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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
誰が立ち止まるものか
来るはずの足音が遠ざかり、ライの姿を見えなくなってきたのと、目的の場所に着いたことでようやく安堵を浮かべたルルーシュは、風景を見つめる。
今おかれている自分の状況にも気づかぬままに、ナナリーと自然を観賞するように楽しんでいた。
それは、ひと時の時間の事だった。
「おいおい、貴族がこんな森の中でうろついているってのはどういうことだ?」
耳障りな声が、草を掻き分けると共に登場した男達の姿に、ルルーシュはナナリーを背に庇うようにして対峙した。
「しかも、子供二人だけだぜ。護衛もいねぇみたいだし、あぶねぇな」
「お兄様!」
相手は三人だった。
もう一人の男にあっという間に後ろから掴まえられたナナリーは、身動きの取れないまま兄を呼び続ける。
ルルーシュが妹を救うために近づこうとすると、男は卑しい笑みを浮かべ、取り出したナイフをナナリーの首に向けて、鏡のようにして見せつけた。
「おっと、動くなよ。この子に傷が付いたらどうするよ?」
「くっ!」
「大人しくすればお前一人だけは助けてやるぜ。その代わり、この子は置いていけよ。最も、見てくれは悪くはないから何処かで慰めものとして買い取ってくれるやつはいるかもしれねぇからな」
ナナリーの顎を持ち品定めする男の目は、商品を見ているようで、ルルーシュには虫唾が走った。
恐怖で涙を浮かべたナナリーは、助けを求める目で兄を見る。
「お兄様・・・」
「っ、ナナリーに触るな!!」
ルルーシュは、勢いよく体当たりするように向かったが、それほど力のあるまでも運動能力の高いわけでもなく、簡単に足蹴にされる形で地面に倒された。
「お兄様!?」
「仕方ねぇなぁ。大人しく出来ねぇ子には、ナイフのご馳走だ。安心しろ。あとで内臓は全て金に換えてやるからよ」
きらりと光るナイフを手に男は鋭い目を眇めて口端を吊り上げて笑いながら、近づいてきた。
殺される、確信があるわけではないが、男の持つ雰囲気はそれを物語ってるように感じられた。
ナナリーさえも助けられず此処で死ぬのかとマイナスな考えが頭を過ぎる。
しかし、どう足掻いたところで子供と大人の対格差もあってかなうはずもなく、またこんな場所では身分の違いによる権力も見せ付けることも出来ず、歯を食いしばり自分の無力さに思い知り唇をかみ締め、拳を強く握る。
「・・・・(こんなところでむざむざとくたばる訳には行くか)ライ! 傍にいるなら今すぐ、僕達を助け出せ!」
ルルーシュは息を吐くように高らかな声で叫ぶと、それに反応するかのように、森の木々がざわめいた。
続く