----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
踏み外せば別世界
計算外だ。
俺の目の前に現れ、目の届くところにその姿を見せる。
その分に、特に問題はなかったのだが、どういうわけか注意が向く、興味がわく、要するに、気になる存在になった。
敵に向ける警戒心でも、味方に向けるものとも違う関心だ。
風に舞い上がる柔らかな髪色には光沢があり、振り返ったその貌は、薄い唇、鼻筋が通り、伏せた瞳に動いた柳眉は、儚げで綺麗だった。
服の下に隠された肉体は、華奢ながら筋肉がしっかりとついた引き締まった身体をしていて、容貌に反し、ストイックに見える。
それら全てが、配置されたパーツのようにあり、中でも、目を惹きつけるのはその瞳だった。
長い睫の縁取ったその下は、含英の銀に色づいた瞳があり、心をそのまま映し出したかのように、強い意思が垣間見える。
例えて言えば、夜空に浮かぶ月のように、魅入られ目が離せなくなる。
一目惚れだとしたら、これがそうなのだろう。
その事に問題がないわけではなかった。
その相手が、男であったのが、計算外なのだ。
だが、気持ちを偽ることが出来ない俺は、恋愛経験を多く語れるほどの知識はなく、どう処理するべきかを判断するしかない。その判断を決定付ける為にも、他者の意見を聞くそれも必要な知識だと判断した。
「相談できる相手を選ぶべきだった」
ナナリーと向かい合うようにして、紅茶を飲んでいたルルーシュは、カップに口をつけるとそんな言葉を漏らす。
「お兄様? どうかなさいました?」
「いや、なんでもない」
「恋愛の事で悩んでいらっしゃるのですね」
「ナナリー、何故、それを知っている」
「咲世子さんから、伺いました」
ナナリーのお世話も任せてるとはいえ、色々ナナリーに吹き込むのはやめてもらいたいものだが、天然な咲世子に言った言葉が正しく通じているのか心配は残るものがある。
「どの程度の話をしていたのか憶測でしかわからないが、解決する方向へと考えてる最中だ。だから、お前に心配させるものでは」
「ライさんの事ですよね」
「待て、ナナリー。どこまで咲世子から話を聞いているんだ」
「えっと、お兄様がライさんに好意を抱いていて、気持ちの整理がつかず悩んでいるようですね。それで最近、ライさんの事をあらゆる方面から調査して写真などの情報を集めているのだと。けれど、スザクさんとの関係を今後どうするかで迷っていらっしゃると聞きました」
ストーカー的な要素が混ざっているのは、確かに咲世子にライの事を調べさせたせいでもあるのだろう。だが、其処にスザクが入ってくる要因がわからないが、ライの事は自覚もあるため否定は出来なかった。
「少し語弊も混ざって入るが、ライの事で咲世子に調べさせたのは本当だ」
「ライさんの事が、好きなんですか?」
笑顔でそれを問うナナリーに、カップに入った紅茶を見落としながら、少し躊躇うようにルルーシュは口にする。
「・・・感情の説明を言葉で表すなら、そうなのだろう」
「大好きなんですね」
「待て、そんなに早く確定付けるな」
「違うんですか?」
「いや、そうでは」
「では、大好きなライさんの事で悩んでるお兄様は、これからどうしたいとお考えですか」
「・・・ハッキリとした気持ちに気づいてからは、ライの事がより気になってはいる。どうしたいというのであれば、互いを理解し、もっと深めたいとそんな気持ちを抱いているが、これは、両想いでなければ叶わない事だ。恋人それも男の恋人を作ろうと思ったことはないから、これから俺がどう行動を起こすにしても、それを理由にライに避けられてしまっては元もこうもないことだ」
口をつけたカップを、テーブルにある小さなお皿へと置くと、ナナリーが言った。
「お兄様、そんなお気持ちでは、一生ライさんの想い人にはなれませんよ」
「俺の気持ちはまだしも、ライが同性愛者でない限り、気持ちを伝えるのはなかなか難しいものだろう?」
「そんなことないですよ。咲世子さんのお話では、強引に奪うところから恋は始まるみたいですし」
ナナリーからの突拍子もない発言に、一瞬思考回路が停止しそうになったルルーシュは、戸惑う様にナナリーの名を口にする。
「ナナリー?」
「いざというときは、ライさんに近づく周りを遠ざける為に予防線を張ることが重要ですけど、一番は、ライさんに直接アピールすることが大切だと思います。お兄様は頭のいい方ですから、作戦を立てるなら今のうちですね」
ルルーシュの目を離しているうちに妹は、逞しく成長していた。背後に黒いものを抱えて。
「ナナリー、その意見は前向きに受け止めておくが、なるべく目の届く範囲で、そう言ったことを口にするのは避けてくれないか」
「はい」
ライへの気持ちに気づくよりも妹の黒さに驚いてしまったルルーシュは、これからの事についてもう一度考えてみることにした。
[留め]