My being me -③-

女性主権のライ受けお相手アンケートにて、表の一番多かったナナリで、
自分らしい形で内緒話の続き。
ナナリー×ライです。
お話は、続きからになります。

拍手を送る

My being me 傍に居ることを怖がらないで


　外出することを兄は自分が傍にいるとき以外は、神社の境内までしか出歩くことを許されていないのだが、それでも、外に出かけるのはいつもやる日向ぼっこや花摘みといった一人で遊ぶものではなくて、


「こんにちわ!」


　車椅子でうろつくには限度があったけれど、会いたい人がいるため、ナナリーは探し回り、そしてやっとの事で、カザガサと草木を掻き分けて、ひょっこりと顔を出したナナリーの挨拶の先には、一人の銀髪の少年が木にもたれかかるようにいた。

　少年の傍では、キャンキャンと甲高い子犬の鳴き声が聞こえ、間違いないとナナリーは嬉しさを隠すことなく、車椅子を進める。
　サワサワと漣の様な風の音に混じり、少年の男とも女ともつかない中性的な声が、耳に心地よく届いた。


「君か・・・」

「ワン!」


　少年、ライにじゃれついていた子犬は、新たな訪問者に慣れたように啼きながら駆け寄り、尻尾を振ってきた。
　ナナリーは一度車椅子を止め、子犬を踏まないように注意しながらもゆっくりゆっくりと歩み寄る間に、ライは腰を上げてナナリーへと向き合っていた。


「こっこんにちは!」

「・・・」


　初めに見つけたのはナナリでこうして何度か、探し出しては声をかけ手を繰り返すが、特に進展したないように見えた。


「初めは貴方の事探し回ることが日課でしたけど、最近此処にいることが多いですよね？。お気に入りなんですか？」


　ワンワンと足元にじゃれつく子犬を優しく抱き上げて、ライは目を伏せて静かに言ったのだった。



続く