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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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web拍手にあるのは、女体化ライ小説(絵含む)・現在6種類。女性化ライ・番外 スザク篇話追加


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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/11/17 (Tue)
久しぶりに新婚さんごっこで
シャーリー×ライです。
お話は、続きからになります。

拍手を送る

絆の果てに結ばれるもの


 現実と理想はギャップが激しい事を実感した。

 シャーリーは目の前に広がる凄惨な光景に頭を悩ませた。

 始まりは今日。
 主夫であるライは綺麗な見た目も裏切らない程にまた家事も上手く、特に料理は、体重が気になりつつも思わずおかわりと言ってしまうくらいに美味しい。
 張り合ってるわけではないけれど、何故か女として試されているようなそんなことを時折考える。

 いつもライにお世話になっているから偶には、自分からライに何かをしたいと思い立ちあがってから、数秒、何をするのかは言わずも知れた。
 ライのいない隙に、家事を一通りこなして、驚かせてやろうという作戦だった。
 まずは、掃除、お洗濯ときて、次にライへとご馳走する為の料理作りとなったのだが、キッチンでライのようにスムーズに出来るはずもなく、シャーリーとしては普通にやっただけなのだが、どういうわけか散らかり放題、そして、出来た料理は焦げていたりと出来栄えよろしくない品々ばかり。
 一生懸命な愛情はたくさん隠し味に添えられていたとしても、それだけで美味しいとはいえない。


「・・・どうして」


 苦手だからだろうかと考えた。
 シャーリーの理想とするところのご馳走とは程遠いものとなったけれど、これをライに食べさせたいかと聞かれれば、はっきりと首を横に振る。
 時計を確認して、ライがまた帰ってこないことにほっと安心して、先ほどの落ち込みはどこへやら、もう一度腕を捲り上げるかのように気を取り直してシャーリーは、料理作り励んだ。






 ライはその光景を目にして、僅かに目を見開いたのだが、シャーリーは何といいたいのかも困ったように曖昧な笑顔でライを迎えるだけだった。
 
 帰宅してみると、まずシャーリーがエプロン姿で迎えて珍しいなと思う前に、何故かキッチンへと普段どおり向かおうとするライを止めようとする。 

「あ、あのね、今日は外食にしない? いつもライが作るだけじゃ悪いから偶には、ね?」

「? 急にどうしたんだ?。食材も仕入れたから、わざわざ外食に変更することもないだろう」

「えっ、えっと、あっ! 食材なら、私が冷蔵庫に入れておくから、着替えていこうよ」


 素直なせいか嘘をつくのが下手なだけか、あからさまにシャーリーが何かを隠していることが明確だったが、それについては疑わしげに一瞥しただけで、シャーリーの通行の妨げもライを止める手段には及ばず、キッチンに繋がるダイニングルームのほうへと行ってしまい、ライの背にシャーリーの待ったの言葉が虚しくかかる。

 キッチンルームへと行く前に焦げ臭い匂いが鼻をかすめ、ライは眉を顰めたのだが、その匂いのほどを辿るとどさりと持っていた袋が床に落ちた。

 なぜなら、買い物へと家を出て行った時には、代わり映えのなかったキッチンがどうやったらこうなるんだといえるほどに汚れているのだ。
 ライの背を追うようにして駆けつけたシャーリーは、その様子に落胆する。


「あのね、それ」


 もう一度と作り直しても結果は打開されることなく、ひどい有様が広がるばかりで、ライの為と作った料理が見事に食材を台無しにしてしまったことに、申し訳なさそうにしながらも、白状して謝ろうとするシャーリーを知ってか知らすか、現状を把握したライは、落とした袋を拾い上げ、キッチンのほうへと歩み寄っていった。


「ライ・・・」


 無言であるから怒っているのだろうかとライの様子に、不安そうにシャーリーもその後に続くと、キッチン周りを見渡してから、シャーリーが焦がしたと思われる鍋の前に立ち止まっていた。


