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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
デート未満
「コラー!」
授業をサボっていた二人組みを発見。
其処にいたのは、サボりの常習犯であるルルーシュと、何故か一緒のライの姿をシャーリーは、怒った形相で確認する。
シャーリーの声と顔を確認して、やばいとばかりに退散する二人のうち、シャーリーの追いかけたのは、ライのほうだった。
ルルーシュは、体力的にすぐ追いつけると判断しての事だった。
「もう、ルルは毎度の事だけど、君まで一緒に授業サボって、どこにいこうしてたの?」
チラリとライがルルーシュを確認すると、遠のく姿を確認する。賭けチェスをすることをよしとしていないシャーリーであることをライも知っているからこそ、ルルーシュを逃がすには自分で足止めをしておくことだと思ったのだ。
「ねぇ、聞いてる。ライ」
「ああ、今日は街へ探しに出ようと思って」
「本当に? それなら、ルルはどこに行ったの」
居場所を言えとばかりにシャーリーの掴んだ腕が強まり、見上げるようにした瞳が強く訴える。
「話すから、とりあえず、掴んだままの手を離してくれないか。もう、逃げはしない」
「・・・わかった。絶対だよ」
ようやく開放された。中庭のベンチに
「ルルーシュとは此処で会っただけだ。どこへ行くのかは、聞いていない」
「本当に? なら、此処で二人でいたのは、偶然」
ライの瞳を覗き込むようにして上半身を前のめりにするシャーリーに、身体を後ろへと下がるようにライは頷くと、シャーリーは溜息をつきながら離れた。
「いつも、捉え損ねるのよね。其処で」
「シャーリー?」
「う~ん」
「シャーリー?」
考え込むようにしていたためか、ライの呼びかけに気付くこともなく、ポケットから、何かを取り出して、それを見たまま呟く。
「どうしよう。これから・・・」
「シャーリー?」
「ううん、もう、しょうがない。一人でも」
ライの存在を忘れてしまったように、独り言を始めたシャーリーに、
「シャーリー!」
「うわ~!?、びっびっくりしたー」
「すまない。さっきから独り言を言っていたから。何か悩み事でもあるのか?」
「え、嘘、独り言を、私言ってた?」
頷いたライに、恥ずかしそうに顔を赤くして、あたふたする。
「ああ、えっと、これは」
「何を持ってるんだ」
「だから、これは」
ぎゅっと手に握りこむようにして、もう一つの手でそれを隠すシャーリーに、シャーリーの背中越しに視線を向けるようにして言った。
「ん、あれは、なんだろう?」
「えっ?」
素直に振り向いたシャーリーは、何もないことに気づいて、
「何もないじゃな・・・あー!」
シャーリーの手に握られていたものが、ライの手に渡っていた。それを見せつけるように小さく上下に揺らしたのは、二枚のチケット。
ルルーシュが好きであるのは確かだが、その証拠にチケットを使って誘うつもりだったのだが、何故か最近ライも気になっていて、その当人が目の前にいるので、思わず隠してしまったのだけれど。
「映画のチケット?」
バレてしまったら隠し通せないと、ライから尋ねられる前にシャーリーが口を開いた。
「うん。ルルに休日誘うつもりだったんだけど、そんな暇もないくらい忙しそうだったから、なかなか言い出せなくなって、気づいたら、期限日になってて、今日がその日なの」
「・・・」
「はい。わかったなら、もういいよね」
ベンチから立ち上がったシャーリーがそう言って手を差し出すと、ライは返しながら、
「それは、どうするんだ?」
「ルルは、捉まらないみたいだし、一人分余るけど」
手にしたチケットに目をやってから、にっこりとシャーリーは笑った。
「楽しんでくるよ。せっかくだもん」
「・・・」
考え込むように黙ったライに、首をかしげたシャーリーは、
「あ、チャイムの合図だ。じゃあね。今度は、サボっちゃ駄目だよ」
走り出そうとする前に、ライの言葉がそれを止めた。
「余った分のチケット、僕が貰っても構わないか?」
「えっ・・・」
揺らめいたシャーリーの長い髪が横に流れるままに吹かれて、ライのほうへと振り返る。思っても見ない言葉で、シャーリーは目を見開いたのだが、次第にそれは喜びへと変わるように頷いて見せた。
「うん!」
シャーリーの揺らめく乙女心は秘密にしたまま、放課後二人で約束をした。それは、ひと時の幸福の時間だった。
[留め]