不思議に思いながらも近づける耳を傾けたライに、口元に手を当てるようにしてライにしか聞こえない音量で、C.C.は話をし始める。
ルルーシュ達の座るほうからは、C.C.の動く口元と、それに頷いたりで何らかの表情を見せるライしか、わからなかった。
姿勢を元へと戻したライは、柳眉を下げて、
「今の言葉を言えばいいのか?」
「ああ、お前の言葉を待ってる。あいつらに聞かせてやれ。そう難しくはないだろう」
「・・・」
「それから、オプションして、今言ったことにつけて」
もう一つアドバイスをC.C.から受けて、話を終えたところを見計らったようにルルーシュが声をかける。
「準備は出来たか?」
「ああ」
「では、始めてくれ」
ライは、緊張したようにして、薄い唇を開いて、
「僕を、君の手で女にしてくれないか?」
艶やかな唇が動いて、恥ずかしげに言うと同時に、瞳を潤ませた上目遣いは熱を含んで、その場の男共が、ドキリとしてやられた中、ライの言葉がルルーシュの中で反響して、頬を染める。
「C.C.、皆が固まってる。やはり、僕があの言葉を言うのは、可笑しいのではないか」
天然で人の気持ちに鈍感なライは、やはり周りの状況が、見えていないらしい。
「お前が言うから、効果があるのだが、そうだな。男相手に使うのは今日くらいにしておいた方がよさそうだな」
「ああ、言うまでもなく、そうするよ」
「言いたくなったら、私に向かって使えばいい。変えてやろう。私の手で」
「C.C.に?」
「女同士なら、恥ずかしいことは何もないだろ。私なら、叶えてやれるぞ」
「・・・覚えておく。女になりたいと本気で考えたときは、君に頼むとしよう」
この場の皆が考えることを大きくはずして理解しているライが、真面目にそう告げると、
「待て、ライ。」
「?どうしたんだ、ルルーシュ」
「さっきの言葉は、男だけじゃなく女にも」
使うなと言おうとしたところを、C.C.に遮られてしまう。
「話はこれくらいにしておけ。さぁ、次はゲームに移るぞ。王様ゲームとやらに」
「王様ゲーム?」
「・・・・王様ゲームとは」
王様ゲームを知らないライに、ルルーシュが説明をし終わったところで、ゲームが始められた。まず最初の王様となったのは、
「私だな」
割り箸の王様の印のある方を、見せ付けるようにして、C.C.が笑う。
「・・・C.C.か、さっきはピザ数枚を奢るとだけで終わったが、次は、なんだ。また食べ物か、飲み物か、それともチーズ君か?」
「私一人ピザを食べてるのは、忍びない。そこでだ、三番と五番とでポッキーを食べることを許可する。ただし、片側ずつ食べるポッキーゲームだがな」
「どうして、そうなる」
呆れたように目を眇めるルルーシュとは、別にライのほうは、聴きなれない単語に頭の上にクエスションマークを浮かべていた。
「ポッキーゲーム?」
「ライが五番か。三番は誰だ」
「!?」
ルルーシュが再び王様となった、C.C.に気をとられて、急いで自分の番号を確認するが
「うむ。私が三番だ」
ルルーシュではなく、ジェレミアが挙手をした。
落ち込む者がいるなら、そんな中で数人がポッキーゲームの末路を、知った。ジェレミアは、特に不安要素はないようだったが、ライの方はというと、
「ライ、口を開け」
えっと開いた口に、するりとポッキーを滑り込むようにして、C.C.の手で入れられる。
「いいか、そのまま大人しく咥えているのだぞ」
「ん」
落とさぬようにと咥えているものの、視線は横に立つC.C.を見上げて、説明を問う。
「心配するな。後で説明する」
と、その様子に気づいたのか、小さく笑ってC.C.はそう口にした。
その頃、ジェレミアは、
「ジェレミア、わかっているな」
ルルーシュの視線が安易に、これはあくまでゲームであって、本気で勝負に出なくていいと、目を鋭めて、ジェレミアを見る。
ルルーシュの意思を読んで、頷くジェレミアは、
「(こうした合コンとはいえ、このような場であっても、負けは許さないと言うことか、その主の御意思、私もそれに答えなければならない)・・・・承知した」
ルルーシュの無言の訴えは、ジェレミアの中では別の解釈をしたようだ。
「では、号令を頼む」
ジェレミアはそう言って、ライの目の前へとやってきた。向かい合うようになって、ポッキーを咥えたジェレミアに、その意味さえもまだ知らず、ライが、僅かに逃げ腰になる。
「っ!?」
「ライ、今引いたら、お前の負けになる。男であるというなら、逃げるのは
男らしくないと思わないか」
「・・・」
若干浮いた腰を黙りこんだまま椅子へと戻したライ、口を耳朶に寄せて、C.C.が内緒話をするように、意地悪に目を細めて言った。
「では、ポッキーゲームについて教えよう。今お前が咥えるそれとは反対に咥えた相手がいることで始まる。お互いに咥えているポッキーの端を食べ進めて、先に逃げたほうが負けという単純なものだ。早く止めたいのなら、ちょっとでいい触れる寸前で、お前から終えてしまえばいい。早くしないと、眼の前のそいつにキスされることになるな」
「!!」
C.C.の言葉に驚いたライを一瞥しつつも、視線で促されたルルーシュが合図を出した。
「それでは、はじめろ」
ルルーシュの合図をきったと同時に、すさまじい勢いでポッキーをかじりだすジェレミアに、一時的に圧倒されるライ。
「・・・っ!?」
戦闘の時のような真に迫るジェレミアの顔が、目を血ばしらせたまま、刻一刻とライの距離をつめ始める。ライが、それに気づいて、動き出すころには、ライの進めるほどのポッキーは、残り少なくなっていた。
ライも少しずつかじりだしても、じりじりと近づいて来るジェレミアが迫る勢いで攻めてくる。
ポッキーの幅が数センチ、あと少しで、唇が触れそうになる頃、男のプライドを守るか、それを捨てるかの瀬戸際に立たされ、早く終われとばかりに覚悟を決めて、ライは目を閉じた。
「?」
不思議なことにその後何もなく、ライは恐る恐る静かに目を開けたのだが、そこにジェレミアが目の前から消えていた。いや、正しく言えば、床に沈んでいた。
「ライさんの勝ちですね」
「そう、なのか?」
「はい。このとおり、相手が戦闘不能となりましたので、必然的にそうなりますね」
さっきはいなかったスザクとジノが自分の席へ戻っていくのが、見えた。 にっこりと笑うロロの後ろで、ルルーシュが床に沈んだジェレミアの襟元をつまみあげて、ガクガクと揺さぶりながら、怒っていた。
ライは何が起こったのかは、見てはいなかったものの、どうにかキスは避けられた事を知る。誰が阻止してくれたのだと、そのことにほっと安堵するのだが、そこで思う。ゲームであるのだから、勝敗つける前に強制終了させてしまっていかがなものかと考えたが、あのままだったら当然のような結果が待ち受けてるのだと安易に思い浮かべ、寒気を覚えたライは、ぶんぶんと首を振って、あの深く刻まれた怖いほどの、差し迫るジェレミアの顔を頭の隅へと追いやった。
【番外編・続く】
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