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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
彼が見つめる、その先に気付いています
携帯の液晶画面に記憶と称して、撮影したものや人の中に、ライの姿を見かけた。
一人でいるときは、難しい顔をして、何か考えていることが多いけれど、誰かと一緒のいるときは、それとは違う表情を見せる。
ふと、眼を伏せて憂いするさまとか、困ったように柳眉を下げたりだとか、偶に小さく笑うように形どる瞳だとか、あげたらきりがない。そんな見落としてしまうくらいの微かな表情を見逃さないように画像に残す。
私が出会う以前の、警戒心が強く今より近寄りがたい雰囲気を持ったライよりは、表情が違うものだと聞いた。例えば、固まった氷が、本来の水へと戻るように。
けれど、此処にいるライは記憶喪失の中で作られた人格なのだと、ライは遠くを見るようにして笑っていたけど、私は今のライを好きになった。
これは、偽の想いだとは否定したくなくて、
「私の隣にいる貴方が嘘な訳じゃない」
とっさにそう言った私の言葉を、ライは何も言わなかったが、僅かに目を見開いた後、そっと笑った。
物言いの多くない私の言葉は、ライに届いたのだろうか。
撫ぜられた頭から何も伝わなかった。
会ったばかり今と違うライの事は、人づてにしか知らないけれど、私は今の表情を私なりに知っているように、その頃のライもきっと好きになれるかもしれない。
「あ・・・」
それと、ライへと、自然と目を向けるようになって、気づいたものがあった。
それは、私の撮った携帯画像の中に入ってあった。
ボタン一つで操作して、削除しますか?の下に、はい、いいえ、が表示される。
はいっと押して、消えてしまえば簡単。
思わず、はいの方へと選択肢して、決定を押しそうになるのを、止めた。
この一瞬の事を映した画像は、この一枚しかなく、私とライが映っているのは数少ない。
自己満足でしかないけど、私には必要なことだった。
今からでも、いくらでも頼めば写せてしまいそうだけど、今目の前に写すライの表情は私には、引き出せないことはわかっていた。
画像の中の私は、ライへと視線を向けているけれど、ライの視線は、これを映した人へと向けられている。
それは、特別な意味があるのだと、気づいた瞬間。
この気持ちもリセットできればよかった。
そうと思いながらも、やっぱり、消去することは出来なかった。
画像と画像に向いた感情を、そのまま封じるように、携帯を閉じた。
[留め]