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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
その場限りの寓話を頂戴
流れ出る血とそれに伴う痛みと薄れゆく意識の中で、最後に聞いたのは妹・ナナリーの悲痛なる声。
その笑顔を守りたいと思ってやってきたのは、結局嘘で固められた世界だった。
誰かのためにと言い訳をしてきたせいだろうか、心にどうしようもない虚しさが残る。
うっすらと開いた瞳に映るのは、大きな紫色の双眸が涙を溜めてこちらを見ている妹と、そして変わらず澄んだ青空が目に焼きつくものの、瞼は意志に反して次第に重くなり何も見えなくなった。
「此処は・・・」
何もない真っ白な空間に投げ出された自分が目を開くと、エコーのように響く声が聞こえた。
聞き覚えのある声は、胸にまで浸透して愛おしさが募る。
「ルルーシュ・・・」
振り返るといるはずのいや、過去と共にギアスの力で忘れていたライという存在がそこにいた。
ルルーシュを見つめ少し寂しげに笑ったライは、声をかける。
「大切な人を悲しませても、君の選んだ切り札は、それで最後なのか?」
チェスの対戦をしたときのように尋ねてきた声に、感情を込めるものを押し殺すようなそんな響きを纏っていたのはわかったが、ルルーシュは後悔はないと割り切るように小さくも切ない声でああっと返す。
ライの無表情さは相変わらずであったものの、綺麗な灰青の瞳は憂いに揺れていたが、それを隠すように目を閉じると、ルルーシュへと手を指し伸ばす。
何を意味するのかは理解で着ていなかったが、ルルーシュは躊躇うことなくその手を握り返すと、
「人の死に再生はなくとも、生まれ変わる。僕と一緒に行こう」
遠くに映っていた光が眩しいほどに包み込むと、小憎らしい声と共にC.C.の声が上空から聞こえた。
「おい、いい加減おきろ。狸寝入りが私に聞くとでも思っているのか」
呆れた声に目を覚ますと、見たこのない衣装を着たC.C.と、
「怪我に触るだろ。少しぐらい寝かせてあげるという配慮も必要だぞ」
子供に言い聞かせるような涼しげな優しい声に、はっとして身を起こすと、C.C.とは反対側に同じく、変わった衣装を着たライを見つけ瞠目する。
「ライ・・・?」
夢の続きでも見ているのだろうかと呟いた名前に、ライが振り返る。
光沢間のある髪に灰青の珍しい瞳、華奢な身体とどこか中性的な容姿、確かにそこにいたのは、ライだった。
起きたのは、お前が騒ぐからと責任をライになすりつけようとするC.C.に構わず、ルルーシュはライの身体を引き寄せるままに抱きしめた。
その存在を確かめるように。
途端に抱きしめられ呆然とするライとは裏腹に、少し面白くないと不満そうな顔をしたC.C.がふんとはない気をもらしてそっぽを向いていたのは、馬車の上でのことだった。
[留め]