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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
鬼のいないかくれんぼ
「残念でした。僕はまだ君を手放す気がないんだよ」
ロイドたちの前から姿を消したライを探して、見つけ出したロイドが始めに言った言葉それだった。
二人きりとなったヘッドトレーラーの中で、シュミレータを終え、幾つかロイドと言葉を交わした後、ロッカールームへと着替えようと服へと手を向けたところでライは、目線に気づいて視線を向ける。
すると、扉を閉じるのを妨げぐように寄りかかり立つロイドを見た。
「ロイドさん」
「ふふっ、その呼び方もいいけど、いつもの呼び名があるよね」
ライと視線が合うと、笑うようにして、扉から離れてライのいる室内へと足を踏み入れると、後ろで妨げのなくなった扉が自動的に閉じられた。
「ロイド?」
「うん、正解。だけど、疑問符は要らないよね」
「ロイド・・・、それで、僕に用件があると言うのなら伺いますが、何の」
ライの問いには答えず、よく出来ましたとばかりに、ロイトが開いたロッカーの扉を閉じる代わりにライの背を押しつけ、振り返ったその後頭部へと手を伸ばし上向かせると、何かを言い出すために開いた口へと近づいてキスを送った。一瞬の出来事だったが、前にもあるのか抵抗力が出来てるらしく、ライが顔を背けたことで、名残惜しそうにロイドから笑いをこぼして離れた。ロイドの行いは、毎度突然の事に腹立たしいとはあっても、ライに嫌悪感はなかった。それに、今更注意や忠告をしても、それが通じる相手ではないことも付き合ううちに知っていったから、口からこぼれそうな文句を喉の奥へと飲み込んでから、ライは言った。
「僕が行方をくらましたとき、貴方は、僕を探すことを諦めなかった。それは、嬉しかった。けれど、僕が望むことよりも貴方が自分の意思を優先させ、その熱意に負けて今此処に至るわけですが、今でもその事に後悔はしないんですか?」
「え、今それを聞く?」
「はい。スザクと同等に技術の優れた人材は探すのには苦労すると思いますが、僕で固執する理由はないとそう考えた故の質問です」
どこまでも透き通った銀の瞳が熱心に問いかけてくる。その真剣さに、ロイドは返す。
「うん、君は研究所から逃げたわけだし、考えるならそうだよね」
「なら」
ロイドが両手をついて逃げ道をふさぐ、ライが見上げた顔は、にっこりと口元と瞳に笑みを深めるように、至近距離になるようロイドから顔を近づけた。
「理由はあるけど、今日は、プリンには負けるけど君の事が気に入ってるにしておこうか」
「なんですか、それは」
ロイドが言いながら、スザク達のいないことをいい事に、仕掛けるつもりなのだろうか。僅かに開いた袷にある留め具をロイドの指先が掴み、下げて素肌を晒す。長い事研究所にいたせいか焼けてない白い肌で、それに誘われるように中へと進入した手に触れたのは平滑な手触りで、ライが思わず声をかみ締めて息を呑む。
シュミレータの後だったせいか、汗をしっとりと含んで、ライの本来の匂いと混ざって独特な香りとなりロイドの鼻を掠める。
この体制では抵抗は無駄と判断したのか、ライは身じろぎするくらいで、眉を顰めて拒絶を示しながら、
「何してるんですか、貴方は。セシルさんに知られたら、それこそ被害をこうむるのはロイドさんですよ」
服に隠れて見えないが、ロイドの手の動きが止まったことだけは知って、ほっと安堵をもらすものの、ロイドが可笑しげな笑みからきょとんとした顔になって、ライも見つめ返す。
「何で?」
「何でって、此処はあなたの仕事場でしょう?。それに、この関係は公にしてる訳ではない、なのに自らバラす真似をして、困るのは僕も貴方も同じだ」
「バラすって、秘密にしていた覚えはないけど」
「!? まさか、既に誰かに話したのですか」
「そんなに、焦ることかな。まぁ、僕はどちらでも構わないんだけどね~」
「ロイドさん!」
「そんなことより、今から君に選択権を与えるけど、テストも終わったから後は着替えるだけだよね。それで、このまま続行、それとも場所を変えてからのどちらにする?」
「決定権を僕にゆだねる割に、その中にやめるという選択肢はないんですね」
「あっはは~ そうだね」
ロイドは良かれと思っているらしいが、ライはそれをよしとしていない。何か他に此処から逃れる方法がないかと頭をめぐらせたライを読み取ったようにロイドが告げる。
「残念でした。色々考えてるみたいだけど、僕のやろうとしている事がわかっているなら、君にもわかるはずだよね」
「っーーー真面目な話をしますけど、明日も此処で訓練があるんですよね?」
「それは勿論~、今日やったテストを踏まえての演習だけどね」
ノリ気なロイドからは、やはり中断させる気配もなく、ライは自分の甘さに溜息をついて、こう言った。
「・・・人目もつきますし、ほどほどに頼みます」
「んふふふ、考えておくよ」
鼻歌でも口ずさみそうな上機嫌で、ロイドに手を引かれるようにして一室へと移動する。電気もつけず薄暗い明かりの中、服のすれる音が部屋から聞こえた。ギシリとベットが二人の重さ軋んで、自分の襟元を緩めたロイドから口づけを始めて、いつも間にかロイドのペースに巻き込まれ、自分で服を脱ぐまでに至ってる。口づけの離れた距離で見交わす。
ムードもない部屋の中で、普段見ることのない揺らいだ銀の瞳を覗き込むのは、口は笑っているけれど、真摯な眼差しは、やはり伯爵のもので、普段の笑顔とはまた違った色気がある。
いつもは軍の仕事中心、ライは学業もかねてだが、こうした二人の時間を過ごしたのは、今回がはじめではないのだけど、時折それを思い出すような事を平然と言われ、朱を差すライの顔が伏し目で普段よりも可愛らしく色づいて見えることをライは知らない。そして、それをスザクやセシルに指摘され、誤魔化すのだが、その後でロイドへと非難の視線をよこすことを、ロイドは気づいていない。
何考えているかわからなく、時折ついていけない困った所はあるのだけど、それでも、離れられないのは、ライが必要としているからなのか。
覆い重なるキスだけが深まりながらも、残る理性という名の思考を熱が覆うように溶かして奪っていく。
脱ぎかけのパイロットスーツを口付けの合間に広げられて、あばら骨の浮いた引き締まった体が薄暗い中にとても綺麗に映えるよう白い肌に浮かび上がるように覗く。外気に晒された素肌に触れたのは、ロイドの手、その冷たさにびくりとライが総毛立つと、頭上で笑い声を微かに耳にした。
ディバイサーと技術者、階級の関係でもなく、大切な時間を二人だけで作りあげていくのだった。
[留め]