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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
君の立場と僕の立ち位置
ノートの上ですれた音が黒い線を描いて、文字を作っていく。
昼間に寒さを込めてきた風を遮る様に、窓を閉ざすのだが、時折カタカタと風が窓をたたく音がわずかに聞こえるだけで、室内は静かで暖かかった。
今日は、ライとルルーシュ、それから、ロロもまじえて、勉強会が行なわれていた。
生徒会室にあるテーブルに寄せられた椅子に、右側にルルーシュが、左側にロロが、二人を正面から見るようにライが座って、机上に教科書とノート、筆記用具を使って授業で習うように勉強をはじめる。
話す言葉も勉強関連の問答だけだったのだが、震えた音が鳴って、音をたどれば、ルルーシュが携帯を開いて、ディスプレイに覗き込んだまま、眉間にしわを寄せた。
気にはなったが、かかってきたのは予想ができてロロは問うことはなかった。ライはどうだろうっと、視線を向けたが、ルルーシュと視線を合わせただけで何もいうことなく、ルルーシュも言葉をかけるだけで携帯を持ったまま、扉の向こうへと出て行ってしまった。
ロロとルルーシュは同じ黒の騎士団に関係するものであるが、ライはといえば、軍にも黒の騎士団にも関係のない学園の生徒、そういった意味で二人には、境目があるのだが、ライとルルーシュはそれ以上に見えないつながりみたいなものがある。それは、信頼とか友情といった心の繋がりなのだろうが、目に見えない二人の関係を見て、ロロの心は苛立ちを覚えたのが、最近である。
ルルーシュの足音が遠ざかって、ノートに書き記すライへと振り向いて、声をかけた。
「ライさん、少しいいですか?」
向いたライの視線を受けて、ロロが、言葉を続けた。
「貴方は、何も思わないんですか?」
「何をだ」
言われた言葉に、尋ねてきたライへと、ロロは言った。
「兄さん、いえ、ルルーシュのことで、さっきみたいに話の途中で避けるような言動をしているのを、何も思わないのですか?」
「ああ、気にはなるが、本人が話したくないのならば、聞く必要はないと判断した。仮に、ルルーシュから話すようなことがあるとするなら、僕がちゃんと話せる時なのだろうと思う」
「それは、兄さんが、本当に貴方に話すほど、貴方は信頼されているのだと思っているからですか?」
「ルルーシュがそう言ったのか?」
「いえ、ただの僕の意見です」
「信頼か、そうだな。ルルーシュが何か話せない事があるというのは、僕にもあることだ。記憶喪失の裏に自分は誰でどんな過去を生きてきたのかという、秘密だ。身分も何も自分を証明するものを持たない僕でも、今こうしているのは、信用して認めてくれた生徒会の皆のおかげだ。彼らは、今の僕に足りないものを色々学ばせてもらった、ルルーシュからもそうだ。僕が何者であっても僕が僕であるのだっと言う言葉を貰った。何を話していなくても今ある彼を知って、話を聞いて僕も出来るがぎり答えようと思った。いつかはわからないが、話すような機会があるとするなら、それは僕からかも知れないな」
ライの言葉を聞くごとに、ロロの中で、ズキとした胸の痛みともの寂しいものが広がるのを感じながら、それを隠すように、目を伏せた。
「そうですか」
「ロロは、そうやって、よく、ルルーシュの事を気にかけているが、本当に兄さん思いなんだな」
ライが微笑に、ロロに向けた視線を受けて、ロロは、何も知らないライに対して、微かに苛立ちを覚えたと同時に、自分への言葉に喜びも芽生えた。
「兄さんなんですから、当然ですよ」
何かを噛み締めるようにロロは、言葉をはく。
「そうだったな」
「そうですよ。だけど…」
ロロは、小さく声を出した。
「たとえ…でも譲るつもりはありませんから」
呟く様に消えた言葉をもう一度問うよりも、ルルーシュが戻ってきた事を現す、その開いた扉の音に遮られた。
「ペンが止まっているが、何か話していたのか?」
「ああ」
二人の話す声を遠くに聞きながら、ロロの意識は心の底へと辿って、何かが生まれるようにピシッと音を立てたのを、聴いたような気がして、眉をひそめた。
手にしたシャープペンの先が、ノートの上で折れてしまったのだ。
どろどろと渦巻くのは、嫉妬なのだろうか、けれど、それはどちらに対してのものなのだろうと考えて、不審に尋ねられた二人に、心配のないように声をかけて、ノートへと再びペンで書き記すために、カチカチと音を出して、芯を出していく。
沈黙を作って、少し開いた時間を埋めるように勉強が始められた。
【留め】