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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
あまい、ね 彼氏の特権
ルルーシュに誘われるままに、用意されたテーブルの前のソファで腰掛けたライ。
自然にその隣に腰掛けたルルーシュは、一つのお皿を取り上げてまず最初にお前に食べて欲しいと甘い顔をして、ライに食べさせていた。
「ライ、クリームが付いてる」
口端に付いた生クリームを指でぬぐったルルーシュは、何の抵抗もなく自分の口にそれを含んだ。
自分で食べられるのだがなにやら献身的に、ライの口へと食べ物を運ぶルルーシュも気になるのだが、何よりも肩を回すかのようにソファの背もたれに置かれる腕も気になるとライは一瞥した。
「どーした?」
「いや」
「材料が多かったから、他にもあまっている。いくらでもおかわりは可能だから遠慮なく言ってくれ」
「・・・ああ」
お昼時とはいえ、チョコだけでは腹持ちにならない気もするが、祖うと感じないほどにチョコの料理は沢山あったことにも驚いて、もうコレ以上は食べきれないというのが本音だったが、ルルーシュの厚意を断る言葉は今のライにはなかった。
それよりも、さっきからひしひしと背中に刺さる視線もルルーシュなら気づいているはずなのだが、彼は何も言う気はないようだ。
それがわかっていての事かは、ライの知るところではなかったが、明らかに敵意を向けてきているスザクとカレンが気にかかる。
「(先ほどのテーブルにも多種多様にあったと思うのだが、如何して二人は此方に目を向けるんだ。ん、そういえば二人に共通することは大食だったな。あれだけでは足りなくなったと言うことか。それならば、遠慮せずに話せばわかると思うのだが、何故近寄らないんだろうか?)」
しかしライは、持ち前の鈍感と天然で件と疑いの解釈をして、一人で納得していたことなどスザク達は知らないし、ルルーシュが最初に牽制している為に誰も近寄れないこともライは知らなかった。
「まだ食べられそうか」
「えっ、ああ・・・、あまりチョコを大量に摂取した覚えはないんだが、せっかく用意して貰ったものを粗末にはしたくない」
「根を上げたくなるほどの量だったからな。無理もない」
テーブルの上に並べられた一つの皿を手にとって、ルルーシュは言った。
「チョコばかりに飽きると思って、チョコがけのイチゴムースを作ってみたんだ。少しでもお前の慣れた味覚に別の味わいとなれば嬉しいんだがな」
料理上手なルルーシュと、メイド専門の咲世子の手にかかったチョコレートは全て最高の料理として、出来栄えにも美しく味も保障されている。
美味しいのは確かだが、チョコの甘さに慣れてしまった脳と舌が刺激を求めて、他の味覚を要求していたことも本当で、それを言い当てられたような気持ちになって、ライは申し訳なく眉を下げるものの、それを拒絶する言葉は出なかった。
「貰うよ」
「俺が食べさせてやろう」
またライにフォークを握らせることを拒むようにして、ルルーシュが食べさせるように口を開けろと言う。
覗き込んだその目が屋鋪かがいて見えたような気がして、目を瞬かせたライに、一口味あわせた後で、
「実はお前の分のチョコだけは、俺が作ったものだ」
囁いたルルーシュの声は、ライにしか聞こえない音域で伝わる。
「僕が食べたのは、全部・・・」
「ああ・・他の女に胃の中まで占領させてもらいたくはないからな」
「占領って」
「何よりお前の胃を満足できるのは俺の手料理だけで十分だろ」
目を細めた紫の瞳は逸らさぬままにライへと向けられていた。
果てのない独占欲と愛情がその瞳の奥に見えてしまい、ライは頬を赤く耳まで染め上げ、目を逸らす。
かすかにルルーシュの笑う声が、耳朶に掠めるように聞こえたが、
「Love is everything」
ルルーシュの言葉を拾ったのはライだけだった。
終わり