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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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Your smiling face could be seen and it was good ~君の笑顔が見れて良かった~
春が少しずつ音もなく、近寄る気配がするのは、花や緑、それとも、街の景色や人の服装が、知らぬ間に告げているのかもしれない。
空は、晴れ。流れる雲が、風の揺らめく音が、動く声が、時間の流れを現すように、今の瞬間を動いているのだ肌で感じ、空を見上げた少年は、眩しそうに目を細めた。
「おーい」
かけられた声に振り返れば、青い髪の少年が、ライの方へ駆け寄るようにやって来るのが、見えた。
「なんだ、リヴァル」
「なんだって、おいおい、お前の最良の友人つかまえて、そりゃないだろ?」
「・・・?」
「だから、そこで、スルーするなよ」
はたと何かに気づいたリヴァルは、気を取り直すように、
「って、やり直し。今日お前の日ということで、お祝いしに来た」
「祝い? …何か祝うことがあったか」
ライの言葉に、目を瞬かせたリヴァルは、
「マジで言ってる?、それ」
「ああ」
「お前なぁ~、・・・・まぁ、いいや。ちょうどいい機会だし、コレお前にやるよ」
そう言って、軽く投げたそれが、綺麗にライの手のひらに受け止められる。
視線で、問いかけるライに気づいて、リヴァルが、口にした。
「お祝いの品。あ、念のために言うけど、それ、他の奴に言うなよ?。特に、会長やルルーシュには」
「秘密ということか?。…ありがとう。それはいいが、一つ尋ねてもいいか、何故なんだ」
ライに聞かれ、答えに困ったリヴァルは、顔を横に向けるようにして、指で頬を掻いた。
「うーん、俺の気持ちの問題?」
「どういう意味だ?」
「それは、置いといて。俺がお前にそれをやる、それをお前が受け取る。ちゃんと成り立ってる。うん、問題はない」
「待て、話がまったく、見えな、…リヴァル?」
「わりぃ、この後、ルルーシュと例の…用事あるから、今日はこれで。それじゃあな」
そう言ってリヴァルは、にこやかに笑って、そそくさとその場を去って行った。
立ち去る際、微かに頬が赤く染めて見えたのは、見間違いだろうかとライは、思った。
残ったのは、ライと手の中に残るリヴァルから貰った、お祝いの品だけ。
わざわざ後を追いかけるのも躊躇って、ライは、手に持ったその中身の方に意識をもってかれ、開けてみることにした。ガサゴソッと、紙の擦れる音の後、開けると、ライの無表情な顔に、僅かに驚きの色が見えた。
「腕時計?」
リヴァルが、合わせたのだろうか、カチカチと秒針は動いていて、時刻は、今の時間を露わしていた。
「ん」
腕時計に白い紙が巻かれるようにして、あったのを見つけ、その紙を開いてみた。
すると、中には、ライへと向けたメッセージが、書いてあった。
《ライ、ハッピーバースディ……って、お前の誕生日って言っていいか分からないけど、お前のなくした記憶の中には、あるんだろうから、一応お祝い。
お前に、こうしてプレゼントしてるなんて、前のことを考えると、不思議だよな。
学園に、初めて俺達とあった時のお前ってば、表情は硬いし、今より、警戒心強かったし、どうなるんだろうって危惧してたけど、俺の気苦労だったみたい。うん、凄いよ。お前は、見ず知らずの土地で、見ず知らずの人たちに囲まれて、記憶がないのに、しっかりと自分を見据えて、周りを見ていたもんな。
不安そうには、見えなかったけど、多分、いや、あったんだろうなっと思ってる。
前よりも、表情が少しずつだけど、ほぐれていくのは、見ていて嬉しい。それに、貴重な笑顔とか、みられるようになったしな。って、まぁ、それはともかく。
これ、受取って置いてくれよ。お前、外に出歩くこと多いし、使えると思って、腕時計にしてはみたんだけど、使うかどうかは、お前に任せる。
ああ、でも、周りには一応内緒にしておいてくれると有り難い。からかわれるの、お前も嫌だろ?。》
書かれたメッセージを読んで行くうちに、ライの銀の瞳が柔らかに細まった。
紙を綺麗に折りたたんで、ポケットにしまうと、手の中にある、腕時計に目を落として、顔をあげて、リヴァルの立ち去った方へと、視線を向けて、口を開いた。
「凄いのは、僕ではないだろ。な、リヴァル」
その言葉を合図のように、賭けチェスへと向かったリヴァルは、盛大にくしゃみをして、かけられたルルーシュに、変な眼を向けられ、謝っていた。
[留め]