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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
主従恋人 「主が知らない主の秘密」
小さいときに女性と赤い血を見た記憶はあるものの、玩具のように倒れたそれをアーニャは見ている。
けれど、一体それが誰でどうして倒れているのか、そのときから記憶が曖昧になり欠如するようになったと思う。
何時しか意識は浮上して、うっすらとアーニャが目を開くとぼやけた視界の中に風景が映る。
それは殺風景な室内で、ライの部屋なのだと脳内が記憶を辿る。
今日もちゃんと自分の意識があり覚えていることに、アーニャは内心ほっとしつつ、寝ぼけ眼で上半身を起き上げる。
いつもは後ろにまとめた髪を寝る前に解いたのだけど、少しだけ寝癖のついたピンク色が薄暗い室内に彩る様に月明かりに青みがかっていた。
熱いと開いた窓からカーテンを微かに揺らす風が吹く音に、視線を向けたアーニャは夜の静けさに耳を傾けていた。
聞こえてきたのは、カチカチと小さく刻む時計音と寝息。
音を辿るように、シーツにずらした自分の手に触れたのは、ライの体温で、寝息は彼の薄い唇から聞こえてきたのだとアーニャは小さく目を細める。
昨日の事を思い出していた。
「こんな時間か。アーニャは」
「此処に眠る」
ベットに倒れるように横になったアーニャは、既にシーツの中にいて、ライは呆れた顔はしたものの追い出すことはなかった。
しかし、じーっと見つめてくるアーニャの視線に気づいて、ライが首を傾げると、
「隣まだ空いてるけど」
早く寝ようとばかり誘うアーニャに、ライは微苦笑をこぼすと、電気を消してベットへ近づくと。
それを目で追いかけたアーニャが、不意に起き上がりライの手を掴んで引き寄せるように二人で倒れこんだ。
ライの部屋に泊まるのが日課となり、こうして一つのベットに寄り添うのだけど、ライの不思議な安心感にあてられ自然と眠りが訪れる。
決まってみる夢は優しいもので、ごく偶に手を繋いでくれるライの温もりのせいなのだと夜中にふと目が覚めたときに気づいたけれど、ライには自覚がないらしいことを知って今でもアーニャは内緒にしている。
自分の手を通して、ライが同じように安心した夢が見られるのなら、そのほうがいいとおもったからだった。
男女で寝ているというのに周囲が心配するほどに
やましい事は何もないのは、ライが誰よりもアーニャに甘い紳士だからなのだとアーニャ自身がそれに気づいて気持ちが同じであると知っているから、この関係が続けている。
顔にかかった細い銀糸の髪をアーニャの手が払うようにして、ライの寝顔を覗き込んだ。
普段クールといわれるほど表情の変化が少なく大人びた容姿をしているけれど、寝ているときはやはり無防備であどけないように見える。
本人には嬉しくないことなのかもしれないけれど、可愛いと思ってしまう。
猫のように柔らかな髪を撫でた動作が、ライが身じろぐことで動きを止め、アーニャは様子を伺う。
起きる気配はないのを知って、小さくなるくらいのキスをするよう顔を寄せた。
ライの顔を凝視するように顔を向けたまま、横になるアーニャは同じシーツを肩まで被り目を瞑る。
ライの男にしては繊手に、アーニャは自分の手を重ねたまま、やがて規則正しい寝息の二重奏が聞こえ始める。
[留め]