「これは、君がやったのか?」


 シャーリーに振り返ることのなく口を開いたライに、今更、違うと否定だれるはずもなく、


「うん。・・・・ごめんなさい」


 頭を下げる動作と同じに長い髪が下がった。
 料理かキッチンを汚したことについてか、何も満足に出来なかった自分に対してか、おそらくその全てだろうと思われるシャーリーの謝罪の言葉に、ライの小さなため息が聞こえた。
 恐る恐るといった様子で顔を上げたシャーリーが目にしたのは、怒りの表情ではなく、しょうがないと言いたげな困ったようなそんな笑みだった。

 
 エプロンで出迎えたときから様子が可笑しかったのだが、その理由とキッチンの現状を見て、合致したらしくライがシャーリーと振り返ると、


「何をしようとしていたのか、訊ねてもいいか」


 指をあわせたシャーリーは、恥ずかしげに頬を染めたまま困ったように眉を下げ、視線を逸らして、


「えっと、ライを驚かせようと思って」

「僕を?」


 小さく頷いたシャーリーは、


「帰る前に家事を全部終わられて、手料理を作ろうとしてたんだけど、失敗して、その」


 シャーリーへと向けた顔から鍋へと視線が移ると


「作ったのは、鍋以外に何がある?」

「えっ?」

「これか? シャーリーが作った料理は」


 シャーリーが答える前に、皿に盛られた料理を確認したライに、


「うん。そうだけど・・・えぇ、いいよ。食べなくても」


 皿に盛ったと思える料理の品々を無言でお盆にのせていくライに、焦るシャーリーだったのだが、


「? 僕に作ったんじゃないのか」

 
 不思議にそう訊ねるライに、シャーリーは、


「そりゃライに食べてもらいたいけど、それじゃあ」


 自分が作ったとはいえ、こげてたりと見た目美味しそうに見えない代物を、ライに無理して食べて欲しくないのだが、ライの答えはシャーリーの予想するものとは違っていた。


「御腹がすいてたんだ」 

「へ?」

「いや、違うな。僕が食べたいんだ」

「・・・・・」


 目を見開いたシャーリーの横を通り過ぎるように、ライはお盆を持ったまま、食事をするテーブルへと向かっていった。


 作った料理を食べてくれたのは嬉しかったけれど、無表情で偶にぴくりと反応する眉にとても美味しそうに食べてるようには見えなかったのだが、それでも、しっかりと残さず空にしたライに、食事を終えたのを見計らって戸惑うように声をかけたシャーリーに、


「ライ・・・?」

「ご馳走様」

「あ、御粗末さまでした」


 思わず返したシャーリーは、我に返り、


「って、そうじゃなくて! それ、無理して食べなくても」

「食べなかったら、君はどうするつもりだったんだ?」

「えっ? えっと、私が食べるとか」

「捨てるつもりではないのか」

「そ、それは、でも、御腹に良くないんじゃ」

「シャーリーは、僕の御腹を壊そうとでもしてたのか」

「ううん、違うよ! 私はライにご馳走作りたくって、あっ」

「それでいいんじゃないか」
 

 笑うように目を細めたらいの表情に、シャーリーの頬が染まる。からかわれたようなそんな気分だが、嬉しさは胸に残る。
 食べ終えたお皿と散らかったキッチンは二人で片付けた。


「あっ、夕飯どうしようか」


 シャーリーの食べた料理で御腹いっぱいであるはずのライに、ふと漏らすように口にすると、


「家の中にしても外食にしても、シャーリーが僕より食べそうだな」

「・・・意地悪」


 ふっと笑ったライの表情は大人びもので、どきりとしてしまいそうになりシャーリーはそんな言葉を呟きながら目を合わせることなく皿洗いを手伝うのに集中するのだが、頬が僅かに赤い。
 お礼するどころか、倍返しされた気がすると思ったシャーリーだったが、それでもやっぱり嬉しかったから、自然と笑顔がこぼれた。

 まだまだ、料理の腕は勝てそうにないけれど、他にいくらだってライを驚かせたり喜ばせる方法を自分なりに見つけ出そうと心に誓って。


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