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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
電話越しの体温
何かのためにと渡された携帯は、使用方法を教えてもらったのだが、使う機会も無く、ポケットの中でただの置物化していた。
お決まりとなった、着信音が鳴ることもなく、振動に震えたのを合図に、取り出した携帯を開く。
はじめのうちは、近くでもないのに耳に聞こえた声に、僅かに違和感と戸惑いはあったものの、音のなったそれに、通話というボタンを指で押すと、ようやく相手の声が受話器越しに聞こえて来た。
「もしもし。あ、ライ?」
「スザク?」
「そうだよ。今何処にいるのかな?」
「あ、ああ。今は公園の中にいる」
「そうなんだ。あ、携帯の調子はどうだい?慣れた頃かな」
「そうだな。やはり、顔が見えないのに、声が聞こえるのは変なものだな」
「あはは、大丈夫だよ。そのうち、君も慣れると思うよ」
「そうか」
少ない言葉で他愛無い話をして、お別れを互いに言いに終わってから、後に聞こえてくるのは、切れたことを知らせる電話音が聞こえ、耳から離した携帯に、ライは視線を落とす。
スザクや他の人達も使っているところは、何度か見かけたことはあるのだが、今自分が彼らと同じそれを使っているのは、どうしても違和感が残った。使い慣れてないゆえの、心の問題なのかもしれないが、ナイトメアフレームでも通信というのは使い慣れているし、違和感を覚えたことは無いにも関らず、その姿は無く声と音だけを届けていくことが、ライの中で寂しく思った。 と、同時にそんな気持ちになった自分に驚き、そして、自嘲するように小さく笑うのだった。
何を考えているのだろうと思い直し、ライはカチッと音をたてて、携帯を閉じた。
渡された携帯はその後、ライが持ち歩く機会を減らしたために出番は無く、机の上に放置されたままになっていた。
「ライ」
目の前でスザクが此方へと顔を向けた。
電話越しに感じた、あの時と同じ感情はわかない、それが今のライには必要なことというより、当たり前なのだ。
「あれ?、携帯今日は持ち歩いてないんだね」
そう言うと、ライに自覚はあるのか寂しそうに目を伏せるのもあって、気にはしないようにしていたのだが、
「人に会うのなら、今は使わない。アレは必要なときにだけ使おうと思う」
そう言ったライの言葉に、スザクは言った。
「うん、君がそう決めたのなら、それでいいと思うよ」
と返した言葉に、ライが小さく笑った。ミレイやシャーリーが残念がっていたのだが、ルルーシュがいつもの表情ながらに、言った言葉を思い出した。
「ライ。・・・会長も含めての心配してのことで、持たせてはいるが、そんなに気をもむな。何か躊躇する気持ちがあるなら、持っていなくても問題ない。が、その変わり、出かける時くらいは、ちゃんと会長達にも伝えておくことだ。一応、お前の身を預かっているのだからな」
とそれは、普段と変わりない言葉遣いだったが、優しさを含んだ言葉でもあった。
「あ、これから、ロイドさん達のところに向かうんだよね」
「ああ」
「それなら、僕も今日は呼ばれているから、一緒に行こうか」
そうして、スザクと些細な会話をしながら、ロイド達のいる特派ヘッドトレーラーへと歩いていくのであった。
「そうだ。携帯電話にいくつ番号が入ってあるんだい?」
「入ってるといっても数は少ないが、何故、そんなことを聞きたがるんだ?」
「うん。増えているのかなっと思ったまでなんだけどね」
「・・・今登録してあるのは、ミレイさんとスザク、それから、ルルーシュとリヴァルといった生徒会メンバーの番号くらいだ」
「今言った順番だと、僕は二番ってところかな」
「ああ、ミレイさんから貰った後で、最初に君と番号交換していただろう?」
「あ、そうだったね」
何か嬉しそうに笑ったスザクに、ライは不思議そうに見つめた。
歩きながら、二人でそんな会話を繰り広げていたことは、周囲は知らない。
[留め]