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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
眠れない夜の子守唄
夢を見た。
真っ暗な空間の中で、何かに追いかける少年を見ている自分。
少年後に続くように追いかける小さな少女と女性。
それらが、少年が自分へと視界が変わって、必死に後を追う二人の向こうには捕まえようとするような無数の手が二人へと伸ばされようとしていた。
二人だけは守らなければ、少年の意志は強く、自分が手を伸ばそうとする立ち止まったことで、二人が追いつけるそれだけの事だった。
しっかりと掴んだ少女の手を少年は繋いだ途端、目の前で赤いものが散った。少年の顔にかかるほどの飛沫を上げて。
掴んだ手を辿ると無残な姿で倒れた二人がいる。
信じられない光景に、一歩二歩と後ろへ下がると、何も持っていないはずの少年の手からかしゃんと音を立て何かが滑り落ちた。
それは、剣で、少年が二人をこんな姿に変えたのだと戒めるように、血がべっとりと付いて鈍い輝きを放つ剣に少年ではなく、ライの姿が映し出される。
「お前がやったんだ」
耳元で囁いたように声が聞こえ、振り返ると見知らぬ男が其処にいた。
「体たらくだな。もう、忘れたのか?」
まるで知っているような口ぶりだったが、姿は影に隠れている為正体が見えなかった。
「変わったと思ったつもりでいるが、とんだ勘違いだ。お前は昔と何も変わっていない」
「何を言ってるんだ?」
「今の生活は虚像だ。守るべき相手も守れず国を捨て、一人だけ生き残り、こんな場所で幸せになれると思ったら、それが大きな間違いだ」
「君は、僕の過去を知る人なのか?」
問いかけに答えながら、靴音共に隠れた姿が、僅かに差す明かりにより、少しずつ現していく。
「ああ、よく知ってる。お前の今もこれからも」
「では、教えてくれっ。僕は何者なんだ!?」
不意に、その気配が笑った。
「何者?、それは一番お前が知っていることだろう?。よく見ておくがいい。お前の望んだ未来の俺を」
黒髪と紫の瞳、それは見間違えるはずもないルルーシュで、額から血が流れ、服やその肌には血の跡が広がっていた。
誰かに刺された姿で、ライを見つめる目は嘲笑するように、紫の瞳が向けられる。
望んだ覚えはないが、信じられないその姿がライの目の前にある。
「守ることも逃げることも選べず選んだ結果が、これか」
否定するようにライは、首を振る。その表情は、恐怖に青ざめていた。
「愛してると世迷いごとまで口にしてまで、欲しかったのか?お前に得られない暖かい家族となる存在が」
「違う!、僕はこんなことを望んでいない」
「目の前に広がる光景を見ても、本当にそうだと言えるか?」
暗闇から明るい場所へと移動したように場面が変わって、ライを中心に広がるように屍がある。その中に、生徒会のメンバーの姿があり、他にもライと関わった人たちの姿が、見間違えることもないその姿が、いくつもある。
何処を見渡しても誰一人として息をしている様子も動く気配もない。
「こんなことが」
「信じたかったよ。ナナリーさえもお前から奪われるまでは」
「僕が? ナナリーを?」
「お前に奪われるくらいなら、今此処で俺がそれを終結させる」
ライの落とした剣を手にとって、構える剣先はライではなく、自分へと向けられた。
やめろっと叫ぶ声が震えるだけで声として出ない。音が途絶えてしまったように。
天へと祈りをささげるようにルルーシュが仰いで目を閉じると、目じりから涙がこぼれていた。
けして遠くない距離なのに、駆け寄ったライには届かなくて、愛する人が目の前でその命は、突如燃え上がった炎の向こうに隠れてしまい、全てを跡形もなく焼き尽くしてしまう。
やがて、雨が降り炎を消して、残骸の址しか残らない大地の上に、喪失感がのしかかり崩れたように膝をつけて、伏せた顔から涙が過去の思いと重なって溢れ出た。
ライの哭声が空を仰ぐように虚しく響き渡る。
上半身をベットから起こすようにして、悪夢から目を覚ましたものの、剣をつかんだ手は覚えがあるように、感触が残る。それを確かめるように、開いた手には何も持っていないことを知るのだけど、感覚は消えてはいなかった。忘れてはならないと、警告された気分だった。
汗でびっしょりと濡れたライの体に優しい夜風が触れる。
