叫べ、花曇を蹴散らせ！

理由なんて見つからないの続きで、咲世子登場。
ルルーシュvsナナリー×ライです。
お話は、続きからになります。

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叫べ、花曇を蹴散らせ！



　桜並木の道を見上げながら歩いていた一行の前に、メイド服の女性・咲世子が立ちふさがり、三人へと一例をする。


「ナナリー様、ライ様。お待ちしておりました」

「咲世子さん？」

「どうして、此方に？」


　クラブハウスに待機しているはずの咲世子が何故か此処にいることに目を瞬かせるナナリーとライ、しかし、ルルーシュは驚くこともなく密かに口角を引き上げていた。
　ルルーシュとアイコンタクトを一瞬交わすだけで、咲世子は手を差し出して案内を申し入れた。


「準備は整っておりますので、皆さんをご案内したく参上しました。此方へ。どうぞ」


　一度顔を合わせた二人は、無言で背を向ける咲世子の後に素直に付き従うことにした。その後も、ルルーシュが行く。
　約束は遅くに履行を早くなせのことわざのごとく、ルルーシュは少しも諦めてはいなかった。
　買い物時に花見の場所を確保するべく探していたと言ってたが、実際に有名な花見観光の場所と人の多さを事前に調べていたのもあって、携帯で咲世子を呼びつけていた。
　絶好の穴場、もしくは、人が既に場所取りとする場所でも、ある程度の条件をつけて咲世子に任せることにしたのだ。
　メイドとしては優秀な咲世子には、愛する妹とライのデートのために協力して欲しいと言えば、快く受けてくれた。
　因みに、二人には驚かせておきたいから黙っててくれと予め言いつけてあるためか、ルルーシュからだとは一言も話していなかった。
　どんな方法で確保したのかは詳細は聞かなかったが、花見に必要な道具も準備して置けという言葉通り先ほど報告を受け、その手際の早さは目を見張るなと思いながらもルルーシュはほくそ笑んでいた。



続く