走った後のように息切れた呼吸は、少しずつ平常心を取り戻すように落ちつく。
隣で眠ったままの人へと目をやると、生きてることを表しているように旨が上下に動いていた。
そのことが現実であるとほっと息をついたと共に、悪夢で見たルルーシュが思い出される。
心の奥底に沈んだ過去にしたことを思い出せないのではなく、思い出すの躊躇うその不安が悪夢を見せたのだろうか。それはわからないけれど、また何かを失うことへの恐怖が手に振るえをもたらす。
「ん、どうした?。眠れないのか?」
ベットに手をついたライの片手を別の温もりが包み込む。その手を辿ると、横になったままのルルーシュの顔があり、普段よりも優しい目をして問いかけてきた。
あのようなことを望んではいないのは本当で、今ある幸せを当たり前のように実感した。
不思議なことに、重ねた手が心配ないと言いたげに力を込められたことで、震えていた手が少しずつだが収まっていくように感じられた。
「すまない。起こすつもりはなかったのだが」
「いや、実はライが目を覚ます前に起きていたんだ」
えっ、と視線を向けたライに、ふっと笑って、ルルーシュが、
「隣から小さく魘される声が聞こえてきたせいか、それで目が覚めた」
「・・・」
「夢で何を見たかは訊ねたりはしないが、所詮は夢の中の出来事だ。お前が不安に思うことは何もない」
宥めるように言いきかせるように、ルルーシュは起き上がり、ライの頭へとまわした手でライをその胸に抱き寄せる。ライの触れた其処には体温があり、かすかに聞こえる心音がある、生きているとライは実感するように目を閉じた。確かに見たのは、夢だ。此処にある現実ではない。それはわかっているけれど、予感というものか、嫌な感じはぬぐいきれてはいなかった。
「まだ、本調子ではないか」
ライを抱きしめた手が不意に離れると、ぼふっと乾いた音を立て、枕に頭を乗せるように後ろに倒れる。押し倒されたのだと、悪戯げに細められた紫の瞳がライの顔を覗き込むように見下ろすことで知る。
「恐怖を塗り替えることはお前の準備しだいで、どうにもできるが、どうする?」
きょとんしたように瞬きを繰り返したライが、その意味に気づいて、血の気の戻った表情には、笑みが浮かぶ。ルルーシュの知る小さな笑みだが、それでも、言葉で言うとおり、其処に不安は見えなかった。
「ああ、平気だ。心配させて悪かった」
ライの柔らかな髪を撫でるままに、唇を重ねたルルーシュがライから離れるが、近い距離を保ったまま、ルルーシュが凝視する。何故か、退く気配を見せないルルーシュに、問いかけるように名前を呼んだ。
「ルルーシュ・・・?」
「あのギアスまだ有効なのか、試してみる価値はありそうだな」
「一体、何のことだ?」
「一度お前にギアスを使ったときだ。横になっていろ、と確かお前に使ったはずだ。持続しているなら、今この場で、俺をどかすことは出来なくなったんじゃないか」
そのことを思い出したものの、戸惑いに揺れた銀の瞳が、ルルーシュを映して、伏せると、
「今から、寝るんじゃなかったのか?」
「ああ、さっきまではな。だが、静まり返った深夜、此処で起きてるのは俺とライ。お前だけだ。近所迷惑にならないほど暴れなければ、このまま続行
しても問題はないと、そんな気になったものだから、仕方ない」
「っ仕方ないって、言いながら、ルルーシュ何処に・・・っ!」
触れようとする手を押し止めようと思ってライは抵抗するけれど、横になったままの姿勢しか取れないので、すんなりとライの手を避けて入ったルルーシュの手がシャツから、中へと滑り込むようにボタンを一つ二つと外していき、空いたほうの手でライの手を捕らえていた。
はだけていくと引き締まったながらうっすらと肋骨が覗く白い肌が、薄暗い室内の中で、綺麗に浮かびあがる。
「これが、ギアスの効力か、ライの望んだことか安易に見た目でわからないのが、残念だな」
「っはぁ、悪ふざけは此処までだ。君は明日もあるのだから、僕とは違うだろう。今は身体を休めて寝たほうがいい」
「ほぅ。その強気な態度Uが、何処まで続くか見物だな」
面白そうに目を細めたルルーシュの浮かべた笑みは、悪人のようで、言い返す言葉をルルーシュの口付けによって塞がれた。
魘される声と震えた息は、もうそこにはなく、その代わり、熱くこぼれた息と恐怖や不安ではない喜びとも取れる声が部屋の中に響くのは、後になっての事だった。
[留め]